ファイヤーウォール (Firewall)

監督　リチャード・ロンクレイン　主演　ハリソン・フォード
2006年　アメリカ映画　106分　サスペンス　採点★★

パソコンを使い始めて５年位になるのだが、未だなにがなんだかサッパリで。キーボードだって、押したら何が起こるかわからないから一回も触ったことないキーすらありますもの。まぁ興味のないものには全く近づこうとしない性格がそうさせているんですが、よくよく考えるとパソコン自体に興味があるのかすら疑問。

【ストーリー】
自身が勤める銀行のセキュリティシステムを作り上げ幹部まで上り詰めたジャックは、冷酷なビル率いる強盗団に家族を人質に捕らえられ、その銀行のセキュリティシステムを破り指定の口座へ一億ドル振り込むように強要される。



ご無沙汰の感もあるハリソン・フォードがコンピューターセキュリティの専門家に扮する知的なサスペンスかと思いきや、まぁいつものアレでしたね。スティング主演の変態映画『ブリムストン＆トリークル』のリチャード・ロンクレインが監督ということもあり、ちょっとはヒネているだろうと期待はしてみたが、最近では逆に稀に見るほどの紋切り型ハリウッドエンタテイメント映画に。
パソコンに関してはチンプンカンプンなので、あまり知的な話になられると迷子の子供のように寂しい気持ちになるのではと心配していたが、全く知的な香りもないので安心。“専門家”という設定すら必要と思えぬほど、結局は体力勝負の一本。子供と動物は傷つけない安心設定で作られているので、やたらと仲間ばかり傷つける強盗団にさして恐怖もなく、家族を人質に取られている主人公の方が圧倒的不利なはずなのに「金が欲しければ家族を返せ」と逆に脅されてしまう犯人に、「実はこの人、素人さんなのか？」と疑問すら。
前半と後半もまるで別な映画。“専門家”としての知識を駆使して犯人の裏をかき家族を奪還するかのような展開をするわけでもなく、全て主人公の犯行であるかのように偽装された中で苦境に立たされるせっかく面白くなる設定の後半も、誰にも疑われず何人かを不快な思いにさせただけで、結局誰も入ってこようとしない『ホステージ』が誰も追っかけてこない『逃亡者』になっておしまい。



年々ホタテマン化の進むマイケル・マドセンを兄に持つヴァージニア・マドセン。『キャンディマン』の頃の人形のような美しさはさすがに影を潜めたが、それでも４０代とは思えぬ美しさ。ジリアン・アンダーソンに見える瞬間も多かったものの、もう少し画面で見ていたかった。ポール・ベタニーはまぁ、奥さんの方が好きなので特にコレといって。そして、『ポセイドン』での足手まといっぷりで“足手まとい・オブ・ジ・イヤー”に輝いたジミー・ベネット君も、異常事態の中でも熟睡する図太さを見せるがさっぱり足手まといにならずガッカリ。
着々とデニス・クエイドにその座を奪われつつあるハリソン・フォード。「まだまだ俺は動けるぞ！」とばかりに気合を入れているかと思いきや、相変らず口の右側を上げて微笑むか、眉毛を吊り上げておどけるか、始終沈痛な面持ちをしているかの三つの表情で一本の映画を乗り切っている。映画に全く興味がないのは有名な話だが、大工ではなく俳優なのでもう少しだけでも仕事をして頂きたいもの。
昨日観たばっかだというのに、もの凄い勢いで忘れ始めているほど印象に薄い本作だが、何にも収穫がないわけでもない。レンタルで観たのだが、特典に入っていた『スーパーナチュラル』の第一話はなかなかの面白さ。本作を観た直後だからかも知れないが、『スーパーナチュラル』観るついでにならオススメの一本。


いつでもどこでもハリソンはハリソン

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Comments

TB有難う御座いました♪
ITとか全く知らない人が無理してハイテク犯罪の映画作っちゃったってところでしょうか^^;
究極の頭脳戦を期待してたのに蓋を開けたらボチボチな肉弾戦でガッカリでした｡：ﾟ(｡ﾉω＼｡)ﾟ･｡

