2011年12月08日

デビル (Devil)

監督 ジョン・エリック・ドゥードル 主演 クリス・メッシーナ
2010年 アメリカ映画 80分 ホラー 採点★★★★

振り返ってみると、“許す”って行為をあんまりした記憶がない私。もちろん些細な事はその場ですぐに許しますけど、大概は怒るのに疲れてしまってどうでもよくなってしまうか、時の経過と共に自然鎮火するかのどっちか。怒りがピークの時に“許す”ってのは、本当に難しいことですよねぇ。

devi2.jpg

【ストーリー】
見ず知らずの5人の男女が乗り合わせたエレベーターが突如故障。彼らは閉じ込められてしまう。やがてエレベーター内の電源が一時的に消え復帰すると、その中の一人が何者かによって殺されていた。彼らの内の誰かが犯人。駆けつけた警官がモニターを見つめる中、電源が落ちる度に一人ずつ殺されていき…。

devi3.jpg

ハプニング』のM・ナイト・シャマランが自身のアイディアを新進気鋭のスタッフに映像化させる、なんかベッソン映画みたいなプロジェクト“ザ・ナイト・クロニクル”の第一弾。アガサ・クリスティの“そして誰もいなくなった”にインスパイアされた今回のネタを担当するのは、『REC:レック/ザ・クアランティン』のジョン・エリック・ドゥードル。
悪魔をモチーフに描かれる本作。住所が333(666の半分)にあるビルの、6号機エレベーターが23階から42階(2×3=6、4+2=6)で停止し、42階に行きたい乗客と39階(9−3=6)に行きたい乗客らが閉じ込められる様を、TVでホッケーの試合を1分42秒(4+2=6)の所まで観ていた警備員が気付く、なにやら“6”を必死にアピールする悪魔が登場。
そんな自己顕示欲の強い悪魔の話題はさて置き、密室に閉じ込められた5人と事態を収拾しようと奔走する刑事の姿を、80分という非常にタイトな時間で描き切った本作。5人の素性が分かるにつれ、刑事も含めた彼らがある意図を以て“この場に集められた”ことが明らかになっていく物語が非常に面白い。“悪魔”ってのがぶら下がっている以上、観賞しながら犯人捜しをする気が起きないミステリーとしての欠点や、次々と先の展開をネタバラシするナレーションも、実は巧みにミスリードを促す上手い構成だったってのにも唸らされた。

devi4.jpg

“幽霊”“宇宙人”“植物の反乱”など、とってもムー愛読者っぽいネタを手掛けるシャマランだけに、『ヴィレッジ』の次に作る予定だったとも言われる本作の“悪魔”ってネタも違和感がなさそうなのだが、これまでの作品がピュアで善なる世界をベースとして描いていたり、特定の宗教観に縛られない作風だっただけに、実は違和感が大きい。また、“贖罪”を振りかざし犯罪者を密室に閉じ込める如何にも“ソウ”的なやり口も、似合っているとは思えず。
ところが本作、蓋を開ければとってもシャマラン。悪魔も登場するし結構血生臭いのだが、『レディ・イン・ザ・ウォーター』でピークを迎えたシャマラニズムの片鱗を伺える、非常にシャマランっぽい作品。やはりそれは、“贖罪”以上に“許し”と“救済”をメインに描くピュアさ故ではないのかと。このシャマラニズムが伺える本作は、シャマラニストとしては満足のいく一本で。“シャマラニスト”って言葉を久々に使えたってのも嬉しいですし。
一部始終を眺める事しか出来なかったのにも意味があった刑事に扮したクリス・メッシーナを始め、『復讐捜査線』ボヤナ・ノヴァコヴィッチや『ビッグ・ヒット』のボキーム・ウッドバインなど、TVを中心に活躍する気鋭のキャストが集められた本作。
シャマラン本人が出ていないのはちょいと寂しいが、代わりにって言ったらアレだが、『デス・レース』のジェイコブ・バルガスがピュア要員として警備員役にキャスティング。「パンを落とした時、ジャム塗ってる面が下になっちゃうのは悪魔がいるからだ!」と、日常の些細な出来事を例に悪魔の存在を必死にアピールする様が、なんとも可愛らしかったなぁと。そうすると、私がパンを落とす時は常にトッピング面が下になってしまうのも、塗ってる面が重いからそうなるんじゃなくて、悪魔の仕業だったんですねぇ。“常に”ってことは、私の周囲に悪魔が常駐してるってことなんですねぇ。それはイヤだなぁ。

devi1.jpg
こういうケース、“臭い”ってのが最大の敵だったりも

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
blogram投票ボタン   人気ブログランキングへ

        

