2007年 アメリカ映画 86分 ホラー 採点★★★
建物ってのは結構色んな音を出してるんですが、一旦気になり始めるとなかなか怖いですよねぇ。原因が分かればきっと大したことないんでしょうが、分からないと怖い。以前住んでいたアパートも、毎晩10時頃になると2階から鉄の玉の様な物を部屋中縦横無尽に転がしてる様な音がしたものです。まぁきっと、その音の通り住人が何か玉状の物を転がしてるんでしょうけど、見知らぬ人が毎晩真顔でそんな事をしてると思うと、それはそれで怖い。
【ストーリー】
夜毎に起きる怪現象に悩まされるケイティーとミカのカップルは、原因を解明するため寝室にビデオカメラを設置する。しかしその怪現象は、日に日にエスカレートしていき…。
僅か15000ドルの低予算で製作されたのにも関わらず、興業収入1億ドルを突破する大ヒットを記録したことでも話題になった“おわかりいただけただろうか?”風ホラー。
“実際に起きた事件の当事者が撮った証拠ビデオ”って設定はブレア・ウィッチ風だが、こっちは見せるべきものをきちんと見せる親切設計。怪現象といってもドアが勝手に動いたり、なにやら物音がしたり、寝相が著しく悪かったりする程度の物なのだが、「なんか実際ありそうだなぁ」と思わせる範疇に収まることで生まれるリアリティと、聞き耳を立て神経を集中して観てしまう構成が出来上がっているので、その程度の事でも充分ビックリできる効率の良い作りが上手い。わざわざ観るまででもないかとスルーしていた作品ではあったが、こういう上手い作りであるならシリーズを追っかけてみようかと思わせた一本で。
この手の作品だと、“カメラを持ち続ける理由”ってのが難しい問題となってくるのだが、本作では男の方が救い難いほどのアホだと設定することで、その辺を上手く回避。「怪奇現象をカメラに収めれば、ネットで話題になるかも」程度の事しか考えてなさそうなこの男の役立たずっぷりは圧巻で、やってる事は解決じゃなくて単なる確認作業のみ。ビデオを見て「うわぁ…」ってなるだけの無限ループ。基本的に他人事って意識のある男ならではのこの行動はある意味非常にリアルで、このリアルさが作品に妙な現実味を与えたのかなぁと。まぁ、彼女にはご愁傷さまとしか言いようがないですねぇ。
そう言えば、階下で大きな物音がしたからってカメラ片手に階段を駆け降りる彼らですが、下にいるのが強盗だったら、霊なんかよりずーっと嫌だなぁと思ったのと、ケイティーがなんか女子格闘家みたいな体型だなぁと思った事を最後にメモと。
霊運も男運も最悪
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
私も微妙にスルーしてましたw
何でかって言うと、結局、「低予算で面白い」と言うところがやたらクローズアップされてるからですw
低予算でボチボチ面白いより、高予算でとっても面白い方が好きだからw
“低予算の割に面白い!”って宣伝は確かに“割に”って所に真相が隠されてるんで多少の覚悟は必要ですよねぇ。まぁ、まだ“面白い”って部分に救いがあるんですけど、中には低予算で映画が撮れたってとこだけしか注目点のない作品もあるから油断も出来ず。