2011年09月24日

ファースター 怒りの銃弾 (Faster)

監督 ジョージ・ティルマン・Jr 主演 ドウェイン・ジョンソン
2010年 アメリカ映画 98分 アクション 採点★★★

10年ひと昔って言いますよねぇ。確かに10年もあれば、色んな事が劇的に変化しててもおかしくありませんから。ただまぁ、10年で劇的に変化する年代って、やっぱり10代か20代の頃に起きるんでしょうねぇ。いざ自分の事を振り返ってみても、聴いてるCDも観てる映画も遊んでるゲームもほとんど変わってないですし。変わったって言えば、せいぜい白い毛がとっても恥ずかしい所に生えてきたことと、乳首の位置が下がってきたこと位ですから。これは変化じゃなくて、ただの老いですねぇ。あぁ、やだやだ。

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【ストーリー】
兄と共に銀行強盗を成功させた“ドライバー”。しかし、何者かの罠にはまり兄は殺され、自身も重傷を負わされてしまう。10年後。刑期を終え出所した“ドライバー”は、すぐさまその足で兄を殺した者たちへの復讐を開始する。だが、何者かによって雇われた“殺し屋”が彼の前に現れ…。

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復讐に燃える男の姿を、スピーディかつ一直線に描く猪突猛進アクション。監督を務めるのは、『ソウル・フード』など全体的に黒っぽい作品を多く手掛けるジョージ・ティルマン・Jr。
本作の登場人物“ドライバー”“キラー”“コップ”と言えばウォルター・ヒルの『ザ・ドライバー』を思い出すが、これもまた70年代風のゴツゴツした骨太アクションを楽しめる一本に仕上がっている。主要人物が三人しか居ないのですぐに黒幕が読めてしまう難点はあるものの、同じ場所に留まらず、ひたすら真っ直ぐ進む主人公のパワーとスピード感がその辺を存分にカバー。キャラクター性を投影した車の使い方も面白い。
しかしながら、その猪突猛進的な面白さは序盤までで、セレブな殺し屋が出てくる辺りからどうにもとっ散らかってくる。10年の時を経て、家庭を持ち真人間になった犯人たちであっても「復讐を果たすべきか?」と観客に問いかけたり、その復讐が生み出す負の連鎖や、殺し屋の特異なキャラクターなど、それぞれは面白いのだが絡み合っているとはちょっと言い難い散らかり具合が残念。上手く収拾を付けられないまま置きに行ったようなエンディングも、やはり気になる所。
ただ、ブルーレイに収められていた本来予定していた別エンディングを観ると、その辺の印象は多少変わる。主人公が置かれている立場や負の連鎖はより明確になり、本編では浮き気味だった殺し屋のキャラクター性もハッキリしてくる。特に、若くして成功し何をやっても上手くいくが故に心に大きな空洞を抱えていた殺し屋が求めていたのは、自分は到底敵わなが、その挑戦を「よく頑張った!」と褒めてくれる父親的存在であることが分かるのは非常に興味深い。テスト試写での反応で差し替えられたエンディングのようですが、こっちの方が非常に作品が締まるだけにもったいないなぁと。

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主人公の“ドライバー”に扮するのは、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』『妖精ファイター』の“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソン。その肉体のみに頼らず、意外なまでの器用さで様々なジャンルにおいても俳優として存在感を示してきた反面、最近はその器用さが当初の勢いを削いでいた印象も。ただ、今回は久々のマッスル・モード。分厚いドアだろうが壁だろうが、その全てを蹴破って人型の穴を開けてしまいそうな程の勢いと力強さを感じさせてくれる。時折キャラクターが中西学とカブる瞬間があるのがアレだが、それはまぁ頭を撃たれた時にだいぶ理知的な部分が飛び散ったからってことに。
一方、“警官”に扮しているのは、『恋愛ルーキーズ』『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』のビリー・ボブ・ソーントン。正直苦手な役者なのだが、こういうちっちゃい人間の役は似合うなぁと。苦手だからそう思うのかも知れませんが。
また、出て来た途端に何か作品が『Mr.&Mrs. スミス』っぽくなっちゃう“殺し屋”役に、苗字にギレンホールって付いててもおかしくなさそうなオリヴァー・ジャクソン=コーエン、結婚をちらつかせた途端に重たい女になるその彼女役には、面長の顔の中心にパーツが集中している『96時間』『ナイト&デイ』のマギー・グレイスがキャスティング。『エンジェル ウォーズ』『シン・シティ』のカーラ・グギーノも、事件を追う刑事役として印象的な役柄を。なんとなく美形重視ってよりはパンチの効いた御顔立ちの女優が多く出演してたような気もしたんですが、その辺も“70年代風味”ってことで良いんですかねぇ。

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ストUのボーナス・ステージのようにも

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posted by たお at 02:58 | Comment(2) | TrackBack(10) | 前にも観たアレ■は行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
別エンディングはDVDレンタルのほうにはなかったような...
ちょっと気になります。

殺し屋はジェイクに似てましたよね(笑)
Posted by yukarin at 2011年10月04日 14:58
yukarin様、こんにちは〜♪
DVDの映像特典として記載はされてるんで、レンタル版には入ってないのかも知れませんねぇ。まぁ、個人的には別エンディングの方が好きだったので、機会でもありましたら。
にしても殺し屋。最初は「何ギレンホールだ?」って思っちゃいました^^;
Posted by たお at 2011年10月05日 07:28
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