2010年 アメリカ映画 85分 ホラー 採点★★★
映画好きってんで、「最近観た面白い映画ってなにー?」と聞かれる機会の多い私。せっかく女の子に聞かれてるんだから何かオシャレなタイトルでも思い付けばいいんですが、如何せん変な所は素直な私。「んーっと…ゾンゲリア!」と答えちゃう。あからさまに怪訝そうな顔をしていることに気づけばいいのに、そういう所は相変わらず鈍感な私なんで「あんなー、鼻になー、硫酸流してなー、顔が溶けるのー!」と、聞かれもしていない見所を説明しちゃう。んー、これからはこういう時用に、何かジョニー・デップでも出てる映画のタイトルを何本か覚えておこうと。
【ストーリー】
ニューオーリンズの沼地に潜む怪人ヴィクターの魔の手から辛うじて逃れたメアリーベスは、殺された家族の亡き骸を取り戻しヴィクターに復讐を果たす為、ゾンビ牧師の手を借り再び沼地へと戻って来る。しかし、ヴィクターの忌まわしき過去を知るゾンビ牧師には、ある企みがあり…。
80年代風スラッシャー映画の基本を守りつつ、タイトル通りストレートで下品な仕上がりが非常に好ましかった『HATCHET/ハチェット』の続編。監督と脚本は、もちろん引き続きアダム・グリーンが。前作の直後だっていうのに主人公が丸っきり違う顔になってるのは、まぁ恐怖のせいで顔が著しく変わったってことで。
前作の舞台に武装して乗り込むという、続編の王道的展開を見せる本作。主人公の目的も顔も変わり、意外な因縁も明らかになったりもするのだが、やってることは基本的に何も変わっていないこの素直さが好き。斬られ、突き刺され、潰され、引っぺがされる人体破壊のオンパレードを、アナログスプラッター特有のグッチャリとした質感で見せる姿勢も好み。“股間をチェーンソーで突き上げられ、二つの玉がコロンと落ちる”という、字で書くとバカバカしいが、実際に映像で見るとやっぱりバカバカしい傑作シーンは、たぶん今後数年間は自分の中で語り草。ゴア描写とゴア描写の合間に見せるのが、ストーリーではなくオッパイだっていう、こっちが何を見たいのか良く分かってる具合も良し。三作目の製作も発表されたが、監督が変われどもこの路線が変わらないのなら、是非観てみようかと。
前作のタマラ・フェルドマンから代わってメアリーベスに扮したのは、『デイライト』『ハロウィン II』のダニエル・ハリス。しばらくスクリーンで見かけなくなってたが、ここ数年で一気に立派なスクリームクイーンに。元々ファニーフェイスの類だったのだが、極端に高さの違う左右の眉毛と、思いのほか低い身長(152センチ)のおかげで更にユニークな顔立ちと存在に。結構好きなタイプかも。
一方のヴィクターに扮したのは、『13日の金曜日PART7/新しい恐怖』の名ジェイソン役者ケイン・ホッダー。程なく還暦を迎える結構なお歳なのに、全く衰える事の無い力強さは流石。このケイン・ホッダーと、『キャンディマン』『ザ・ロック』のトニー・トッド扮するゾンビ牧師が肉弾戦を繰り広げるクライマックスは、その悪ノリ具合もあって非常に燃える出来に。
その他、前作から引き続き登場する『ニュー・ガイ』のパリー・シェンや、リメイクもされた『フライトナイト』の監督でもあるトム・ホランド、『ヒルズ・ハブ・アイズ』で心優しいミュータントに扮していたラウラ・オルティスなど、微妙だが絶妙なキャスティングも光っている。因みに、先に挙げた玉がコロンと落ちるハンターに扮したリック・マッカラムは、“allcinema”だと“スター・ウォーズ プリクエル・トリロジー”の製作者であるリック・マッカラムってことになってますが、実際は『デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2』などでスタントマンを務めた同名の人物なのでご注意を。まぁ、「あのリック・マッカラムが出てるなら観る!」って人がどの位いるのか分かりませんけど。
観終わった後は何も残らないが、何も残らないからこそ良いって映画も
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