2010年 フランス映画 117分 アクション 採点★★★
男同士が集まると、これまで負った大怪我を武勇伝混じりで披露する“怪我自慢大会”みたいなのが始まる事も多いですよねぇ。「バイクでこけて太ももの皮がベロベロにー」とか「屋根から落ちて肋骨がー」とかの怪我自慢に対して、みんなが「スゲースゲー」言う正直変な時間。まぁ、同じ男としてそんな話題にイマイチ乗れないのは、私自身がそんな大怪我をした事がないってのが大きいんでしょうねぇ。「蚊に刺されるとスゲェ腫れる」は自慢になりませんし。

【ストーリー】
かつてマルセイユの街を支配していたマフィアのボスのシャルリも、今では闇稼業から足を洗い家族と共に平穏な生活を送っていた。しかし、何者かが突如シャルリを襲撃し、22発もの弾丸を浴びせる。奇跡的に一命を取り留めたシャルリは、襲撃を指揮した者が幼い頃からの親友であり、彼の引退後急激に勢力を伸ばしているザッキアであることを知るが、報復が新たな抗争を生んでしまう事を嫌ったシャルリは、復讐に走ろうとする仲間を制止する。しかしその決断が新たな血を流させてしまい…。

タニー・ザンパとの抗争で銃弾を22発浴びながらも生き延びた実在のギャング、ジャック・アンベールをモデルとしたノワール風味のアクション。『ルビー&カンタン』でもジャン・レノと共演しているリシャール・ベリが監督と脚本を手掛け、『アデル/ファラオと復活の秘薬』のリュック・ベッソンも製作に一枚噛んでいる一本。
平穏な生活を望む昔気質の元ギャングが、血で血を洗う熾烈な争いに巻き込まれていく様を描いた本作。「覆面では報復は出来ん。覆面は匿名の証で、それはただの殺しだ」と、いちいち言う事が任侠な主人公が真っ当な生活を望もうとも、過去からは逃れることが出来ない物悲しさを雰囲気たっぷりに描き出している。家族・友情・ビジネスが入り乱れ、互いに反発しながら争いに発展していく、ギャング映画の基本もしっかりと抑えられているのも好印象。
しかしながら、動機や行動の真意がさっぱり分からないキャラクターが重要な位置に居たり、重要っぽそうなキャラクターが全く物語に絡まなかったりと、脚本の煮詰め足りなさを雰囲気で逃げきろうとした印象も否めず。右手が麻痺してるってのに落ちてる拳銃から右手の指紋が見つかる分かりやす過ぎるワナや、そのワナによって見覚えの無い殺人の容疑を掛けられようが、現に他の人間はバンバカ殺してるんでワナの意味を成していなかったり、そんなあれやこれやを全て無理やり丸く収めた感じも強い締めにも、詰めの甘さを非常に感じる事も。

原題通り不死身の主人公に扮しているのは、『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』のジャン・レノ。凄味の効いたヤクザ顔と愛嬌溢れるマヌケ顔の両極端な顔を持つジャン・レノだけに、家庭人でありヤクザという二面性を持つ主人公を見事に好演。最近はどうにも残念な作品で観る機会が多くなった彼なので、ちょっくらこの路線で頑張って頂きたい気も。
その他、殺したい相手をさっぱり殺せない対抗ギャング役に『プチ・ニコラ』のカド・メラッド、案外凄腕の殺し屋だったりもする弁護士役に『サン・ジャックへの道』のジャン=ピエール・ダルッサン、位置付け的には主要キャラクターながらも、物語にはさっぱり絡まない幼馴染のギャング役に監督でもあるリシャール・ベリ、見たまんまの荒くれっぷりが印象的な『ラスト3デイズ 〜すべて彼女のために〜』のムーサ・マースクリなども出演。中でも一番のお気に入りは、ジャン・レノの潜伏先で一緒に焼き魚を食うイイ顔をした野良猫。歳を取ったらあんな生活をしたいなぁと。いや、別に潜伏生活がしたいってわけじゃないですからね。

“海辺で酒と肴をネコと一緒に”って老後を狙っております
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓


猫と暮らす老後いいですね〜
最近仕事帰りになつっこい猫ノラと遊んでから帰るのが日課になってます。
冷静に考えてみると、色々とオカシイ映画ではありましたねぇ^^;
ネコと老後ってのは憧れますねぇ。
太った年寄り猫を飼いたいのに、身の回りに居るのは痩せた子ネコばかり。。。