2004年 アメリカ映画 110分 コメディ 採点★★
“隣にカワイイ娘が住んでればなぁ”って、思春期には誰しも思うもの。もちろん私も夢見たものですが、何十年も続く商店を実家に持ち商店街のど真ん中に家があるので、窓を開けて見えるのは50センチと離れていない隣の家の壁。夢も希望もあったもんじゃない。もちろんカワイイ娘どころか、人すら住んでいない。しかも隣は魚屋なもんだから、窓を開ければあっという間に部屋中が生臭く。神も仏もあったもんじゃない。
【ストーリー】
優等生として羽目も外せずしがない高校生活を送るマシューの隣の家に、ある日美しい女性ダニエルが越してくる。彼女に一目惚れしたマシューだったが、なんと彼女はポルノ女優だった。
良い子ちゃんの殻を破れない男の子が、全く違う世界に触れて大きく成長する物語かと思っていたら、案外そうでもなかった。人生の教育係としてではなく主人公のロマンスの相手としてダニエルが存在するので仕方がないのだが、ポルノ女優が相手にしては非常に優等生的な作品。傑作『ブギー・ナイツ』を引き合いに出すのも酷なのだが、嫌々ポルノ女優を続けるヒロインって時点でポルノに否定的な匂いを感じ取ってしまい、ひねくれ者の私はそこで脱落。主人公も世間のヨゴレを通じて大きく成長するわけでなく、愛しい彼女を汚れた世界から救い出す為に頑張る所までは成長するが、最後まで良い子ちゃんのまま。なんだかんだがありながらも、さしたる変化もなく全てが望む方向に収まる展開にも居心地が悪い。多少の苦味は欲しいもの。
優等生の成長物語からいつの間にかヒロインを更生させる物語へと移行する本作だが、物語の佳境に入ってからが長い。とても長い。「いつ終わるんだ?」と思うほど長い。多少の起伏はあるものの、二転三転する展開が非常に単調なのは、ラブコメディとしては辛い。もっとコンパクトにまとまっていれば楽しめる作品だけあって、このルーズさは残念。
『24』を数話見ただけでぶん投げた私にとって別段思いいれのないエリシャ・カスバートに受ける印象は、『蝋人形の館』の頃とさして変わらず。思い出そうとしても、終始主人公の側で笑っていた記憶しかない。もちろんそれは彼女の印象の薄さにも起因するが、彼女の印象を打ち消すだけの魅力を主人公のエミール・ハーシュが放っていたことも事実。不良少年を演じた『ロード・オブ・ドッグタウン』での強烈な印象が記憶に新しいが、本作での優等生役もなかなかカワイイ。女の子にモテない空気を全く感じさせないのは、この手の作品には非常に辛いが。何度観てもデカプリオと印象が被ってしまう彼だが、『ブギー・ナイツ』を蹴ったデカプに似た彼がポルノ女優を相手にしたラブコメに出るのも、なんとなく面白い。
感情移入出来るキャラクターがいないのが辛い本作であったが、ヒール役として汚れた世間を代表するケリーを演じる『ドリームキャッチャー』の“物探し名人”ティモシー・オリファントは、なかなか素敵。物語の展開に合わせるかのような不安定なキャラクター設定が不満だったが、彼をメインに主人公と絡ませた方が『ニュー・ガイ』のような面白い作品になったのでは?
ウォルター・ヒル作品の常連俳優だったジェームズ・レマーや、70年代にちょこっと活躍したティモシー・ボトムズが、脇に回ったと言うより脇から全く出て来ない元気のなさに、時の流ればかりを痛感。
童貞のアドバイスほど役に立たないものはない
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小山が何度も出てきて、山頂への登頂感が味わえないところが・・・(苦笑)
マシュー一本で行けば良いのに、クリッツ&イーライのエピソードがマシューを食いかかっていましたよね?(でもクリッツ&イーライのほうが好き)
>ティモシー・オリファントは、なかなか素敵
彼って“人の良いチンピラ”キャラが、本当に良く似合う方です♪
二本指を突きつける決めポーズが、似合い過ぎて笑いました。
>童貞のアドバイスほど役に立たないものはない
たおさんからの「本日の格言」ですね!
頑張れマシュー君(爆)
その山場がまた平板で。。。「どこに着地するつもりだ?」とヤキモキしましたよ^^;
ティモシー・オリファントが素晴らしかったんですが、キャラもあやふやで、嫌われ者になりきれないのも、この誰も嫌われない映画の特徴でした。
惜しいなぁ・・・。
TBありがとうございます。
すいません、こちらからはTBできないみたいで…。
もっと、お手軽な軽い作品だと思って観たら、ちょっと長かったですネ!事件が起こりすぎかなって思いました。
あらー、それはスイマセンでした!!
特に禁止設定はしていないのですが、シーサーがやたら敏感なのか、どうしようもないのか、時折TBを弾いてしまうようです。。。
あれもこれもと盛り込みたいのは分かるんですが、なんともメリハリのないクライマックスでしたねぇ。。。
「エリシャ・カスバート」は輝いていたと思う。
僕はこんなの大好きだな。