2011年 アメリカ映画 101分 アクション 採点★★
ニコラス・ケイジって、ホント自分の好みに素直な人ですよねぇ。何を犠牲にしても、自分のやりたいことをやり通してますし。素敵だなぁと思う反面、「誰か周りに止める人はいないのか?」と思ったりも。
【ストーリー】
娘夫婦を惨殺し幼い孫を連れ去ったカルト教集団から孫を取り戻す為、ジョン・ミルトンは地獄の底からやって来る。しかし、そんな彼を謎の追跡者が追っていて…。
『ドラキュリア』シリーズばっかり撮ってる印象のあるパトリック・ルシエによる、狙いは分かるが形に成り切らなかったお下劣アクション。
ニコケイを始め大物キャストが揃ってるとは思えぬほどペラッペラのCGと、こっちはニコケイが出てるのも納得の中坊の妄想的物語に驚かされる本作。手足が吹き飛びバットは頭を貫き、果てや『シューテム・アップ』ばりのハメ撃ちまで披露する下品シーンのオンパレード。いやぁ、楽しい!面白いかどうかはさて置いて、楽しい!
ただまぁ、このニコケイ版グラインドハウスなのであろう本作を、“分かってる人”が撮ってれば“楽しい”に“面白い”も加わった『マチェーテ』に成り得たんでしょうが、残念ながらそこまでは至ってないので薄っぺらさばかりが際立つ結果に。また、キリストに対し「あの大工、実は短髪の方が似合うんだよね」とか面白いセリフはあるものの、どっかで理性が働いてしまったのか、“地獄からの脱走犯”“地獄の追跡者”“カルト集団”“テキサスビッチ”と美味しい題材が揃っているのに、弾け切れずに程良い下品さに収まってしまったのも惜しいところで。“自分のはらわたで悪党を絞め殺す”とか、やたらとカーペンターズの曲ばっか流れてくるとか、作り手の正気を疑うようなシーンがあってもいいのに。
“失楽園”のジョン・ミルトンから頂いたのであろう同名の主人公に扮しているのは、自分がカッコイイと思うシチュエーションを演じることに至福を感じるのであろう、『バンコック・デンジャラス』『キック・アス』のニコラス・ケイジ。今回も炎上する車をバックに悠然と立ち去ったり、アクロバティックな銃さばきを見せたりと、いつも通り“カッコ良い道追求”に余念がないんですが、如何せんあまりに小汚い。ヅラが不自然なのはいつもの事だからいいとしても、深酒後の寝起きみたいな風貌はどうかと。
そんなニコケイを中心に、実のところ劇中の面白い部分を全て背負っている、この作品のオアシスのような存在だった『ウルトラヴァイオレット』のウィリアム・フィクトナーに、『ザ・ロック』のデヴィッド・モースといった、マイケル・ベイ組の同窓会のような顔ぶれが揃った本作。その他にも、それなりに活躍したのにも関わらず生足しか印象に残らなかった『ゾンビランド』のアンバー・ハードや、カーペンター作品の常連でもあった『クリープス』のトム・アトキンスらも共演。この顔ぶれを見ると、つくづく程良い下品さに終わってしまったことがもったいないなぁと。
因みにエンディングに流れる曲は、先ごろパーソナルトレーナーにボコボコにされたことでも話題になったニコケイの息子、ウェストン・ケイジが歌ってるようで。まぁ、色んな意味でそこが一番下品だったかと。
あれこれウヤムヤにする生足
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
しかし『シューテム・アップ』のぱくりはいけませんなぁ(笑)
ラストの曲は息子が歌ってるんですか?
へぇ〜。
お下劣を狙ったのに、どこかでセーブが掛かっちゃったような作品だった感じも。
クレジットを見る限り、ラストの曲はあのお騒がせ息子が。
それこそ「自分のはらわたで悪党を絞め殺す」とか(いやそれはないだろう/笑)
「ニコケイinグラインドハウス」を狙ったのなら正解だったかも知れませんね
どこか安作りだったCGもB級感まるだしで逆に好感触でした
弾け具合が半端だっただけに、「ちゃんとした映画も作れるけど、敢えてB級にしましたー」って狙いミエミエの作品になったんだろうなぁと。「そこまでやるのか!?」って驚きがない。やっぱりそこは、自分のはらわたで…w