スーパーサイズ・ミー (Super Size Me)

監督　モーガン・スパーロック　主演　モーガン・スパーロック
2004年　アメリカ映画　98分　ドキュメンタリー　採点★★★

体質のせいか、ろくすっぽ筋肉も付いていないせいか、高校時代から大して太ることもなく同じような体重で歳だけとってきた私。２０年近く似たような体重だったのだが、過去に一度だけ“太った”ことが。その昔、アメリカに２ヶ月ほど滞在していたのだが、到着後最初の食事が５人で行ったピザ屋で、５人分のピザを頼むと出てきたのが４人掛けのテーブル並の大きさの鉄板にのったピザと、バケツ級の大きさのピッチャーになみなみと注がれたコーラ。しかし、このボリュームに驚くのも最初のうちだけで、あとはナッツやらマシュマロやら余計な物ばかり入ったアイスをバケツ食いしたり、甘さのみを追及したお菓子を頬張り、カロリー重視のアメ車並に燃費の悪い食生活を続けた結果、あれよあれよと２０キロ肥えることに。たった２ヶ月でこれですからねぇ。

【ストーリー】
「私らが太ったのはマックのせいだ！」と訴えた若い女性二人組のニュースを見たモーガンは、あたかも常識のように言われてはいるが“本当にマックばかりを食べると身体に悪いのか？”を実証する為に、一ヶ月間食事はマックのみに挑戦する。



考えれば誰にでも分かりそうなことでも、体当たりで実際に挑戦する姿勢だけは評価に値するドキュメンタリー。
食事と飲料はマックにあるものだけを食し、スーパーサイズ（日本のＬＬサイズの大体倍を想像して）を勧められたら断らず、必ず完食するという過酷かつバカバカしい挑戦を描く作品だが、その裏にはアメリカが抱える肥満問題と、大企業の“消費者の健康より営利”という企業姿勢を問うテーマを孕んでいる。しかしながら、どうにも納得しがたい。確かに尋常じゃない太りっぷりの方々がウヨウヨとおり、タバコを吸う並みに食事が危険行為になりうるといった問題は非常に深刻なものであることは理解できるのだが、冒頭の「私らが太ったのはマックのせいだ！」という物語の発端に、アメリカ人ならではの責任追及というか責任転嫁術を見てしまい、作品に参加する意欲を失せてしまったことが要因の一つであろうが。
もちろん、企業の徹底したＰＲ戦略によって洗脳されたが如く消費してしまう問題も描くことで、その辺はフォローされてはいる。現代の文明社会に住む人々は消費することを目的に存在し、そしてそれは一握りの大企業によってコントロールされている現状は『ゾンビ』や『マトリックス』でも描かれている問題であるが、そこへのツッコミの甘さも目立ち、よって体当たり芸映画の枠をはみ出せない結果になってしまっている。



マイケル・ムーアの作品群が分かりやすい例になるのだが、深刻な問題を提示する場合には、まず笑いで集中力を持続したまま緊張をほぐし、一転笑いから一気に深刻な問題へと叩き落すことで、その問題の深刻さをより一層明確にすることが出来る。この作品も、つかみは笑いから始まる。でも、笑いっぱなし。さっぱり深刻じゃない。「やっぱり太っちゃいましたー」で済まされる問題ではないのに。
それでも、「やったら、どうなる？」という誰もが思いながらも踏み出せない一歩を踏み出し、過酷な挑戦をやり遂げたモーガン・スパーロックの無防備なまでの体当たり魂は賞賛に値する。まぁ、観終わった後にマックが無性に食べたくなるのはどうかと思うが。


あぁ、フレッシュネスのハンバーガーを腹いっぱい食べたい…

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Comments

たおさん、いつもＴＢありがとうございますm( )m

この映画、一昨年の暮れに観ましたが、以来約１年と８ヶ月、マックは一度も口にしていません（笑）
専らグリーンモスですね＾＾

Posted by ｃｙａｚ at 2006年08月25日 08:24

20キロ増ですか！？
たおさん身を持って体験されていたんですね。
その後健康的な身体に無事戻れましたか？
この映画を観ているだけにそれが心配・・・
怖いですね〜身体をむしばむ食品って。
監督もよくこんなことをやったなぁと半分あきれました。

