2005年 アメリカ映画 88分 サスペンス 採点★★
話の本筋よりも脱線した話の方が面白いってことがよくあります。中学時代の数学の先生がそのタイプで、授業内容よりも脇道に逸れた全く数学に関係ない話ばかりが記憶に残る始末。私が数学を全く理解できないのは、きっとそのせいだ。絶対そうだ。
【ストーリー】
クリスマスのカンザス州ウィチタ。極寒に晒されたこの何もない街で、街の顔役の弁護士を務めるチャーリーはポルノ屋のヴィックと組んで、ボスの元から200万ドルを盗み出す。街を逃げ出すまでの間身を潜めるチャーリーだったが、組織の人間が彼らを徐々に追い詰めていく。さらにヴィックにも裏切りの気配が…。

『アニマル・ハウス』『ゴーストバスターズ』の脚本及び出演から、『アナライズ・ユー』『悪いことしましョ!』の監督と、コメディに関しては大きく外すことのない安心印付きのハロルド・ライミスと、作品選びの上手いジョン・キューザックの組み合わせである。外す方が難しいはずである。例えそれが得意のコメディではなく、フィルムノワール風味の犯罪サスペンスであっても、いつも通りの仕事さえしていれば、そこそこ面白くなるはず。ビリー・ボブ・ソーントンまでいるんだから。それがどうしたことか。なんとも観ていて辛い作品の出来上がりで。
状況が不鮮明のまま始まる物語は、不鮮明のまま二転三転し、様々なものを(特に観客を)取り残したまま終焉してしまう。「あぁ、この住んでいるだけで地獄の様な街を逃げ出したいのねぇ」「裏切りの話なのねぇ」「悪女も出てくるのねぇ」と、やりたいことは分かるのだが、「やってみたけどダメでした!」と胸を張って言われたかのような作品になっている。
ところが、この本筋の全く面白くない作品は、脇道に逸れた部分が非常に面白いから困りもの。脇役が魅力的で、小さなエピソードの数々も面白い。問題は、それらが全く本筋に絡まないことだけだが。

いつも黒っぽい服を着ている印象があるジョン・キューザックは、本作でも常時黒っぽい服を。私服なのか?いかにも“雇われ仕事”の様なジョンキュー風演技は楽しめるが、やはり物足りない。『理想の恋人.com』といい本作といい、最近この“物足りない”ジョン・キューザックが続いているのが心配です。
『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』の時と同様、どうにも好きになれないビリー・ボブ・ソーントンと、薹が立ち過ぎてカレン・ブラックにしか見えない『ソルジャー』のコニー・ニールセンは放って置いて、最近では『愛についてのキンゼイ・レポート』などの好演も印象深いが、やはり80年代後半から90年代半ば、観る映画観る映画全てに出ていたと思うほどの大活躍をしていたオリヴァー・プラットが、非常に素晴らしい仕事をしている。さほど物語に絡んでこない役回りなのだが、彼の出ているシーンだけまるで別の映画のように面白い。余裕綽々の大暴走で本来小さかった役を力技で大きくしたのか、何種類かあるエンディングの中から、彼の出るエンディングを採用したのも納得。ジョン・キューザックとの息もピッタリで、二人が顔をあわせていると、青春映画を観ているかのような楽しさがある。この二人をメインで一本観たいなぁ。

80年代青春映画のひとコマみたいですし
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テンション下がりぎみ〜(笑)
そうなんですよねぇ。。。
ハッキリ言って、つまんないんですよねぇ。