2008年 オーストラリア映画 87分 ホラー 採点★★★
子供らにとっていつまでも頼りになる親でいたいなぁと思ったりもするんですが、子供ってのは親に対し「あ、コイツもう頼れないぞ」と感じた瞬間から成長したりもするんですよねぇ。うちの子供らは、成長しまくりです。
【ストーリー】
家族で訪れていたレイク・マンゴーで水死した16歳の少女アリス。しかし、彼女の死後もその姿が写真やビデオに写り込む怪現象が多発。真相を解明しようとする家族は、アリスの身に起こった衝撃的な出来事を知ることになる。
少女の死とその後の出来事を追ったドキュメンタリーって体裁を装ったモキュメンタリー作品。“地名+人名+日数”ってタイトルが『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』を彷彿させますが、少女の裏の顔がちょろっと見える以外は関連性はなし。そもそも、“最期の3日間”の話でもないですし。まぁ、語呂が良かったんでしょうねぇ。
娘の死をもって初めて理解し合い一つとなっていく家族の姿を、心霊写真や心霊映像といった飛び道具を挟み込みながら描いた本作。実際のドキュメンタリー番組だとすれば、作り手の方向性が見えない行き当たりばったりの内容ではあるが、関係者のインタビューや様々な出来事を通して真実が明らかになっていく構成はモキュメンタリーとしては上手い。
また、意外と手の込んだ“如何にもドキュメンタリー番組っぽい作り”もさることながら、飛び道具である“心霊映像”もなかなかにリアルな仕上がりで、そのTVっぽさと相まって不意に映り込んだ不気味な映像を目の当たりにしてしまった気味の悪さが味わえる。「色々調べてみたら、案外色んなところに映り込んでましたー」ってのが判明するエンドクレジットも、その気味の悪さを後押しする出来。
母親と生前の娘のカウンセリングが時空を超えてリンクしてしまう場面のように、死の予兆からどうやっても逃れられない底知れぬ不気味さを感じさせる一方で、その怖さのみならず深い悲しみや優しさってのも感じさせてくれる本作。乾き切ったイメージのあるオーストラリアから、こんなジメっとした怪談話を聞けるとは思ってもみなかった、そんな意外性が嬉しかった一本で。
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