2010年 アメリカ映画 121分 ラブロマンス 採点★★
女性を選ぶってよりは、選ばれる側に立つ事の方が圧倒的に多い私。たまには選んでみたいもので。そんな選択肢に入ってしまう時って、女性も女性なりに悩んでいるんでしょうけど、待たされてる方も堪ったもんじゃないんですよねぇ。もう、あのヤキモキがイヤ。まぁ、迷ってる時点で自分には決定打がないってことなので、そんな時はさっさと諦めるのが良いとも思うんですが。
【ストーリー】
ソフトボールに人生を捧げてきた31歳のリサは、チームをクビになり引退せざるを得ない状況に陥る。新たな人生に不安を感じるリサは、とりあえず友達以上恋人未満の関係だったメジャーリーガー、マティとの関係を深めていこうとするが、何事にも能天気でプレイボーイのマティとの関係にも不安を感じることに。そんな時、貿易会社を共同経営する父親の身代わりで収監される危機に陥っていた青年実業家、ジョージと出会ったリサ。ジョージの繊細さと優しさに惹かれていくリサであったが…。
生き甲斐を失くし人生の岐路に立った女性が、二人の男性の間で揺らぎ悩む姿を描いたラブコメディ。脚本・監督は、『スパングリッシュ 太陽の国から来たママのこと』のジェームズ・L・ブルックス。
役者そのものが持つ魅力と手堅い演出で色んなものを含んでいるような感じを漂わせているが、要は“先行きが不安だからとりあえず男だけは捕まえておこう”ってなだけの本作。リサの年齢を考えれば切実な問題の一つではあるのであろうが、セックスの相性だけは良いメジャーリーガーと、どん底にいる青年実業家の間を不用意に行ったり来たりしているだけの展開に、「頭の中は男の事だけなの?」って疑問が浮かんでしまうことに。ソフトボールなんて、後半全く関係なくなってますし。
直情的な割に優柔不断な主人公に、「どうせ同じことをずーっと繰り返していくんだろうなぁ」と全く同調出来なかったが故に、その他のキャラクターが抱える問題までもが障害として取って付けただけにしか見えなくなってしまう本作。監督としては、外しようがないキャストを使って、流行りの“大人への一歩を踏み出す中年”ってコメディを作ろうとしたのかも知れませんが、その目論見はまんまと外れてしまう結果に。キャストは各々のイメージを存分に打ち出せているし、舞台もしっかり整っているっていうのにここまで外すってんだから、逆に一見の価値があるのかも。
主人公のリサに扮しているのは、『恋人はゴースト』『キューティ・ブロンド』のリース・ウィザースプーン。嫌味さの無いポジティブの権化のような眩いオーラは変わらないのだが、男の間を行ったり来たりしているだけのキャラだったせいもあり、珍しく苛立ちを感じさせる今回。“媚びる”ってのが似合わない女優なのだが、別に直接的な媚びの描写はないにしろキャラそのものが媚び系なので、その違和感が苛立ちを感じさせたのかも。
一方、そんな主人公にただひたすら翻弄されるだけの男性陣には、『奇人たちの晩餐会 USA』『40男のバージンロード』のポール・ラッドと、『ナイト ミュージアム2』『トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合』のオーウェン・ウィルソン。ある意味ポール・ラッドありきの作品なので、男友達よりも女友達の方が圧倒的に多そうな、期待を裏切らないいつものポール・ラッドを楽しめる。「バンビみたいな目をしやがって!」と詰られても、「バンビ大好き!DVDも持ってる!」と切り返す感じの。
そして、お楽しみのオーウェン。久しぶりに「オーウェン可愛い!」を連呼できるとワクワクしながら観賞したのだが、今回のオーウェンは可愛いを軽く通り越して、ただのアホちゃん。概ねいつも通りのオーウェンではあるのだが、頑固さというか軸が全く無いのでアホちゃんにしか見えず。残念。
その他、あまりキャラが定まっているように見えなかった『ディパーテッド』のジャック・ニコルソンや、劇中一番面白かった『俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-』のキャスリン・ハーン、『ギャラクシー・クエスト』のトニー・シャルーブらも出演。ウィルソン兄弟作品の隠れキャラである、『ローラーガールズ・ダイアリー』のアンドリュー・ウィルソンも当然潜んでいたんで、そこがちょっぴり嬉しかったかなぁと。
下手な媚びは相手を怒らせるだけ
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
同感です。
どうしてこういう年齢でこういうシチュエーション設定なのか理解できません。
ピッグネームを使いたいのは判りますが、
これで1億ドル超の製作費がかかるとは信じられません。
全米で3千万ドル、海外分含めても5千万ドルに届かず、大赤字だったでしょう。
IMDBのユーザ評価も散々です。
“大人への一歩を踏み出す中年”というと、アパトーギャングが得意とするジャンルなので、それに果敢に挑戦してみたんですかねぇ。
1億2千万の製作費はこの手のラブコメじゃぁ破格ですが、主要キャストのギャラをザックリと計算しても4千万は超えてるでしょうし、まぁそこに問題があるような気も。
お互い遊びだと承知して一晩だけ楽しく付き合ってるマティと彼に寄ってく女たちの方が、リサよりもずっと心身共に健全じゃないかと思いたくなりました(苦笑)
>アンドリュー・ウィルソンも当然潜んでいたんで、そこがちょっぴり嬉しかったかなぁと。
同感です!!
アンドリュー兄ちゃんの顔を見ると、テンションが上がる上にホッとできるんですよねぇ〜♪
また無記名等投稿してしまいました(大汗)
お気付きのこととは思いますが、↑は哀生龍のコメントです。
リサは「どうしてここまで空っぽなんだろ?」と、非常にイライラするキャラクターだったんですが、自立した強い女性を標榜してる人に限って、相手を見て媚びる依存型人間であることが多いんで、案外リアルな描写なのかも知れませんねぇ^^;
ホント、救いはアンドリュー!