2009年 アメリカ映画 108分 アクション 採点★★
その人のキャラとか持ち味って、周囲との比較で成立してたりしますよねぇ。お坊ちゃん学校で暴れまわっていた不良も、工業高校に行ったら優等生になっちゃうみたいな。
【ストーリー】
特殊能力を持つローガンは、同じく特殊能力を持つ兄ビクターと共に支え合いながら150年もの間戦場を渡り歩いていた。やがて、謎の軍人ストライカーにスカウトされ特殊部隊“チームX”に参加する二人であったが、部隊の非人道的な行為に反発したローガンは兄とも対立し、チームを離れるのだが…。
映画版“X-MEN”シリーズで実質的な主人公であったウルヴァリンの生い立ちを描く、シリーズからのスピンオフ第一弾。
『ツォツィ』のギャヴィン・フッドだけに、ミュータントが直面する“差別”って問題を掘り下げるのかと思いきや、特に何にも触れない安全運転な本作。過剰なこだわりなど無用な、無難なアクションエンターテインメントを目指したんでしょうかねぇ。まぁ、確かにそれだけで考えれば、派手なアクションと軽快なテンポで描かれた本作は、最後まで飽きることなく観る事が出来る。ほんのりほろ苦い物語も、良いアクセントに。
ただ、これといった個性の無さが登場人物にも当てはまってしまうのはちょいと辛い。ミュータントも数が絞られている割に、見た目と能力と悪人って以外の区別がありませんでしたし。また、何をウルヴァリンに期待するかにもよるんでしょうが、オリジナルシリーズで一人グレーゾーンに立っていたヤサグレっぷりがすっかり鳴りを潜めた、とってもイイ子ちゃんになってたのは寂しい。一枚看板である以上、ヒーロー側に大きくシフトしてしまうのは仕方がないのかも知れませんが。
もちろんウルヴァリンに扮するのは、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』『プレステージ』のヒュー・ジャックマン。この当たり役の新作に、自身も製作者として名を連ねる気合の入れよう。
また、ウルヴァリンの兄セイバートゥースには、『ソルト』『レポゼッション・メン』と最近良く見るような気もするリーヴ・シュレイバーが、いつもの胡散臭さを封印しストレートな悪役を好演。『X-MEN2』にも登場していたストライカーには、「あぁ、確かにブライアン・コックスをちょっと若くするとこんなんかなぁ」って感じだった、『30デイズ・ナイト』『ロビン・フッド』のダニー・ヒューストンが。
その他、序盤に見せ場を貰った以降はぞんざいな扱いになってたミュータント軍団には、『[リミット]』のライアン・レイノルズや、『レギオン』のケヴィン・デュランド、旅の仲間のメリーらが。
そう言えば、最後にチョロリとプロフェッサーXが妙にツヤツヤした顔立ちで登場しますが、まぁ「あれ?プロフェッサーXが歩けなくなったのって、そんなに最近の事だっけ?」と思ったぐらいで。
とどのつまり“女に騙された”ってことじゃ、そりゃあ口も重くなります
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