1998年 香港映画 94分 ホラー 採点★★★
『バイオハザード』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』の大ヒットにより再びゾンビ映画が脚光を浴びる様になったのはゾンビ映画ファンとしては嬉しい限りなんですが、よくよく考えると『バイオハザード』も『ドーン・オブ・ザ・デッド』もゾンビ映画ではないんですよねぇ。そのゾンビっぽい作品が世間で最も認知されてるって現状に、なんとも複雑な心境で。なんというか、千葉動物園の風太人気のおかげで、トントンに注目が集まるような……明らかに例えが間違ってますね。
【ストーリー】
海賊版DVDを販売するモーディとビーは、ある夜うっかり男を車ではねてしまう。困った二人はその男が持っていた謎のドリンクを飲ませ車のトランクに閉じ込めていたが、実は化学兵器だったそのドリンクの影響でゾンビとなったその男は、トランクを抜け出し、モーディとビーが勤める雑居ビルに侵入する。

『SPL/狼よ静かに死ね』のウィルソン・イップによるホラーコメディ。随分と前時代的なセンスの展開をするなぁと思いきや、98年の作品。何はともあれ、ゾンビブームに感謝。
やたらとホコリっぽいゾンビが、ショッピングセンターとは言い難い雑居ビル内をウロウロし、ショット内に常に一桁の人数しか映らない明らかに低予算の作品だが、ゾンビ映画スピリットに溢れた侮れない一本。バイオハザードに影響を受けたゲームっぽい描写が少々うざったいものの、貧乏臭い分だけ閉疎感溢れる雑居ビルでの攻防戦は、なかなかの緊迫感である。そしてゾンビ映画における最も重要な要素“人間のダメっぷり”も見事に描かれている為、異常事態におけるダメ人間の変貌ぶりも楽しめる。少々の粗さには目をつぶる必要もあるが、つぶる価値はある一本。

本作のゾンビは、生前の記憶を僅かに残す“ロメロ型”ゾンビ。『ランド・オブ・ザ・デッド』ほど個性的なゾンビが出てくるわけではないが、一人だけ異常に個性的なゾンビが出てくる。惚れた女をその身を挺して守り続ける“片思いゾンビ”がそれだが、こいつをありとするか否かで評価が大きく変わるであろう。もちろん私はアリで。
ちと古臭いコメディタッチの序盤に辟易するが、次第に悲壮感が溢れてくるクライマックスから、絶望的な結末を迎えるエンディングまでダレ場も少なく、パチモンと簡単には侮れない出来。特にそのエンディングは、ここ数年のゾンビ映画の中で一番のお気に入りに。

生きてる奴が一番ダメ
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TBありがとうございます!
ラストは確かに、すごく印象深い作品ですネ!
コメディ調なの??って思わせてドンドンマジメな展開になっていくんで、
最後のあの展開が活きてきますネ。
香港映画特有のバタ臭さは否めないものの、そこさえ我慢できれば十分に楽しめる作品でした!
別エンディングはいただけませんでしたが。。。
私はこれ結構好きでした。
エンディングはちょっとビックリしました〜。
1998年の映画なのに、今更DVD化してるあたりもそれらしくていいですね。
片思いゾンビはもちろんアリで。
香港映画らしいだけではなく、非常に良く出来たゾンビ映画でもありましたねぇ♪
やっぱり片想いゾンビは、アリですよね!