2010年 フィンランド/ノルウェー/フランス/スウェーデン映画 80分 ファンタジー 採点★★★
今年もまたヒタヒタとクリスマスの奴が近づいておりますねぇ。冬の夜の寂しさも相まってか、誰かと一緒に居なければならないと強要されているような雰囲気が苦手なこの時期ではあるんですが、そりゃぁ赤い服を着た見知らぬ爺さんが煙突から侵入してくるとなれば、誰かと一緒の方が安全。
【ストーリー】
クリスマスを間近に控えた、北フィンランドの田舎町。その近くの山では、長きに渡って封印されていた本物のサンタクロースを掘り出そうと、多国籍企業が発掘作業を行っていた。時を同じくして、町ではトナカイが惨殺されるなどの怪事件が多発。困惑する住人の前に現れたのは、伝承とは全く違う凶暴なサンタクロースで…。
良い子に対しては基本無害だが、耳の後ろをきちんと洗ってなかったりする悪い子は、袋に入れて連れ去ってじっくりとお仕置きをする、とどのつまりナマハゲであるサンタクロースとの攻防を描いた、サンタ名産地によるファンタジー・アクション・コメディ。日本で言えば、すっげぇおっかない七福神の物語を作るようなもんでしょうか?まぁ、諸星大二郎あたりが既に書いてそうですけど。
女性一人出てこない荒くれ者ばかりの町を舞台に、山田花子似の男の子と全裸のサンタ(厳密にはエルフ)との戦いを描いた本作。“サンタのイメージを逆手に取った”と書こうとも思ったが、別にサンタじゃなくても全裸の老人が大挙すればもうそれだけで強烈でしょうよって一本。なんかこう、エルフをウィル・フェレルがやったような強烈さ。反則技とも言う。
この舞台におけるサンタの生態がイマイチ煮詰められていなかったり、“サンタの赤い服の色は、子供の血が染み込んだ色”的な気の効いたシーンがなかったりと、見た目のインパクトにやや頼ってしまってる感もあるが、雪原を全裸で駆け回る老人の集団を仰々しいマイケル・ベイ風に演出したクライマックスの絵ヅラが凄まじいので、その辺は全てチャラ。檻に閉じ込められた全裸のサンタが、子供を見つけて「グフ〜♪」ってなるシーンを爆笑出来る方にはオススメの一本ではと。まぁ、そういうのに眉をひそめる方は、“全裸の老人”とばかり書かれたこのレビューを読んで「観たい!」と思うわけはないんですけど。
確かに生モノである“希少な輸出品”ってタイトルは内容に合致してるんですが、それをそのままカタカナにしただけの芸のない邦題はどうなのってのはさて置き、IMDbを見ると本作の上映時間は84分。日本で公開されたものやDVDは80分。海外版のDVDも概ね80分のようなんですけど、84分のバージョンって本当にあるんでしょうかねぇ。もしかしたらその失われた4分間に、“サンタの赤い服の色は、子供の血が染み込んだ色”的なシーンがてんこ盛りなのかなぁ。だったらいいなぁ。
泣くゴはいねが〜、悪ぃゴはいねが〜
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それも極寒のフィンランドの12月後半。
それも薄汚れて痩せ細ってる“餓鬼”のような老人。
ある意味、鬼のようなサンタが大挙して現れるよりも、ホラーチックで恐ろしいかも(苦笑)
「良い子にしているとサンタさんからプレゼントがもらえるよ」と言うより、「悪い子にしてるとサンタとエルフがやってくるよ」と言う方が絶対に子供は良い子になる、って映画でしたね。
どこがどう良かったとうまく説明できないのですが、哀生龍は楽しめちゃいました。
失われた4分、気になりますねぇ・・・
洒落にならない寒さだと思うのに、出てくる子供は思いのほか薄着。仕舞いには老人が全裸。フィンランドじゃ、マイナス10度前後じゃ小春日和なんですかねぇw
うちの子供らもクリスマスには無条件でプレゼントを貰えると思ってやがるので、今年はこの映画を見せてやろうと。