ではでは〜、これからもよろしくお願いします♪

Posted by Aki. at 2006年08月18日 03:49

おはようございます♪
もの凄い勢いで　わすれそうな、って　大爆笑です　ヾ(＠^▽^＠)ノわはは
でも　わかる気がします。
私も　観た時は　何か騙されちゃって？いいな〜〜と思ったのですが　内容は思い出せません（笑）
ハリソン　歳なのに頑張ってるなぁ〜〜という思いだけ　残ってます＾＾；

Posted by とんちゃん at 2006年08月18日 06:22

TBどうもでした〜♪
タイトルの「ファイヤー・ウォール」ってのは、ちょっと誇大広告でしたよね！？もっと頭脳戦を期待してたのですが、最後はハリソン君得意（？）の体力勝負でしたから・・・(汗)

Posted by はっち at 2006年08月18日 06:32

>体力勝負
>三つの表情
綿密な計画を立てて集団で作戦を実行した、一見“出来る”犯人。
なのに、体力と３つの表情で乗り切る（ＰＣに弱そうに見えちゃった）セキュリティシステム担当の男に、アッサリとやられちゃうなんて･･･
いったい何だったんでしょうね（苦笑）
でも、気に入ったキャスト＆キャラがいたから、まぁ良いかと･･･

Posted by 哀生龍 at 2006年08月18日 07:06

ＴＢありがとうございます。

ずいぶん辛口の批評ですが、
そのとおりだと思います。

ファイヤウォールは名前だけで、ＩＴ関係なし。
犯人側の結束もいい加減だし、手口も古い。
設定が破綻してます。

ハリソン・フォードのハアハア、ゼェゼェが、
演技に見えませんでした。
大丈夫か、インディ・ジョーンズ４。

Posted by KGR at 2006年08月18日 08:20

こんにちは♪
何十年も「三つの表情」で演技するハリソンを見守ってきた気がします。
すでにスクリーンで見られれば御の字という域に達しているような・・・・（汗）

Posted by ミチ at 2006年08月18日 08:28

こんにちは♪
コンピューターだセキュリティだと言ってるわりにアナログなお話でしたね^^;
ハリソン・フォードってことで私は甘くなってしまいますが･･･

Posted by ゆかりん at 2006年08月18日 12:41

TBどうもです。
ブログが重くて最近困っております。（グチってすいません・・）

＞いつでもどこでもハリソンはハリソン。
・・ウケました。

お年を召してもドタバタやってるんですが
ファンはありがたいというか
皆さん優しいんですよ。
それでもハリソンだからいいのと。

ジョニーデップだったらおんなじこと言う自分が
言うせりふではないですが。（笑）

でもインディはやめといたほうがいいような・・（爆）

Posted by Ageha at 2006年08月18日 15:29

こんにちは。ＴＢありがとうございます。
ドキドキしないサスペンスでした。
ホント、あぁやっぱ力ずくで解決しちゃうんだ。
と、ハイテクどうのこのうは何だったんだろう。

Posted by もじゃ at 2006年08月18日 17:38

Aki.様こんばんは♪
「今はＩＴがナウいらしいぞー」って爺さんが作ったら、80〜90年代に佃煮にするほど作られた風味のアクションになったって感じですね。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:26

とんちゃん様こんばんは！
今となってはスッカリ忘れちゃってます。。。
昔観たハリソンの映画群とゴッチャになってますし＾＾；

Posted by たお at 2006年08月18日 18:29

はっち様こんばんは！
セキュリティの“ファイヤーウォール”じゃなくて、クライマックスに炎上した車の炎のこと言ってたりするかも。体力勝負ですし。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:30

哀生龍さまこんばんはー♪
一見出来るかと思いきや、素人仕事の連続でしたねぇ。ハリソンはきっと“警備”の方のセキュリティだったのではと。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:33

KGR様こんばんは！
いえいえ、辛口で書いてるつもりは全然ないですよ＾＾；
“辛口レビュー”って好きじゃないですし。思ったことを素直に書くついでにイジリ倒しちゃおうと思ったら、こうなっちゃっただけで。。。
ものすごーく時代遅れの映画を観ている感じは強くしましたが。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:35

