2010年 オーストラリア映画 95分 アクション 採点★★★
感情の起伏が激しいわけでもなければ、人前で怒る事もまずないにも関わらず、「怒ったら怖そうだよね」とよく言われてしまう私。そう言われるだけならまだしも、「あの人キレたら怖いから、逆らわない方が良いよ」と、まるで過去に相当怒ったことがあるかのような言われよう。失礼な。
【ストーリー】
身重の妻の身体を案じ、都会から辺境の地レッド・ヒルへと移り住んだ若き警官シェーン。その赴任初日、妻殺しの罪で投獄されていたかつての住人ジミー・コンウェイが脱獄したとのニュースが流れ、警察署内は騒然となる。ほどなく町へと現れたジミーは、次々と警官や住人らを血祭りに上げていくのだが、彼が町に戻ってきたのにはある理由があった。その理由を知ったシェーンは…。
長編映画初メガホンとなるパトリック・ヒューズ製作・監督・脚本による、西部劇風味たっぷりのアボリジニ・リベンジ・アクション。イタリア製の西部劇をマカロニ(スパゲティ)ウエスタンと呼ぶならば、オーストラリア製のウエスタンは何て呼べばいいんでしょうねぇ?カンガルー・ウエスタン?
殺人鬼の真の目的がちょっとしたツイストになってる作品ではありますが、予告編でネタが割れてしまってますし、わざわざ隠すようなネタでもないのでハッキリと書けば、妻を無残に殺された揚句に無実の罪を着せられ男の復讐を描いた本作。直球ど真ん中の話である。その直球ならではのストイックさとスピード感、殺人鬼に秘められたあまりにも悲痛な過去ががストレートに伝わるなかなかの一本に仕上がっている。ストーリーからずっとハブにされていた主人公が思わぬ大活躍を見せるクライマックスも、なかなか胸のすく出来。エッセンス程度だった“アボリジニ”ってのをもう少し前面に押し出せてれば独特の味わいがもっと出たとは思うのだが、そもそもの狙いがそんなメッセージ性よりも直球の復讐劇にあるんだろうから、それは贅沢な願いといった所なのかなぁと。最初っから最後まで武器がブーメランだったりしたら、面白いけどカッコ良くはありませんしねぇ。
きっと殺人鬼と何かしらのリンクをさせたかったであろう黒豹が、ただそこらを右往左往するだけの意味不明の存在になっていたりなど、勢いに任せてしまった粗さも目立ちはするが、『プロポジション -血の誓約-』のトム・E・ルイスが扮したアボリジニ・キラーのカッコ良さや、『マッドマックス』のグースことスティーヴ・ビズレーを久しぶりに見れた嬉しさがその辺をカバーした一本で。
同情はしても、息子にジミーって名前だけは付けないんだろうなぁ
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
「コアラ・ウエスタン」よりもカッコイイと思います!!
“男臭さ”や“渇き”みたいなのがもう少し感じられると、渋めのウエスタンになるのかなぁ・・・
途中までは“なんかイマイチ”と思ってみていたのに、見終ったときには“なんか好きかも”と思っていました。
出てくるのがアボリジニって以外は何の個性もない一本なんですけど、「オラんとこでもウエスタン〜!」的なやりたいことをやった姿勢が嫌いになれないんですよねぇ。