2011年10月04日

グリース (Grease)

監督 ランダル・クレイザー 主演 ジョン・トラヴォルタ
1978年 アメリカ映画 110分 ミュージカル 採点★★★

「映画だったら何でも大好き!」と胸を張って言いたいところですが、どうにもこうにもミュージカルは苦手な私。好きな作品も極々僅かながらにはありますが、基本的には嫌い。なんと言うか、目の前で知らない人が気持ち良さそうに熱唱しているのを観させられているような居心地の悪さも苦手なんですが、それ以上に、なんか幸せそうな人に満面の笑顔で「さぁ!君も一緒に!ホラッ!」って幸せを押売りされてるような感じがスゲェ嫌。てか、怖い。

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【ストーリー】
間もなくオーストラリアへ帰ってしまう少女サンディとのひと夏の恋に落ちたダニー。しかし、サンディは家族の事情でそのままアメリカに留まることになり、偶然にもダニーと同じ高校へと転入してくる。思わぬ再会に喜ぶダニーだったが、不良グループのリーダーである手前、ついついサンディにつれない態度を取ってしまう。それに怒ったサンディだったが、あれやこれやフゥ!フゥ!フー!ってやってる内に丸く収まることに。

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ブロードウェイで大ヒットした同名ミュージカルを、トラヴォルタが注目されるきっかけともなったTV映画『プラスチックの中の青春』のランダル・クレイザーが劇映画初メガホンを握って映画化した一本。オリヴィア・ニュートン=ジョンが好きだったってのと、なんか羽目を外したい気分だったってのが、苦手なミュージカルである本作を手に取った理由ってことで。
サンディの物語とすれば、純粋無垢な少女が変なパーマの不良娘になるまでの話でしかないし、ダニーの物語とすれば、惚れた女が真面目だったから自分も真面目になろうと思ったけど、向こうから不良になってくれたのでラッキー的な、もうなんともかんともなストーリーなのだが、実際のところそんなのはどうでもいい。日本で言えば、富士山をバックに侍が芸者と一緒に寿司と天ぷらを食いながら切腹してるみたいな、煌びやかで楽しげで、カラフルで騒々しくて嘘臭い、そんなアメリカのイメージだけで作り上げられた世界の中、高校生になり切った大人がはしゃぎ倒す、この濃縮された絵空事世界にどんどん脳が麻痺させられ、「あぁもうどうでもいいや、フゥ!フゥ!フー!」と楽しめてしまうのだから。まぁ、楽しんだとは言っても、“好きか?嫌いか?”で言えばやっぱり好きではないんですけど。
ミュージカルを愛している方からすれば、本家の夢の国をそっちのけで中国のニセモノランドではしゃいでるかのような私の楽しみ方には異論もあるとは思うんですが、元々本家の夢の国に居心地の悪さを感じてしまう私なもんですから、その辺はご容赦を。

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ダニーに扮しているのは、この前年の『サタデー・ナイト・フィーバー』で一躍人気スターとなった『パリより愛をこめて』『ゲット・ショーティ』のジョン・トラヴォルタ。ブロードウェイ版にも小さな役で出演していただけに、念願だったダニー役を持ち前の茶目っ気で魅力たっぷりに好演。オリヴィアとのデュエットになると一際甲高くなる歌声は正直堪えたが、スペースを存分に使ったダンスが堪能できる“グリーズド・ライトニン”のシーンはなかなかの見応え。
一方、サンディ役には当時既に人気歌手だったオリヴィア・ニュートン=ジョン。彼女の事をどれくらい好きだったかはこっちでも触れたので割愛するとして、若干ぎこちない演技をしながら可憐に歌う彼女を観れたのが、本作を最後まで楽しめた最大の要因かと。あんまり似合ってる気がしないケバめのメイクに変なパーマ頭とトラの甲高い声はアレだったものの、“愛のデュエット”は好きな曲の一つですし。
その他、本作以降は『殺人軍団フェイタル・ミッション/特攻大作戦4』『ビキニ・キラー/真夏のくい込み殺人』など、タイトルだけは魅力たっぷりな作品に出演し続けるジェフ・コナウェイや、保護者が校内に迷い込んだようにしか見えなかったものの、そのビッチな雰囲気が非常に印象的だった『理想の恋人.com』のストッカード・チャニングらも出演。

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こっから30余年、基本的に何も変わってないのは凄いなぁ

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posted by たお at 16:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■か行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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