        

posted by たお at 15:11 | Comment(6) | TrackBack(21) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これとかロープウェイで閉じ込められて何が怖いって尿意ですかねぇ。悪魔も怖いけど。
となると一番怖いのは尿意を起こさせる悪魔か…。
Posted by inuneko at 2011年12月10日 12:11
inuneko様、こんにちは!
この間観た『フローズン』では、スキーリフト上で尿意を催し大変な目に遭っておりましたねぇ。なんであれ、行ける時にトイレは行っておくのがベストだということで。
Posted by たお at 2011年12月11日 06:27
こんにちは♪
こういう狭い空間はどきどきしちゃいますね。
私もトイレが気になります^^;
悪魔よりも怖いかも〜
Posted by yukarin at 2011年12月13日 12:59
yukarin様、こんにちは〜♪
少しでも尿意を感じたらすぐにトイレは済ませておく。尿意のことなんか全く描いてない作品なのに、テーマがそこに集約されちゃうようですねぇw
Posted by たお at 2011年12月14日 07:39
TB&コメントさせてもらっちゃいますね〜。
「臭い!」確かに大敵だ!
私も体臭で心配な部位がありましてね・・・(何をカミングアウトしてるんだかw)
出演したら一番に攻撃されるかも (((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
数字の細かいネタには感心しちゃいましたが、あまりに細かすぎて(シャマラン過ぎて)微妙ですねぇw
Posted by oguogu at 2012年11月27日 05:59
oguogu様、こんにちは〜
臭い人と密室に閉じ込められるって、それだけで十分殺意が湧く状況ですし、なんとなく情状酌量してもらえる気もw
まぁ、私は面と向かって「臭い!」と言われた事はないんですけど、単に怖くて言われてないだけかもしれないし、自分では気づかないんで考えようによっては恐ろしいですよねぇ、体臭って。
Posted by たお at 2012年11月28日 10:34
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

デビル
Excerpt: レンタル開始されたので再見。記事内修正あり。 M・ナイト・シャマランさんの「ザ・ナイト・クロニクルズ」トリロジーの第1作。毎回シャマランさんは製作・脚本で監督は別の方というスタンスでやってい..
Weblog: いやいやえん
Tracked: 2011-12-10 09:12

『デビル』 シャマランが監督しない理由
Excerpt:  【ネタバレ注意】  試写会の案内状を手にして、私は不安でいっぱいだった。  近年、最低映画を決めるゴールデン・ラズベリー賞候補の常連となっていたM・ナイト・シャマランは、『レディ・イン・ザ・..
Weblog: 映画のブログ
Tracked: 2011-12-10 11:55

「デビル」(2011)おかえりシャマラン
Excerpt: シャマランの密室ホラー&サスペンス&スリラー復帰ということで、何年かぶりで試写会などに行ってみる。ネタバレしないようには気をつけるつもりだけどブルース・ウィリスはハナっから死んでるから! エレベーター..
Weblog: INUNEKO
Tracked: 2011-12-10 12:15

デビル(2011年)
Excerpt: 『デビル』と言っても1997年のハリソン・フォード&ブラッド・ピットのサスペンスではなくて、 M・ナイト・シャマラン原案のサスペンス・ホラーです。 友達に誘われたのでチャレンジしてみました。 エレベー..
Weblog: とりあえず、コメントです
Tracked: 2011-12-10 19:01

デビル
Excerpt: 映画冒頭世界を上下逆さに見ている映像から始まり、デビル(悪魔)が人間を襲うという迷信が紹介される。悪魔は天使の一人だったけど地獄に落とされた存在だ。神はすべてを許してくれる存在で、自分の罪を告白するこ..
Weblog: とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
Tracked: 2011-12-10 20:05

ナイト・シャマランの話をしよう。 - ジョン・エリック・ドゥードル監督 『デビル』
Excerpt: M・ナイト・シャマラン原案・製作によるザ・ナイト・クロニクルシリーズ第一弾、『デビル』(DEVIL 2011)を鑑賞。シャマランのアイディアを新鋭のスタッフ&キャストを起用して映画化する本シリーズ、今..
Weblog: L'ATALANTE
Tracked: 2011-12-10 20:25

デビル
Excerpt: 評価:★★★☆【3,5点】(P) 上映時間短いこともありダメもと鑑賞したら、これが案外拾いモノだった。
Weblog: 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜
Tracked: 2011-12-10 21:42

「デビル」
Excerpt: シャラマンだかシャマランのアイデアを別の監督でつくった作品。結構いける。
Weblog: 或る日の出来事
Tracked: 2011-12-10 22:00

