2011年 アメリカ映画 91分 アクション 採点★★
“意外な組み合わせ”って、上手くいきそうにないのに上手くいった成功例に対して使う言葉ですよねぇ。カレーに納豆とか、納豆にマヨネーズとか、鰹の刺身をマヨ醤油でとか。なんかマヨネーズ無敵。その“意外”ってのは、組合せに対する意外性じゃなく結果に対する“意外”なんだろうなぁと。意外な組み合わせだけど失敗したものに関しては、“当然の結果”で収まりますし。
【ストーリー】
タイのバンコク。プロの殺し屋であるチャーチは、娘をさらわれた父親の依頼でギャングを壊滅させる仕事を請ける。そんな折、チャーチはメイと名乗る不思議な少女と出会い、徐々に心を許していく。だが、その仕事の依頼にも少女にも大きな秘密が隠されており…。
『マッハ!』のプラッチャヤー・ピンゲーオが初めて手掛けるアメリカ映画ってんで興味をそそられたが、主演のジャイモン・フンスーを含めてプロデューサーが12人もいる大所帯っぷりに不安も感じてしまった本作。まぁ、ほぼその不安通りだったという事で。
殺し屋と無垢な少女の組合せって言えば『レオン』を思い出すが、そこに少女売春と幽霊譚というタイお馴染の素材をぶち込んで、ごった煮にした挙句パクチーを随分と効かせた感じの本作。アクションと幽霊をふざけ半分で組み合わせたかと言えば全くそうではなく、そのどちらの素材に対しても真面目に並列に描かれている。ただ、その真面目さが裏目に出たのか、それぞれの繋ぎ目がトンチンカン。さっぱり混じり切ってない。幽霊譚が若干優位な分、だんだんアクションが邪魔になってくる感じも。いっそのこと幽霊譚をメインで作ればよかったのに。
アクションの見せ場作りも非常に雑な印象がある本作。凄腕の殺し屋って設定のようだが、撃つ弾は全て命中し、撃たれる弾はほぼ外れるって描写だけじゃ凄味は生まれない。劇場公開を狙ってたのか、最初っからDVDストレートと決まってたのかは定かではないんですが、まぁ公開されなかったのも分からなくもない一本に。
主人公のチャーチに扮するのは、その名前を見る度になぜか怪物くんのフランケンを思い出してしまう『コンスタンティン』『エラゴン 遺志を継ぐ者』のジャイモン・フンスー。“フンスー”ってとこもそうなんですが、“ジャイモン”ってのにもどことなく藤子不二雄っぽさを。それはさて置き、格闘シーンも多かった本作。『ネバー・バックダウン』では結構な凄味を見せていた彼だけに期待をしてみたが、どうにもやらされてる感満載なのが残念。流れるような動きってのよりは、一個一個手順通りに「動いてみました!」って感じ。まぁ、身体に白い粉をまかれ梵字みたいなのを書かれた途端、一気にヴードゥー臭くなってかなりの迫力だってのは見所かと。ヴードゥー関係ないんですけど。
一方、その主人公に振り回される武器商役には、『狼の死刑宣告』『インビジブル』のケヴィン・ベーコン。大袈裟な時もあるが基本上手い役者のはずなのだが、今回の仕事はなんとも雑。これまた、やらされてる感満載。特に初登場シーンなどは、およそOKシーンとは思えぬ大雑把さ。そんな、あんまり観れないケヴィンを観れたってのも、ちょっとしたお得感。そう思っておきたい。
まぁあんまり褒めれる作品ではなかったんですが、幽霊役のそらで名前を言える気が全くしないチランタニン・ピタックポントラクンが可愛いってのが救いかと。あれなら取り憑かれても文句はないですし。
ちょっとずつ寿命を削り取られてるんだろうなぁ
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
もしかして、船頭多くして・・・な感じだったし?(苦笑)
>幽霊譚が若干優位な分
もしかして、タイでは大いに受け入れられる作品なのでしょうか?
>ちょっとずつ寿命を削り取られてるんだろうなぁ
御祓いのはもってのほか?
利権にワーって集まるパターンと、やばくなってきた作品を何とかしようと人手だけが集まって来るパターンがあると思うんですが、本作は明らかに後者ですねぇ^^;