アンダーワールド２ エボリューション (Underworld:Evolution)

監督　レン・ワイズマン　主演　ケイト・ベッキンセイル
2006年　アメリカ映画　106分　アクション　採点★★

天性の迷子気質を持つ私。集団行動の場では、とにかくはぐれる。修学旅行の集合写真に到っては、他のクラスのにしか写っていない始末。まぁ、それでもある程度は大人になって体内の迷子物質も薄まった今日この頃。二人仲良く街を歩いていて気が付くと、相手が遥か彼方に行ってしまっていることは相変らずありますが。隣にいるものだと思い込んでドンドン行ってしまうのもアレですが、時と場所をわきまえず、目先の興味引かれる物の前で立ち止まってしまう私もアレですね。

【ストーリー】
家族を虐殺したヴァンパイアの首領ビクターを殺した女ヴァンパイアのセリーンは、狼男とヴァンパイアの混血であるマイケルと逃亡する。その頃、最古のヴァンパイアであるマーカスが復活。セリーンが持つ“ある秘密”を求め、執拗に追ってくる。



ポスターに描かれた自分の胸が「小さい！」と騒いだかと思いきや、胸を大きく描き直されたポスターに「今度はデカすぎる！」と難癖をつけるケイト・ベッキンセイルの、どう扱ったらいいのか分からなくなる話題に後押しされたのか、なんとなくヒットした前作『アンダーワールド』。人間社会と壁一枚隔てた世界で繰り広げられる、ヴァンパイアと狼族“ライカン”との戦いよりも、その華麗なる着地姿を見せたいのか、やたらと高い所から飛び降りるケイト・ベッキンセイルの姿ばかりが印象に残った前作。その前作直後から物語の始まる本作は、“もう充分みんな知っているはず”という設定の下、序盤からトップギアで話を進めていく。もちろん前作の記憶がモヤモヤとしている私は、始まるや否や見事なまでに置いてけぼりです。必死に付いて行こうにも、乱造されているホラーアクションや、いかに主演女優を格好よく撮るかのみに注力したナルシストアクションの数々の記憶が脳内を駆け巡り、追い討ちをかけるが如く置いてけぼりに。ある程度人間社会と接点のあった前作と違い、本作はやたらと薄暗い画面の中、森や古臭い建物内でしか展開をしない為、変わり映えもなく退屈で「あれ？これって、頭パカパカするフランケン出るやつだっけ？」と、観てる先から記憶が混乱。
どこからが新展開なのか分からなくなるほど物語の展開も曖昧で、やたらと説明的なセリフの連続にも「あぁ、ボクがバカだから一所懸命説明してくれているんだなぁ」と自己嫌悪に陥るばかり。それでも話しに付いていけない。かつての仲間に追われる悲壮感溢れる物語だったはずなのに、いつの間にかその辺はウヤムヤにされ、800年を股にかけた家族のいざこざの物語だと判明する頃には、物語に付いていく事すら放棄。弱点が明確にされていない強敵との闘いにも緊迫感なく、結局は力技の都合の良さに閉口。“進化を遂げる”という主人公も、「ブレイドみたいに黒くなってヒゲでも生えれば面白いなぁ」と冗談半分に思っていたことが、あながち間違いでない展開には驚きましたが。
前作で強く印象に残ったやたらとキメまくる着地シーンも少なく、非常に印象に残りづらい作品。唯一記憶に残るのは、昔のロマンポルノの様に肝心な部分を巧みかつ頑なに見せないラブシーン。見せないくせに、やたらと長い。見せたいのか見せたくないのか、その辺をきっちり夫婦間で話し合ってから撮影に挑んで欲しいものだ。



前作に引き続き、『ラブ・アクチュアリー』のビル・ナイと『トリプルＸ　ネクスト・レベル』のスコット・スピードマンも出演。ビル・ナイは死んじゃってるんで大した活躍はしませんが、前作でただひたすら頼りなくベッキンセイルの後を付いて回るだけだったスコット・スピードマンは、今回も見事なまでに頼りない。まぁ、勇ましく暴れまわってはいるんですが、その印象より、その優しい犬っぽい頼りなさげな顔の印象が上回る。髪の感じといい、優しそうな目といい、なんかすごくレトリーバーっぽい。飼いたい。
今回もオタク監督の妄想を具象化したかのように、ぴっちぴちのレザーで身を包み、冷たい視線を観客に投げつけるケイト・ベッキンセイル。普段の冷たい態度とは裏腹に、時折見せるしおらしい仕草に、カメラの向こうで身悶えしている監督の姿が浮かびます。これか？これが、彼らの言う“ツンデレ”なのか？
さて、レビューを書いている先から早くも記憶が『ブレイド３』やら『ヴァン・ヘルシング』やらとゴッチャになり始めている本作。ましてや、ヴァンパイアが血を吸うわけでもなく、狼男が月夜に変身するわけでもない本作は、ぱっと見以外のモンスターの区別すらあやふや。それなら差別化を図る為にも、せめて字幕をヴァンパイアは“ざます”、ライカンは“がんす”とメリハリを付けていただきたかったものです。吹替えは確認してませんが、もし“ざます・がんす”なら、もう一度くらいは観てみることに。


