2009年 スペイン映画 85分 ホラー 採点★★
怪談やホラー映画って観客との距離感がとっても大切なんですよねぇ。物理的な距離もそうですが、題材の距離も結構重要。知ってる土地が舞台だと恐怖も増しますが、見た事も聞いた事もない場所だと、なんか安全圏に居るような感じが。そんでもって、主人公らの職業とかが丸っきり自分と縁がないと、もうまるで他人事。まぁ、だから「POVだぁ!3Dだぁ!」と、あの手この手で観客をその場に放り込む努力をしているんでしょうけど。

【ストーリー】
謎の疫病の蔓延により封鎖されたアパートに、特命を受けた科学者とSWATチームが突入。特効薬に必要なある物を探す為、最上階の部屋へと向かう。しかしそこは、凶暴化した感染者が次々と襲い来る逃げ場の無い地獄で…。

前作『REC/レック』の直後から幕を開けるPOVホラー。前作に引き続き、ジャウマ・バラゲロとパコ・プラサがメガホンを握る。
無防備の人間の次はフル装備の人間を送り込んで手痛い目に遭わせる、『エイリアン2』パターンの本作。メインカメラのほかにCCDカメラや他の生存者のカメラの映像を織り交ぜ、前作以上に舞台の広がりを感じさせる工夫を施している。まぁ、ここまでやるんであれば、敢えてPOVにこだわる理由は無い気もしますけど。
前作では臭わせる程度だった疫病の原因を、“感染する悪魔憑き”と明確にした本作。このワンパクな展開は嫌いじゃないのだが、悪魔とのやり取りに時間を割き過ぎた為か、オカルト色以上にアクション色が強まった割にスピード感が一気にダウン。観てる側としても、「あぁ、悪魔なら仕方がないね」と一気にトーンダウン。外部から侵入してきた若造集団も、おもむろにロケット花火を感染者の口に放り込むという、唐突かつワンパクな活躍を見せる以外はイライラさせる以外に機能しておらず、作り手も途中で持て余したのか、なんとなくフェイドアウトして物語に絡まなくなる始末。
風呂敷を広げた分大雑把になった感もある本作だが、前作の主人公であったマヌエラ・ベラスコが登場してから多少盛り返すのは救い。小動物のような愛くるしさと快活さが非常に魅力的な女優なので、ホラーもいいけどコメディでも観てみたいなぁと。

ゾンビも感染者もリンダ・ブレアも一緒くたにされ
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