「デビル」
Excerpt:  「シックス・センス」以降微妙な映画を連発している、正に究極の一発屋監督M・ナイ
Weblog: みんなシネマいいのに!
Tracked: 2011-12-10 23:24

『デビル』
Excerpt: ※ネタバレ(でもないかな)注。見どころを喋っちゃっています。 (原題:Devil) 「最初に言っておかなくちゃだけど、 この映画にはハリソン・フォードも出てなければ、 もちろんブラッド・ピットも..
Weblog: ラムの大通り
Tracked: 2011-12-11 00:17

映画:デビル Devil シャラマンが自分のフィールドに戻り、本領発揮!
Excerpt: 「エアベンダー」でミソをつけまくってしまったシャラマン。 (自分的には、世間で酷評されているほど酷いとは思わなかったけど) もしかして、もう立ち直れないのではと心配していた。 が、今作で無事に復帰(..
Weblog: 日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜
Tracked: 2011-12-11 02:06

デビル
Excerpt: ■ TOHOシネマズ シャンテにて鑑賞デビル/DEVIL 2011年/アメリカ/80分 監督: ジョン・エリック・ドゥードル 出演: クリス・メッシーナ/ローガン・マーシャル=グリーン/ジェフリ..
Weblog: 映画三昧、活字中毒
Tracked: 2011-12-11 12:32

デビル
Excerpt: DEVIL/11年/米/80分/サスペンス・ホラー/劇場公開 監督:ジョン・エリック・ドゥードル 製作:M・ナイト・シャマラン 原案:M・ナイト・シャマラン 出演:クリス・メッシーナ、ローガン・マー..
Weblog: 銀幕大帝α
Tracked: 2011-12-11 15:53

デビル
Excerpt: 「シックス・センス」「サイン」のM・ナイト・シャマラン監督が、 これまでに考えついた数々のアイデアを、スタッフ・キャストに期待の 新鋭を起用して映画化していくプロジェクト“ザ・ナイト・クロニクル”..
Weblog: だらだら無気力ブログ
Tracked: 2011-12-12 00:17

『デビル』
Excerpt: '11.07.07 『デビル』(試写会)@よみうりホール お友達のmigちゃんのお誘い。気になってたので鑑賞♪ なんだかんだと言っても、結局見てしまうシャマラン作品。まぁ、今回は原案と製作のみですが..
Weblog: ・*・ etoile ・*・
Tracked: 2011-12-12 01:28

「デビル」
Excerpt: エレベーターに閉じ込められて参っちゃったなぁ…しかも一緒に閉じ込められたのがヘンな奴らでチョ〜参っちゃったなぁ…って映画なんだけどコメディではない。M.ナイト・シャマラン監督の原作を新進ジョン・エリッ..
Weblog: 古今東西座
Tracked: 2011-12-12 02:42

デビル(2011)★DEVIL
Excerpt:      密室<エレベーター>が、お前たちの地獄になる 東宝シネマズ二条にて鑑賞。シャマラン監督が製作で関わっている作品です。どうもタイトルのデビルとこの作品の雰囲気がどうもあわないような気がするん..
Weblog: 銅版画制作の日々
Tracked: 2011-12-12 15:34

デビル
Excerpt: 【DEVIL】 2011/07/16公開 アメリカ 80分監督:ジョン・エリック・ドゥードル出演:クリス・メッシーナ、ローガン・マーシャル=グリーン、ジェフリー・エアンド、ボヤナ・ノヴァコヴィッチ..
Weblog: 新・映画鑑賞★日記・・・
Tracked: 2011-12-13 12:54

『デビル』
Excerpt: JUGEMテーマ:映画 制作年:2010年  制作国:アメリカ  上映メディア:劇場公開  上映時間:80分  原題:DEVIL  配給:ジェネオン・エンターテイメント  監督..
Weblog: La.La.La
Tracked: 2012-01-22 11:45

デビル
Excerpt: Devil(2010/アメリカ)【DVD】 原案・製作:M・ナイト・シャマラン 監督:ジョン・エリック・ドゥードル 出演:クリス・メッシーナ、ローガン・マーシャル・グリーン、ジェフリー・エアンド ..
Weblog: 小部屋日記
Tracked: 2012-01-24 15:21

デビル(2010)
Excerpt: 2010年9月上映 監督:ジョン・エリック・ドゥードル 主演:クリス・メッシーナ  ここ(エレベーター)が、お前たちの地獄になる・・・・狭いって恐怖を増大させますね。...
Weblog: oguoguの日々映画見っ放し!
Tracked: 2012-11-27 05:35