嫁自慢

↓↓ぽちりとお願いいたします↓↓
人気blogランキングへ

　　　　　　　　

　　　　　　　　

Comments

>もう充分みんな知っているはず
>やたらと説明的なセリフの連続
>見せたいのか見せたくないのか
みんなに内容を理解してもらいたいのか、奥さんを見て貰えればそれで良いのか･･･
監督さんの意向が分かりにくい（爆）

>これが、彼らの言う“ツンデレ”なのか？
ははぁ、そうだったのかも･･･？

Posted by 哀生龍 at 2006年09月06日 06:06

ＴＢありがとうございます。

あちらの方はヴァンパイヤ・ムービーが、
好きですね。
どうも日本人の感性とは違ってます。

それはともかく、
「がんす｣「ざます」はナイスアイデア。
「怪物くん」ですよね。

それからぼかしは、日本版だけでは？

Posted by KGR at 2006年09月06日 09:13

トラコメありがとうございました＾＾
いきなり冒頭の説明を読んでもぴ〜んとこず私もどちらかというと置いてきぼり状態で見始めました＾＾；
なんとな〜く前回のストーリはおぼえてるものの
人物関係はめっためた〜
さらに複雑化してるし！


＞昔のロマンポルノの様に肝心な部分を巧みかつ頑なに見せないラブシーン。

たしかに（爆）微妙でしたね^^;
やっぱり監督が旦那さんだと見せたくないのかな〜

＞なんかすごくレトリーバーっぽい。飼いたい。

頼りないヒーロー？でしたよね〜
混血種で確かに特別なんだけど・・・
あの闇の中で？まんまるなお目目になったところが我家の犬そっくりでした（爆）

Posted by じゅりあん＆まのん at 2006年09月06日 12:32

哀生龍さま、こんにちは〜♪
素敵な奥様の姿を、自分が見れればいいんでしょうねぇ。。。

Posted by たお at 2006年09月06日 13:14

KGR様こんにちは！
感性の違いはあれど、面白いものは面白いのですが、コレはちょっと。。。
ＤＶＤで鑑賞したのですが、ボカシは入っていません。必要性すらないのですが、腕やら足やらでひたすらと隠そうとするあまりの不自然さに失笑しただけで。
劇場ではボカシが盛大に入ってたようですが、なぜ？？？

Posted by たお at 2006年09月06日 13:17

じゅりあん＆まのん様こんにちは〜♪
見せたくないけど自慢もしたい複雑な心境なんでしょうねぇｗ
すっかりベッキンセイルの飼い犬のような扱いだったスピードマンでしたが、それがまた似合ってまして。

Posted by たお at 2006年09月06日 13:19

本当におっしゃるとおりで、映画館で見てサッパリ訳分かりませんでしたが、またわざわざ見る気も一切起きません。
「僕の妻、綺麗でしょ。見てみて」
と監督が思って作った映画と見ました。
そう見ると、腹もたたない。

Posted by sakurai at 2006年09月06日 17:36

たおさんこんばんわ♪ＴＢ有難うございました♪

自分もそれこそ前作はかなり前に１度見ただけだったので、セリーンとマイケル以外はうろ覚えも同然でしたね。
それに前作観てた頃は続編なんて考えもしてなかったんですよねー。だから公開前に予習しようと思ってレンタル屋に行ったら、どうやら自分と同じ思考回路を持ってる人がたくさんいたのか、アンダーワールドが見事に全部レンタル中でした（笑

Posted by メビウス at 2006年09月06日 19:47

ＴＢ有難うございました。
やはり、第一作に比べ格段に劣る続編でしたね。
それにしても、一作、二作ともに人間を襲い血を吸うヴァンパイヤが登場しなかったと思いますが、血を吸わない吸血鬼映画というのも珍しい。

Posted by mugi at 2006年09月06日 20:56

こんにちは♪
TBありがとうございました。
この映画のあとに「１」を見てみたのですが、断然「1」のほうが面白いじゃないですか！
話を複雑にしすぎたのかしら？
＞字幕をヴァンパイアは“ざます”、ライカンは“がんす”とメリハリを付けていただきたかったものです
大賛成！
笑いすぎて見れないかも・・。
お若いのによく「怪物君」をご存知ですね。