Posted by ジュン at 2006年08月25日 11:05

こんにちは！いつもありがとうございます！
うわぁ〜！
実体験、すご〜い！
やせない体質でも、そうなるんですね。
あたしなんか、思いっきり気を遣わないとね、、、
しかしやせない体質、うらやましいです、、、
邦画パロディー「スリムサイズ・ミー」っていうのも、ありますyo。
おすすめはしません。キッパリ。

Posted by 猫姫少佐現品限り at 2006年08月25日 11:49

TBありがとうございます。（＾＾）
私もこれ観て、マックが無性に食べたくなりました。
あのサンデー、おいしそう!(爆)

Posted by laerl38 at 2006年08月25日 12:30

>まぁ、観終わった後にマックが無性に食べたくなるのはどうかと思うが。

見ているだけで胸焼けして、体脂肪が増えそうな作品。
なのに、哀生龍は“食べたくなっちゃった”内の一人です(^^ゞ
その後、監督の嗜好はその後どう変わったのでしょうか･･･

Posted by 哀生龍 at 2006年08月25日 12:55

TBありがとうございました。
マック食べたくなりましたか？
私は実に素直に「もう食べるのはやめよう．．．」と思った方です。

先日、「昔ながらの喫茶店」で、カウンター奥を覗いたら業務用冷凍ピラフが山積みされているのを見ました。
フレッシュな野菜をその場で切って料理してくれるような所はもう、少ないんでしょうね。

Posted by Gachami at 2006年08月26日 00:41

ｃｙａｚ様こんばんは！
もともとマック通いが頻繁だったわけでもないので、マックがどうこうなろうが関係ないのですが、ジャンクフードは結構好きですねぇ＾＾；
なんでも“程よく”が一番です。

Posted by たお at 2006年08月26日 02:02

ジュン様こんばんは！
さすがに20キロ増えた時は体が重くて重くて。
でも、日本に戻ったら瞬く間に元の体重に戻っちゃいましたが＾＾
健康かどうかはさておき。。。
マックばかりに注目した作品でありますが、結局のところ何でも極端に食べると身体には悪いんですよね。

Posted by たお at 2006年08月26日 02:04

猫姫さまこんばんはー♪
太らないって言っても、筋肉もつかないのでそれもどうかと＾＾；
一時マッチョになりたいなーと頑張りましたが、まったくもって・・・。

Posted by たお at 2006年08月26日 02:06

laerl38様こんばんは！
私はテキサスで売ってたマヨ入りのが食べたくて＾＾
うまそーなんですもの！

Posted by たお at 2006年08月26日 02:07

哀生龍さまこんばんはー♪
意外と多い“食べたくなった”派。
思いのほか胸焼けしそうなシーンも少ないので、食欲ばかり促進されちゃいました＾＾；

Posted by たお at 2006年08月26日 02:09

Gachami様こんばんは！
チェーン店では原価を落とし保存を効かせねばならないので、健康第一なんて言ってられないんでしょうねぇ。
まぁでも、外食をするのも家でシッカリ作るのも選択するのはこちらですし、どちらにも何かしらの弊害がついてくるんですよねぇ。。。
ほどほどが一番です。

Posted by たお at 2006年08月26日 02:27

TBありがとうございました。

夏休みですし。
ついつい買っちゃう今日この頃です。（爆）

食育にどうでしょう？こういう映画。
・・・って「かえって食べたくなる」ひとも
いるとは。(x_x) ☆＼(￣￣*)ﾊﾞｼｯ

マクド（大阪ではマックじゃなくこういいます）
でも、食べ方によっては太らないという
フォローもしてましたが
どっちにしても
ジャンクフードに頼らない生活をして
バランスよく何でも食べることですね。

あ〜でも誘惑に弱いんですよ。
マクドにしてもクリスマスのケンタにしても。（笑）

Posted by Ageha at 2006年08月26日 09:40

Ageha様こんにちは♪
身体に悪くても心の栄養になることもあるんですよね。食べたいものはほどほどな量を美味しくいただくのが一番。

Posted by たお at 2006年08月27日 15:16

こんばんわー
あのスーパーサイズが入ってしまう胃袋ってのに驚きｗ
ちっともうらやましくないけど（＾＾；

Posted by PINOKIO at 2006年08月28日 03:04

PINOKIO様こんばんはー♪
あまりに美味しくて「もっと食べたい!!」って思うことはありますが、マックじゃあねぇ。。。

Posted by たお at 2006年08月28日 19:41