2011年07月14日

ブロブ/宇宙からの不明物体 (The Blob)

監督 チャック・ラッセル 主演 ケヴィン・ディロン
1988年 アメリカ映画 95分 ホラー 採点★★★★

映画って、様々なドラマやアクションと同様に、様々な死に方が描かれておりますよねぇ。「こんな死に方だけはしたくないなぁ」と考えながら映画を観てたりもするんですが、そんな中でもダントツにイヤなのが“生きたまま食べられる”ってやつ。まだ頭からひと噛みされるのであれば、その瞬間に即死でしょうからマシなんですが、『ジョーズ』みたいに足からムシャムシャされるとなるとすげぇイヤ。でも、それ以上にイヤなのはやっぱり“生きたまま消化される”ってやつでしょうねぇ。もう、最悪。

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【ストーリー】
ある夜、静かな田舎町に突如隕石が落下。中から出てきたアメーバ状の物体は次々と住人を襲い、みるみる巨大化していく。そんな中、防毒服に身を包んだ政府機関が救助に現れるのだが、彼らの真の目的は住人の救助ではなく…。

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子供の頃TVで放映される度に食い入るように観ていた『マックィーンの絶対の危機(ピンチ)』を、SFXを大胆に用いる作風に定評があった『イレイザー』のチャック・ラッセルがリメイクしたSFホラー。そのチャック・ラッセルと共に脚本を担当しているのは、感動路線のイメージもあるが、その根っこには溢れんばかりのはぐれ者愛がぱんぱんに詰まっている『ミスト』『ザ・フライ2/二世誕生』のフランク・ダラボン。
人喰いアメーバが次々と人を襲う凄まじい描写を中心に、派手なアクションとちょっとした笑いも詰め込んだ娯楽要素満載の本作。それぞれの殺戮描写も派手なSFXに頼るのではなく、電話ボックスごとブロブに飲み込まれた登場人物が必死に電話で助けを求めるが、その助けを求めている相手が半消化の状態でデロンと目の前に現れるシーンのように、それぞれきちんと工夫が凝らされているのが素晴らしい。
また、前触れなく表れてビックリさせるのではなく、ブロブ登場までの前フリをしっかり段階的に描きサスペンスを盛り上げる、基本に忠実な描写が施されているのも非常に好印象。派手さを活かす為に地味な作業を怠らない、こういう姿勢は大好き。

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掻い摘んじゃえば“人喰いアメーバが人を喰う”だけの物語ではあるが、舞台となる田舎町の社会状況を意外としっかりと描いてたりもする本作。地元高校のフットボールの試合が町一番のイベントで、フットボール選手やチアガールなどがもてはやされる完全ジョックス世界。そんな町の流れに乗れない者は爪弾きにされ、誰にも相手にされないはぐれ者となってしまう。
この辺の描き方は、『ミスト』において小さなスーパーマーケット内にアメリカの縮図を描いたフランク・ダラボンらしい描写で、如何にも主人公然としたジョックスカップルから男の方を早々と退場させ、町の鼻つまみ者が救世主となる流れにも彼独特のはぐれ者愛が感じられる良い描写。また、狂信的なキリスト教信者や軍の秘密実験なども描かれた本作だが、そこには絵空事のモンスターよりも遥かに恐ろしいものを現実のアメリカが孕んでいる事を訴えているようで、これまたダラボンらしい描き方でも。
一見上映スケジュールを穴埋めするパッケージ商品のようにも見えるが、先に挙げたはぐれ者が活躍する作品というだけではなく、概ね犬と子供が死ぬ事の無いメジャースタジオの作品であるにも関わらず、あっさり且つかなり惨たらしい形で子供が死んじゃったりもする、定型から外れた作風の本作。しかしながら、その流れを狙ったあざとさは感じず、あくまで自然な流れの中で微妙に定型から外す作りが非常に上手い。この作品が日本でDVDとならないのが不思議でしょうがないですが、もうDVD化は諦めたので、本国でブルーレイになった時には是非とも出して頂きたいもので。

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主人公に扮しているのは、鼻以外は兄のマット・ディロンにソックリな『ポセイドン』のケヴィン・ディロン。『プラトーン』での底意地悪そうな風貌そのままに、でも根は気の良い不良少年を好演。ジョックスばかりがもてはやされる状況に「やってらんねーよ!」と道にツバ吐きながらも、野良の子ネコに餌をやりながら語りかけてそうな感じ。本作を機にブレイクするかと思ったんですが、世の中そんなに甘くはないようで。
一方、ヒロインのチアリーダーに扮しているのは、『ソウ2』のショウニー・スミス。“ソウ・シリーズ”では女装したモルダーにしか見えなかった彼女だが、本作でもまぁ女装したモルダーに。
その他、ダラボン作品の常連で『シェルター』などにも出演するジェフリー・デマンや、『ブルーサンダー』のキャンディ・クラーク、『沈黙の戦艦』でのポヨヨンダンスが印象的なエリカ・エレニアック、『ロボコップ』のポール・マクレーンに、こっそり混じってた『悪魔のいけにえ2』のビル・モーズリイなど、意外な顔ぶれが出演しているのも楽しい。『ロストボーイ』のフロッグ兄弟の片っぽも出てましたし。
そう言えば、一時ロブ・ゾンビによるリメイクの話も出てましたが、あれはどうなったんでしょうねぇ。

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posted by たお at 13:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■は行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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