Posted by ミチ at 2006年09月06日 21:39

こんにちは、TBありがとうございます。
確かに前作を憶えておかないと置いてきぼりくらっちゃいますね。
ケイト姉さんは相変わらずカッコ良くって好きなんですが、今回はアクション少なめだったのかな。

Posted by もじゃ at 2006年09月07日 00:20

sakurai様こんばんは！
他人の美人妻をこれ見よがしに見せ付けられても、あんま嬉しくない。。。

Posted by たお at 2006年09月07日 03:54

メビウス様こんばんは！
そんな昔の作品でもないし、こ難しかったわけでもないので復習をせずに観たんですが、見事に撃沈です。。。

Posted by たお at 2006年09月07日 03:56

mugi様こんばんは！
それに、「ざます」と語尾につけませんし。
怒るだけで変身できる狼男ってのも、魅力ないですよねぇ。ウルヴァリンじゃないんだから。

Posted by たお at 2006年09月07日 03:58

ミチ様こんばんはー♪
えーっとぉ・・・あんまり若くないんですけど、私。。。
あ！確信的に聞いてますね？

Posted by たお at 2006年09月07日 04:03

もじゃ様こんばんは！
えぇ。置いてけぼりでした。
ベッキンセイル嬢も、あんま飛び降りてくれませんでしたし。なんか、ラブシーンで忙しかったようです。

Posted by たお at 2006年09月07日 04:07

TB有難う御座いました♪
アクションもストーリーも前作の方が好きでした^^
がまぁ、ベッキンに萌えられればそれで良いかと(^^ゞ
もし「３」でフンガーな種族が登場して吹き替えも肝付兼太、神山卓三、相模太郎だったらDVD買いますw

ではでは〜、これからもよろしくお願いします♪

Posted by Aki. at 2006年09月07日 06:10

TBどうもでした〜♪
僕はけっこう好きです〜♪まあ、くだらないって言えばくだらないんでしょうが(汗)
でも、この独特の映像、ケイトのキャラ設定がツボにはまってます〜♪

Posted by はっち at 2006年09月07日 17:54

Aki.様こんにちはー♪
わたしもそんな３なら、絶対買いでｗｗｗ

Posted by たお at 2006年09月08日 12:33

はっち様こんにちは！
“くだらない”＝“つまらない”ではないので構わないのですが、どうにもこうにも置いてけぼりには。。。

Posted by たお at 2006年09月08日 12:35

こんにちは。
いつも大変お世話になってます。
足跡を残そう残そうと思ってはいるのですが・・・(^^;)
レビュー最後の「嫁自慢」にはちょっと笑っちゃいましたｗ

Posted by hasway at 2006年10月16日 17:18

hasway様こんばんは♪
いえいえお気になさらずに＾＾
私もさっぱりコメントを残さない方なので＾＾；
大金を投入した嫁自慢でしたねぇ。

Posted by たお at 2006年10月17日 02:46

TBありがとう。
ポスターをめぐって、そんなエピソードがあったんですか。
ま、これは、入場者に、関係図を配ってからみてもらうと、良かったのかな。

Posted by kimion20002000 at 2007年01月26日 00:29

kimion20002000様こんばんは！
もうこれは、関係図うんぬんで解決できるレベルじゃぁない気もしますねぇｗ

Posted by たお at 2007年01月26日 02:06

TB＆コメントさせてもらいますね〜
　死なないことがわかっているのに、銃を撃ち続ける意味がよくわかりませんでしたねｗ
足を止めるためにやるならそのまま逃げればいいのにそんな感じもないしぃ・・・
でも、面白かったからいいや。
　多分このままなら３はやらないとは思いますが、「ブレイド」でも３はやったので、期待せず待つことにしますｗ
　ケート・ベッキンセール万歳〜♪

Posted by oguogu at 2007年05月06日 20:02

oguogu様こんにちは！
まぁ、えらい予算をかけた嫁自慢のような映画なので、結婚生活が続いている限りはシリーズも続くんじゃないですかねぇ＾＾；

Posted by たお at 2007年05月08日 15:31

おこーんばーんは♪
「１」と「２」を一緒に見て良かった♪とレビュー読ませてもらってつくづく思いました(笑)
「３」は、きっと「チャッキーの種」みたく「マイケルの種」が大活躍してくれるんじゃないかと期待しております（苦笑
あ、もしかするとそれにフランケンまで絡んで・・・想像するだけで楽しくなりそーですが、ケイトが出ないと監督は作る気力ないでしょーね(^o^;

Posted by chibisaru at 2007年07月07日 22:16

chibisaru様こんにちは〜♪
連続で観れば観たで、どっちがどっちだかわからなくなりそうな本シリーズ。夫婦円満であればいつまでも続きそうですねぇｗ

Posted by たお at 2007年07月08日 15:04