2011年07月05日

太陽を盗んだ男

監督 長谷川和彦 主演 沢田研二
1979年 日本映画 147分 サスペンス 採点★★★★

どこが発表したのかすっかりと失念してしまいましたが、クーデターの起こる危険性がある国として日本がリストアップされてたってのを以前読んだ事があった気が。物騒な話だなぁと思う反面、そんな危険性を孕んでいるように思われるのも当然だなぁとも。ただまぁ、実際それが起こったとしても、ここまで悪い方向にシステムが完成されちゃった国だけに、何処を標的にしたらいいのか分かんなくなっちゃうんじゃないのかなぁと。拳を振り上げても、振り下ろす相手が分からない。政治に経済に教育と問題山積のこの国ですが、個人的には真っ先に改善しなければならないのはメディアじゃないのかなぁと思ってたりも。まぁ、この辺は書き始めるとすっげぇ長くなりそうなので、いずれ気が向いた時にでも。

tanu4.jpeg

【ストーリー】
かつては熱血教師として知られた城戸だったが、今では授業中に居眠りをするぐうたら教師となっていた。そんなぐうたらな顔とは裏腹に、彼は自宅のアパートで秘かに原子力発電所から盗み出したプルトニウムを使い、原子爆弾を製造していた。そして遂に完成した原爆を武器に、城戸は警察に脅迫電話をする。「ナイター中継を最後までやれ!」と…。

tanu2.jpg

“原爆製造”に“バスジャック皇居突入”とかなり危険なブツをぶっ込みながらも、高い娯楽性も兼ね備えたサスペンスアクションの傑作。
原爆という絶大な力を手にしながらも、それをどう使ったらいいのかさっぱり分からない主人公の姿を、迫力溢れるアクションと、“鉄腕アトム”を歌いながら原爆を作ったりする独特なユーモアで描く本作。その“何かはしたいが、何をしたいのか分からない”具合は、全共闘の時代が終わりしらけ世代が台頭した当時の時代を見事に切り取っている。不満もあるが、その不満の原因が分かりづらい様も、成長そのものが目的だった高度成長期が終わり、バブル期を前にした安定期の社会状況を映し出しているのかと。この世代よりはほんのちょっとだけ若いんで、当時の状況はそんなに詳しくないんですが、このモヤモヤしきった具合は逆に今に通じる物がある気も強く。
皇居前や国会議事堂でのゲリラ撮影など、神話的な逸話が数多く残されている本作。当時でさえ充分リスキーな題材に加えこの危険極まりない撮影方法には、映画が娯楽であると同時に“表現”であるという作り手の思いがひしひしと伝わって来る。そしてその双方が成り立ってしまっているのだから、もう感服したとしか言いようがない。よくこの作品に関して「今では作れない」って言葉を聞くんですが、“作れない”んじゃなくて“作ろうとしない”ってのが正しいんじゃないのかなぁと思うんですよねぇ。

tanu1.jpg

主人公の城戸に扮しているのは、『魔界転生』の沢田研二。失望を原因とした無気力・無感動な主人公を、絶妙なスカし具合と皮肉めいた眼差しで好演。ガイガーカウンター片手にボブ・マーリーを歌い踊るシーンのカッコ良さもさることながら、ラストカットの諦めの奥に強い怒りと絶望すら感じられる表情が絶品。
一方その城戸を追う刑事役には、城戸とは正反対に気力と熱さに溢れる菅原文太が扮している。このコントラストの妙も見事なのだが、やはり圧巻なのはクライマックスの二人の対決。菅原文太のイメージを極端にカリカチュアライズしたかのような一挙一動は強烈で、その無敵のゾンビと化した菅原文太の姿は、一度観たらそうそう忘れられないものに。たまたまそのシーンだけを観たウチの女房は大爆笑しておりましたが。
その他、世代的に“色っぽい人”というと真っ先にこの人が浮かんでしまう池上季実子や、ちょいと顔を出す水谷豊に西田敏行といった錚々たる面々が顔を出してるが、やっぱり一番の大物と言えば名前だけで登場するローリング・ストーンズかと。行きましたねぇ、初来日公演。まぁ、行きつけの飲み屋のマスターに「チケットあるけど、行く?」って言われたから行っただけなんで、今では全然覚えてないんですが。開園を待ちながら、「チャーリー・ワッツがこっそりスティーヴ・ガットに代わってたら面白いよね」って話をしきりにしてた事は覚えてるのに。

tanu3.jpg
逆に今観なければならない映画なのかも

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
blogram投票ボタン   人気ブログランキングへ

        

        



posted by たお at 02:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■た行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック