1996年 アメリカ映画 108分 サスペンス 採点★★★
浮気って、結局のところ誰も得しない行為ですよねぇ。どうせするなら誰が見ても「この相手だったらしょうがねぇ」ってなる人を選べばいいのに、得てして「よりによって…」って相手を選んじゃうんですよねぇ。
【ストーリー】
50年代初頭のロサンゼルス。郊外の荒れ地で、全身の骨が砕けた女性の変死体が発見される。捜査に乗り出した対組織犯罪特別捜査班のリーダーのフーバーは、その女性を見て驚愕する。彼女は彼の浮気相手であった。やがてこの事件に、思わぬ巨大組織が関与している事が判明し…。
『NEXT -ネクスト-』のリー・タマホリによる、帽子率の非常に高いハードボイルド・クライム・サスペンス。
令状もなしにギャング宅に乗り込み、殴る蹴るの挙句にマルホランドの滝(つうか崖)から容疑者を叩き落とし、事件もろとも闇に葬る特別捜査班と言う名の要はヤクザ集団が、一つの殺人事件を切っ掛けに軍部の核開発の陰に隠れた闇と対峙していく様を描いた本作。変死体からどんどん話が広がっていくと言えば聞こえは良いのだが、正直なところどんどん話が散らかっていくって印象の方が強い。主要人物が何食わぬ顔で出て来なくなったり、主人公を含めた登場人物が抱えてそうな大きな闇には目もくれず、最大の危機を迎えるクライマックスを相棒のハルク暴れ頼りで解決したりと、細かいことは勢いで乗り切ろうとする大雑把さが気になる、如何にも“タマホリ!”って感じの作品。まぁ、煙草の煙が漂う舞台をソフト帽の男たちが行き来する、なんと言うか、“暗黒のL.A.四部作”からは漏れちゃった的なエルロイ風映画をサクッと楽しみたい時には、まぁ丁度良いざっくばらんさかと。
タフの象徴と言うか、もう“タフ神様”としか言いようがないタフネスぶりを発揮していた『ダブルボーダー』『ホテル・ルワンダ』のニック・ノルティを筆頭に、『ブロンクス物語』のチャズ・パルミンテリ、“西のホタテマン”こと『シン・シティ』のマイケル・マドセン、全身に怒りスイッチを付けてるかのような『キス★キス★バン★バン』のクリス・ペンらが特別捜査班の面々に。もう、バッチを付けたヤクザ。バッチを付けてる分、更に性質が悪い。
その他にも『ボディダブル』のメラニー・グリフィスや、『ヴァンパイア/最期の聖戦』のダニエル・ボールドウィン、『1941』のトリート・ウィリアムズ、『RED/レッド』のジョン・マルコヴィッチといった錚々たる面々が周囲を固め、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』のアンドリュー・マッカーシーに『ウソから始まる恋と仕事の成功術』のロブ・ロウというかつての青春スターに、『メイフィールドの怪人たち』のブルース・ダーンや『炎の少女チャーリー』のルイーズ・フレッチャー、『ロンゲスト・ヤード』のエド・ローターといった顔ぶれが一瞬顔を出す、謎の豪華キャスティングも見所。
しかしながら、やっぱり一番の見所は回想シーンのみの登場となる『地球が静止する日』のジェニファー・コネリーではと。最近は随分と痩せてしまいましたが、この頃はまだまだ肉感的で、その童顔とは全く釣り合わないダイナマイト過ぎるボディが圧巻。その圧巻な肉体が披露されるのがモノクロフィルム上だってのには軽い苛立ちを覚えますが、嬉しい事には変わりないので★ひとつオマケで。
「これなら浮気しちゃっても仕方がないか…」と、小さな声で呟いてみたり
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