2002年 日本映画 92分 ホラー 採点★★
なにげに“呪怨祭り”開催中。夏ですし。と言いつつも、早くも飽きてきましたが。手元にあと二本あるっていうのに。
【ストーリー】
介護ボランティアの理佳は、寝たきりの老婆・徳永の様子を見に行くことに。ゴミが散乱する家で一人放心状態の徳永の世話をする理佳は、その家の二階の押入れに閉じ込められた男の子を発見する。そしてそれを機に、不吉な事件が立て続けに発生する。
オリジナルビデオ版で見せた凄まじい恐怖描写が評価されての映画化。オリジナル版である『呪怨』『呪怨2』を足してそのまま何となく豪華にしちゃえば“劇場版”に出来る安易な選択をせず、オリジナルストーリーで挑んだ姿勢は評価に値する。しかし、ビデオ版を観た前提で物語が進んでしまう為、不親切な設計に。みながみな伽椰子ファンというわけではないので、伽椰子の背景がバッサリと削ぎ落とされた本作では、伽椰子がなんでそんなに呪ってばかりいるのかが不明瞭だ。俊雄君に到っては、なんだかすら分からない。「あー、殺されたのね」ぐらいは分かる描写はされているものの、『呪怨』の恐怖は生前の伽椰子の粘着気質や事件の陰惨さが伝わってこそ発揮するものなので、本作においての彼らは、ほふく前進が得意な女性と色白のネコ好き少年のコンビにしか見えない。確かにあれだけスムーズに階段をほふく前進出来るのは大したものではあるが。
時系列をとっ散らかして因果関係をじわじわと浮き上がらせるのが『呪怨』シリーズの特徴。この作品でもとっ散らかしてはいるのだが、さほど機能しているとは思えない。別段因果関係が浮かび上がるわけでもないので、必要性すら疑問だ。伽椰子の行動範囲を広げ恐怖感を拡大したいのは分かるが、その家を訪れた者を無条件に呪う最低限のルールが破綻しているのも頂けない。主人公を導く為に彼女の友人をその家に引きずり込むシーンがそれだ。俊雄君が小学校行ってちゃおかしいでしょうに。まぁ、伽椰子が意外と手間隙かけるマメな女性だってことは分かりましたが。
奥菜恵扮する主人公が伽椰子と同化する展開も、監督の脳内でのみ完結しているだけで、見ていてさっぱり伝わってこない。同時に見せてくれる“そして誰もいなくなった”的シーンが不気味なだけ、非常に残念な締めくくり方で。
伽椰子と俊雄君が思いのほか怖くない本作だが、「ばぁ!」と登場するまでの描写はなかなかのもの。怪談集の新耳袋からだいぶ頂いてはいるものの、実録ホラー的恐怖感を上げるのに成功している。まぁそれも、発声の仕方がおかしい俊雄君やゾンビ女子高生が台無しにしてくれるのですが。
『輪廻』でも見せてくれたが、賞味期限ぎりぎりのアイドルを演出する術に長けている清水崇。本作でも、スター街道を駆け上がっていた伊東美咲をぶつけることで、奥菜恵のぎりぎり感を高めつつ「まだまだ可愛いんだ」ってのを強調している。もともと嫌いではないので、奥菜恵を見ているだけなら然程問題はないですが。本作において、小柄で大きな目をクリクリさせ幼い喋り方の割に意外と肉感的な奥菜恵が演じたキャラクターを、リメイク版である『THE JUON/呪怨』でサラ・ミシェル・ゲラーが演じることとなるのは、いたって自然な成り行きに思える。監督の好みの問題も大きいのであろうが、柳ユーレイがビル・プルマンになるよりは随分と自然だ。柳ユーレイは嬉しいでしょうけど、ビル・プルマンはどうだろう?
そりゃあ他人の家の屋根裏覗けば、見たくないものの一つや二つ
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呪怨かリングかと云われていたホラーで期待したんですが、
どうやらオリジナルビデオ版のほうが名作のようで・・。
探してみることにします。ホラー熱が冷めないうちにw
そういや自分ちの屋根裏も見たことないや。。
ハリウッド版も意外ときれいにまとまってて好きですよ。オリジナル版は、非常に乱暴です。いろいろ。。。
自分の家の屋根裏には、せいぜい意味不明のお札が自分の部屋の真上に貼ってあって、そのまわりを何者かが這いずり回った跡があるのを発見するくらいだったりもします。
映画のレビューを書くのが20本もたまっているサルです_l ̄l○
呪怨祭り楽しそうだ(笑)
私はビデオ版見たことなかったんですが、原作は読んでいました。あの怖いことったら久しぶりに本を読んでぞぞっとさせてもらったのに、劇場版みたら、「なんじゃこりゃ?」
>『呪怨』の恐怖は生前の伽椰子の粘着気質や事件の陰惨さが伝わってこそ発揮するもの
そうですよね・・・。それを伝えないと怖くもなんともないのに。
>ほふく前進が得意な女性と色白のネコ好き少年のコンビ
確かに(笑)
でも、匍匐前進はリングでもやってたしなー(笑)
今日でようやく呪怨祭りも終わりました^^;
ざっと通して観ると、やっぱりコレが一番不満が大きかったですねぇ。すっかすかな感じで。
>伽椰子の背景がバッサリと削ぎ落とされた本作では、伽椰子がなんでそんなに呪ってばかりいるのかが不明瞭だ。
でしたね〜
本作は大分前にみたので記憶から抜け落ちてましたが、そうでした
確かに不親切です(笑)これはシリーズ全部をみてください!という監督のある意味メッセージなんでしょうね(w)
第一作目としてはズタボロな本作。
じゃぁついでにシリーズ全部観てみると、これまた本作が一番ズタボロで本末転倒に。。。
たおさんに一年遅れで、呪怨祭りを開催してみました(笑)。
早くも後悔しています(泣)。
ゾンビ女子高生、面白かったですね。
階段での匍匐全身は、エクソシストのブリッジ降りと違ってスタント無しでしたので、それなりにスリルを感じる事が出来ました。
って、スリルじゃダメですよね・・・。
まぁ、呪怨関連ではこれが一番つまらないので、あとは上り調子ですよ!あと4本頑張って〜♪