2004年 イギリス映画 93分 サスペンス 採点★★★
記憶と事実ってのは、必ずしも一致するとは限らないもので。同じものを同じ場所で100人が見たとしても、食い違った証言が出てくることもしばしば。認めたくない事柄や見たことのない物・表現できない物を、自分が望む形および理解できる形に変換して記憶するのが人間心理ってもの。UFOの目撃例が揃いも揃って円盤型になってしまうのも、こういう原理なんでしょうねぇ。何はともあれ、頑なにそう信じ込んでしまっている分、嘘をついているより性質が悪いんですよねぇ。
【ストーリー】
交通事故により妻を失い自らも昏睡状態に陥っていたベン。回復し目覚めるも、妻の幻影に悩まされ、同時期に起きた人気歌手の殺人事件の容疑者として疑われることにもなる。全く見に覚えのない事件のはずなのだが、ベンは知らず知らずのうちにその歌手ゆかりの部屋に住み、彼女に関する記事を執拗に集めていたことを知り、現実と妄想の境を失っていく。そんなベンにダメ押しをするかのように、ある日出会った霊媒師が「妻はまだ生きている」と告げ…。
『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの製作・主演コンビが贈る、最近やたらと多い記憶を巡るサイコサスペンス。デヴィッド・フィンチャーやダーレン・アレノフスキーを目指したかのような凝った映像とトリッキーな展開を見せる『ジェイコブズ・ラダー』風味の一本。物語と共に徐々に明らかになる主人公の性質や随所に配置されたトリック、序盤からのミスリードなどなかなかのものだが、“顔を見せない精神科医”や“何者かによって破壊される持ち物”など使い古されたトリックも多いので、やや興醒めもしてしまう。また、物語の主題かと思われた序盤から引っ張られる謎解きも、結局の所展開にさして関わりもなく、主人公の性格を現す一例に留まってしまうなど、盛り込んだ量は多いが、整理しきれていない脚本も、盛り込んであるそれぞれの話が面白い分残念である。
整理しちゃうと“自らの負け犬っぷりを頑なに認めたくない男の物語”といたってシンプルになってしまう話を、病的かつ幻想的な映像で大幅に水増しした感もなくはないのだが、一度観ただけではストンと落ち着かない結末も含め、満足度は決して低くはない。高くもないですが。
私の大好きなスティーヴ・ザーンに文学の香りと高潔さと身長を15センチ程足すと出来上がりそうなコリン・ファース。『ラブ・アクチュアリー』での取っ付きにくいがユーモラスでひたむきだったイメージを微塵と感じさせない、顔中に蟻を這わせた現実逃避気味の主人公を熱演。90分間顔を歪めっ放しなので、15センチ程大きいスティーヴ・ザーンに見えることもしばしば。
『アメリカン・ビューティー』で見事なまでの親父キラーとして登場して以来、公私共に親父キラー振りを見せるミーナ・スヴァーリ。本作でもあっという間にコリン・ファースを落とす大活躍。トロンと溶けた顔つきに、一歩間違うとケイティ・ホームズになっちゃう危険性があるものの、そのすんでの所で留まっているのが親父には堪らないのでしょうか?「ミーナ・スヴァーリ可愛いなぁ」と思った時点で親父確定の親父リトマス試験紙。未だ「可愛いなぁ」とまでは思ったことがないので、ホっと胸を撫で下ろす私です。本当ですってば。
そりゃぁこれだけ蟻にたかられればトラウマにも
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アリにたかられた映像はゾワゾワ〜〜(>Д<;)
見ただけでこそばいようなかゆいような痛いような・・・。
見終わっても混乱にひっぱられてしまってて、たおさんの解説でやっと落ちつきましたヾ(^-^;)
あれが全部蚊だったらと想像しちゃうと、全身が鳥肌どころか、そのボツボツが全部集まって大きなボツになるほどゾッとします。。。
あえて混乱させるように小手先でこねくり回したような印象もありますね、これ。つまらなくはないんですが・・・。
最近私もこれを観まして、他の方の感想を探してこちらに辿り着きました。
ヒロインのミーナ・スバーリ?がどこかで見た覚えが・・と思っていたら、アメリカンビューティーの!作品ではスッキリしませんでしたが、こちらに来てスッキリできました(*´▽`*)
またお邪魔します&TBさせていただきますね。
<(_ _)>
まぁ、何度観てもスッキリとするような映画でもないんで、ミーナの正体が判明しただけでも良かったですねぇw