ミチ様こんばんは♪
もう、名人芸の域に達してますね。
出てくるたびに「ヨっ！ハリソン!!」って声がかかるんでしょうか。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:37

ゆかりん様こんばんはー♪
私は逆にハリソンってことで厳しくなってる気が＾＾；
好きな俳優で、いっぱい観ただけに頑張って欲しいと。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:45

Ageha様こんばんは♪
ウチも重くなってきちゃいましたが、きっと広告が多すぎるのでしょう。少し減らします＾＾；
笑うと関根勤になるハリソンは、どんな役をやってもハリソンのままなんですよねぇ。
好きな人にはたまらないんでしょうがｗ
若手がイマイチ頑張りきれてないハリウッドなので、私としては老体に鞭打ってインディを。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:48

もじゃ様こんばんは！
ハイテクうんぬんは完全に釣りでしたねぇ。
中身はいつものアレでしたし。。。

Posted by たお at 2006年08月18日 18:50

こんにちは、jamsession123goです。
ブログにTBありがとうございました。
はっきり言って、大生はずれですね、この映画は。
彼は、インディ・ジョーンズに戻ってもらいましょ。

Posted by jamsession123go at 2006年08月18日 20:28

TBありがとうございました^^

確かに頭脳戦よりも肉弾戦でしたね。
でも、最後のハリソン・フォードのよれよれの
格闘シーンにはなんともいえないものが。
あれは演技、それとも年齢によるものでしょうか。

Posted by maximum at 2006年08月19日 00:28

こんばんわ〜
＞三つの表情
すっごく目に浮かびます（笑
犯人達も計画はデジタルちっくでも、下調べはアナログで、、、抜けまくってましたね（＾＾；

Posted by PINOKIO at 2006年08月19日 01:58

ＴＢありがとうございました。
ファイヤーウォールは、映画館で観たので、ＤＶＤのおまけのスーパーナチュラルのことは知りませんでした。ＤＶＤも当然、入手しているので、観てみます。
今まで、入手しただけで、放置・・・・・・。
こういうＤＶＤがたくさんあるのですが、なかなか観る時間がとれません。
わたしとしては、ハリソン・フォードのファンなので、この作品は、彼がまだ頑張っているということが判って、うれしかったです。
だって、インディ・ジョーンズの新作が観たいんですもの。

Posted by ｍｉｎａ at 2006年08月19日 09:11

銃を構えたらなんとなくコワそうなベタニーさんにより
雰囲気だけはバッチリの強盗集団も、
確かによく考えたら穴が多すぎですよね〜。
しかし、ハリソンさんは本当に痛そうだし、ヨロヨロしているし、
思わずハラハラさせられてしまったのですが、
すべて演技なんだから！　と言い聞かせる自分がいました。

ＴＢありがとうございました。

Posted by ゆづ at 2006年08月19日 20:10

jamsession123go様こんばんは！
観ていて腹が立つというよりは、なにやら懐かしいものを観させられてる気になる一本でした。91年頃の映画なら、アリでしたね。

Posted by たお at 2006年08月19日 21:14

maximum様こんばんは！
えーっと・・・年齢的なものなのではと＾＾；

Posted by たお at 2006年08月19日 21:19

PINOKIO様こんばんはー♪
そんな無理してＩＴなんかに手を出さず、無実の医者が逃げ回る映画にでもしちゃえばよかったのにと強く思いましたよ。

Posted by たお at 2006年08月19日 21:20

ｍｉｎａ様こんばんは！
レンタル版には入っているんですが、もしかしたらセル版には入ってないかも・・・。
まぁ、お持ちのセル版をまた放置しておいてレンタルするのも良いかもと。

Posted by たお at 2006年08月19日 21:24

ゆづ様こんばんは！
穴だらけというより、向いてないのではと思えるほどの。。。
ハリソンも、演技を通り越して、ホントしんどそうでしたし。

Posted by たお at 2006年08月19日 21:28

こんばんは！
TBありがとうございました！

劇場で見ましたが、正直どんな内容だったのか覚えてないところもあり・・・
ハリソン、頭脳戦よりもアクションのほうが似合ってました。
ヴァージニア・マドセン=ジリアン・アンダーソン、なるほどです・・^^
URLは新しいブログのアドレスで失礼します。

