2009年 カナダ/フランス/アメリカ映画 104分 SF 採点★★★
遺伝子操作なりショッカーに頑張ってもらうなりして人間に他の生物の特性を組み込むとしたら、何が一番便利でしょうねぇ?羽が生えちゃったりするのはロマン的に素晴らしいですが、見た目的にも物理的にも変化が大き過ぎるのでボツ。となると、やっぱりオススメは光合成なのかと。陽に当たってれば概ね満腹ですし。でもそうなったら、世界の争い事も変わるんでしょうねぇ。日向の取り合いに。

【ストーリー】
巨大製薬会社の管理下で、複数の生物の遺伝子を組み合わせる実験を行っていたクライヴとエルサの科学者夫婦。ある日彼らは、その複数の生物の中に人間の遺伝子を組み込めば、全ての病気治療のカギとなると考え、秘かに実験を実施。誕生した生命体に“ドレン”と名付け、極秘に育てるのだが、ドレンは凄まじい勢いで成長していき…。

『CUBE/キューブ』のヴィンチェンゾ・ナタリ脚本・監督による、禁断の遺伝子操作がもたらした恐怖を描いたSFホラー。製作者の多さが若干気になる所だが、その中には『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロの名も。
『スピーシーズ 種の起源』の焼き直しに収まるのかと思いきや、思わぬ子育てに対する男女の意識の違いなど、段階的に変化していく物語が興味深い一本に。
奇怪な風貌のドレンに対しても、大きな愛をもって接するエルサの“母の愛は強し”で幕を開けると同時に、チ○ポに手足が生えたようなドレンに対し、本能的な恐怖と嫌悪感を感じるクライヴの『イレイザーヘッド』的物語も絡む好スタートを見せる本作。それがドレンの成長に伴い、高圧的な母親により不幸な子供時代を送っていたエルサが、ドレンに対しても同様の子育てを行ってしまう負のスパイラルの物語へと変貌し、「エルサとドレンのどっちがモンスターなんだろ?」と疑問を感じ始めた頃に、クライヴとドレンが男女の関係になる衝撃的な展開を迎える構成が非常に上手い。“科学者のモラルと大いなる成果に対する誘惑の天秤”というテーマがどっかに行っちゃった気もしないでもないが、のっぴきならない大変面倒なことになってしまった状況に、落とし所をどうするのか興味津津。ただ、グイグイと関心を引っ張るのはここまでで、あとはただのモンスターホラーになってしまい、もう台無しなんですけど。まぁその辺は、アメリカ国内での上映の窓口程度の関わりだったのかとは思いますが、ダーク・キャッスルが噛んじゃってる以上、こういう安易な締めに行き着いちゃうのも仕方なしなのかも知れませんが。
そう言えば、作り上げた化合生命体に“ジンジャー”と“フレッド”みたいに往年の名コンビ名を付けるのがお好きなようなこの科学者夫婦。過去に作り上げた生命体に“シド”と“ナンシー”のペア名がありましたが、やっぱりアレですか?雄が雌を殺しちゃったんですか?

クライヴに扮しているのは、『プレデターズ』『ジャーロ』とワンパク過ぎる作品選びが目立つエイドリアン・ブロディ。“何でもやります!”がモットーなんでしょうねぇ。本作でもその“何でもやる優男”ぶりは発揮され、目と目の間が人より随分と離れた風貌はもとより、そもそもが人間じゃないドレン相手に簡単に欲情するクライヴを好演。雌と見れば足が逆関節であろうが全然お構いなしという、まさにエイドリアン・ブロディにうってつけな役柄なのではと。確かに裸で「クゥーンクゥーン」すり寄られれば多少迷いが生まれてしまうのは男の性とは言え、そこに迷いも我慢も全くないってのが、ある意味男の鑑なのかと。スゲェな、エイドリアン。
一方、エルサに扮しているのは、『ドーン・オブ・ザ・デッド』のサラ・ポーリー。随分と久しぶりに見たせいか、時の流れが如実に表れた全体的なたるみ具合に驚きを。まぁ、その辺も含めて我の強い女性科学者という役柄にハマっておりましたが。理想が叶わないとなると、愛嬌あるキャラクターから一転し、冷淡な女性になる怖さを見事に表現してたなぁと。
その他に、ヴィンチェンゾ・ナタリ作品の常連であるデヴィッド・ヒューレットや、『キルショット』のブランドン・マクギボンらが出演しているが、やっぱり人より視野が随分と広そうなドレンに扮したデルフィーヌ・シャネアックが強烈。まぁ、チ○ポに足が生えたかのような幼少期が一番強烈でしたが。なんか、雄版フェイスハガーみたいで。

二人とも我慢が著しく苦手なようで
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓


結末は、ありがちと言えば、ありばちなものでしたが、それまではなかなか面白かったです。
しかし、クライヴの行動には驚きでしたが。
http://cinechan.at.webry.info/201102/article_15.html
途中までは面白いんですけどねぇ。。。
クライヴの行動はまぁ、エイドリアン・ブロディならではってことでw
彼は、本当になんでもありですよね(笑) 結構好きな俳優さんなので、複雑な気持ちになっちゃいましたが(^^;)
作品そのものは、結局最後はなし崩しというか尻すぼみになった感じで、がっかりでした〜。
ある意味、女性であれば一切の差別をしない優しい男とも言えるんですが、まぁ見境ないってのが妥当なのかとw
「何でもやります」「迷いがない」
ってのに笑えましたw
エイドリアン自身がモンスターみたいだ。
ホント、男ってイヤーネー。
でも果たして本当に誘惑されないのか!?
きっとフェロモンか何か出まくりなんだよ。そうじゃなきゃ考えられん!
ソコまで考えてると、やっぱ変態チックだな・・・・。
フェロモンでの誘惑って可能性もありますが、でもそこはエイドリアン。雌とみれば見境なしw