1981年 アメリカ映画 89分 ホラー 採点★★★
実家がこの田舎町では割と知られた商店だったせいか、誰に会っても「あ、○○さんとこの息子さん!」と声を掛けられていた私。そんな昔の話、深夜に飲物でも買いに行こうと外を歩いてると、一台のパトカーが私の傍にスススーっと停車。若い警官が「チミチミ、こんな時間に何やってんだい?」と聞こうとするや否や、助手席にいた年配の警官が「○○さんとこの息子かい?じゃ、いいよいいよ」と何も聞かずに行ってしまう。「私が犯罪者だったらどうするんだろ?」と、当時ちょっと思ったもので。
【ストーリー】
終戦に浮かれる1945年のアメリカ。とある女学院でカップルが殺される凄惨な事件が発生。犯人が捕まらないまま35年が経過していた。時を経て、その事件以来禁止されていた卒業パーティが開催されることになったのだが、またもや殺人事件が発生し…。
ジョセフ・ジトーとトム・サヴィーニの『13日の金曜日・完結編』コンビが贈る、フラれ男が大活躍するスラッシャー・ホラー。一年に一回は思い出す『ハロウィン』や『血のバレンタイン』のように祝祭日と関係してないせいか、劇場で観たっきり思い出す事のなかった作品だったんですが、観直してみたら意外と隅々覚えていて驚いた。
過去に起きた凄惨な事件が、些細なきっかけ(得てして乱痴気騒ぎ)で再び起き、創意工夫が凝らされた殺害方法で犠牲者数を積み重ねていった挙句、殺人鬼がヒロインに返り討ちに遭う、非常によくあるパターンの本作。ミステリーの体を成していない犯人探しや、犯行再開の動機がさっぱり分からない殺人鬼、この手の作品のヒロインはまず脱がないってことを考えれば、下手にセクシーな女優をヒロインに据えられるとストレスが溜まってしょうがないとは言え、やたらと頭のでかいヒーローにゴツイ輪郭の中央に顔のパーツが集まったヒロインという、非常に残念なカップルが中心に据えられているなど、問題も結構山積み。ラストのキャリーオチも別にいらない。
しかしながら、そんな問題は別にどうでもいい。そもそも、そんな所がきちんとしている映画が観たかったら、この作品はまず手に取らないですし。重要なのは、殺戮シーンがイカしているかどうかのみ。その一点に集中するならば、もう本作は断然合格。
短刀が頭にズブー!白目がグリー!と、序盤から強烈なゴア描写で飛ばす本作。それ以外にも、裸体にピッチフォークが突き刺さり、プールに沈められた犠牲者の喉の傷口から気泡がゴボリと吹き出し(装置のトラブルのせいらしいですが)、トドメに殺人鬼の頭をショットガンで吹き飛ばす、サービスショットのてんこ盛り。しかも、そのどれもこれもがショック具合もクォリティも圧巻の、トム・サヴィーニ自身「これが最高の仕事!」と言うだけある見事な仕事っぷり。ジョセフ・ジトーと共に舞台裏をキャッキャと盛り上がりながら話す音声解説で、しきりに「コレ、CGIじゃないんだぜ!」と語るトム・サヴィーニが、なんか可愛かったですねぇ。
主要キャスト以上に、殺人鬼がどんだけクールかがこの手の作品にとっては重要なポイント。原題通り“不審者”とクールさの欠片もない呼ばれ方をする本作の殺人鬼なんですが、軍服に迷彩の布で顔を覆ったその佇まいはなかなかカッコ良い。農民でもないのに主なる武器が農具のピッチフォークだったり、35年も失恋を引きずってる未練がましさはアレとして、見た感じはとっても男らしい。
そう言えば、原題の“The Prowler”をグーグルで翻訳してみたんですが、出てきた結果がかつてのビデオタイトルでもある“ローズマリーキラー”。グーグルさん、気を効かせ過ぎです…。
確かに全身が不審
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