Posted by アイマック at 2006年08月21日 23:28

たおさん、こんにちは。
ＴＢありがとうございました！こちらからもＴＢさせていただきました。（遅くなってスミマセン。）

>三つの表情で一本の映画を乗り切っている。

わはは・・上手すぎです！！それにしても「映画に興味無い」って・・俳優失格じゃありません？？？

Posted by romper-stomper-rc at 2006年08月22日 14:43

たおさん、ＴＢ、感謝です♪

>“専門家”という設定すら必要と思えぬほど、結局は体力勝負の一本。

結局はこうなるのね。と思いつつ見てしまいました。

>家族を人質に取られている主人公の方が圧倒的不利なはずなのに「金が欲しければ家族を返せ」と逆に脅されてしまう犯人に、「実はこの人、素人さんなのか？」と疑問すら。

カゴメも、｢逆だろ？！｣思いましたね。
メル・ギブソンの｢身代金｣の方が説得力あり？(苦笑)

>“足手まとい・オブ・ジ・イヤー”に輝いたジミー・ベネット君も、異常事態の中でも熟睡する図太さを見せるがさっぱり足手まといにならずガッカリ。

｢ホステージ｣でのジミー君の、
あの辺りを憚らぬ金切り声に、
ますます老年性難聴の進んだカゴメは、
｢とっととそのガキ始末しろ！｣思っちゃったですよ。

あの主犯ほど仲間に手厳しく人質に優しい犯罪者も珍しかったですね(苦笑)。

>特典に入っていた『スーパーナチュラル』の第一話はなかなかの面白さ。

あのチープな造りと、俳優の異常に力んだ感じが、
なかなか楽しめたです(確かに本編よりは面白そう)。

Posted by カゴメ at 2006年08月24日 18:21

アイマック様こんばんは！
すっかりアクション俳優ですよねぇ、ハリソン。
おかげで、どの映画がどの映画だったか・・・。

Posted by たお at 2006年08月24日 23:10

romper-stomper-rc様こんばんは！
「大工仕事してる時が一番たのしー」とか言ってるそうですが、仕事なんでちゃんと演技を。。。

Posted by たお at 2006年08月25日 00:12

カゴメ様、こちらにもありがとーございます!!
『身代金』もかなりアレな映画でしたけどね。。。
脚本に“足手まとい”って文字が出てくれば真っ先にオファーがいくであろうジミー・ベネット君でしたが、今回はイライラもさせてくれずがっかり。
『スーパーナチュラル』はタイトルがひどいものの、音楽の使い方と非常にポップな作りが、さすがＭｃＧだなと。

Posted by たお at 2006年08月25日 00:43

トラありがとうございました＾＾

ハリソン君が
コンピューターのプロ！である必要性のまったく感じられない展開でした＾＾；
でも！「スーパーナチュラル」の前菜にどうぞ！ですね
そっちは楽しみにしてます！

Posted by じゅりあん＆まのん at 2006年09月20日 13:29

じゅりあん＆まのん様こんばんは〜♪
全ての設定に必要性と説得力がない映画でしたねぇ。結局ハリソンが大暴れのいつものやつに。。。

Posted by たお at 2006年09月21日 02:06

たおさん　すみんません　ＴＢのお返しがとても遅くなってしまいました。
冒頭のたおさんの触った事の無いキーボードのお話し、よ〜くわかります！
私も全く同じ!!!

Ｖ・マドセンって綺麗ですよねぇ。
それから兄のマドセンが「ハタテマン化」が進んでるというの私も同感!!!

あの息子役の子は『ポセイドン』のあの子だったんですねぇ。

たおさんのレビューは面白い!!!

Posted by なぎさ at 2006年10月25日 15:58

なぎさ様こんばんは〜♪
パソコンを始めてもう５年以上経ちますが、先週初めてタブキーの使い方知りましたもんｗ
妹はあんなに綺麗なのに、兄は力也。まぁ、悪い虫が寄ってこなさそうではありますが。

Posted by たお at 2006年10月25日 23:39