2011年07月02日

メイフィールドの怪人たち (The 'burbs)

監督 ジョー・ダンテ 主演 トム・ハンクス
1989年 アメリカ映画 101分 コメディ 採点★★★

その昔アパートで独り暮らしをしてた頃なんですが、毎日夜9時頃になると上の住人の部屋から何か鉄の球のような物が転がりまわる音がする。ゴロゴロゴロゴロ、部屋中縦横無尽に。その音のもとをを追うような気配は感じられないんで、なんか球だけが勝手に転がってる感じ。結局その音の原因は分からないままでしたし、蓋を開ければきっと大したことじゃないんでしょうが、他人の生活ってのは妙に映るもんなんだなぁと思ったもので。まぁ、仕事の時間が不規則なので、朝夕同じアパートの住人に顔を合わせる事がない上に、料理にハマってたせいか、男の一人暮らしのくせに台所からばんばかオリーブやらニンニクの香りが漂っていた私の方が、他の皆からすれば謎の住人だったんでしょうけど。

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【ストーリー】
閑静な郊外の住宅地メイフィールドで暮らすレイは、最近隣に越してきたのは良いが、誰もその姿を見た事がない隣人の事が気になって仕方がない。夜な夜な地下室から聞こえる、何かの実験のような音も、その好奇心と不安を募らせるばかり。そんなある日、近所に住む老人が突如行方知らずとなってしまう。レイ同様その隣人を怪しむ近所の旦那たちは、遂にその家へ忍び込む決意をするのだが…。

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グレムリン』『トワイライトゾーン/超次元の体験』のジョー・ダンテによる、郊外族の生態を皮肉ったホラーコメディ。
大袈裟で空回りしがちなギャグで彩られたコメディの体を成してはいるが、中身は全然ホラーな本作。ひたすらに冷静さを欠いた主人公らが隣人を殺人鬼と決めつけ、結果的にその隣人宅を破壊しつくしてしまう展開は極端ではあるが、「知らない人いっぱいで怖いー!」と郊外に引っ越したはいいが、今度は「隣人怖いー!」となってしまったので過剰なまでの関心や干渉をしてしまう郊外族の姿を、非常に分かり易く描いているのかと。隣人の正体が結果的に主人公らの望む姿であることが判明し、映画的には全て丸く収まるハッピーエンドを迎えてはいるが、現実では最も起きて欲しくないオチだってのも強烈。考えてみれば、最初っから警察に電話しとけば済むだけの話なのだが、その辺もベースにある自警意識を皮肉ったところなのかと。
ダンテのやり過ぎ演出が招いてしまったのか、元々のネタがそうだったのか、肝心の笑いが空回りし過ぎて非常に辛い本作ではあるものの、この毒々しさを笑いで取り繕ってみた白々しさは嫌いではない。

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主人公のレイに扮しているのは、『天使と悪魔』『トイ・ストーリー3』のトム・ハンクス。『ビッグ』でピュア芸を会得してからは“いい人”方面へと思いっきりシフトしてしまった彼だが、本作ではまだ当初の持ち味だったヒステリックさを感じる笑いを披露。
その他、同い年なのにトム・ハンクスと並ぶと歳の近い親子にしか見えなかったファンボーイズ』のキャリー・フィッシャーや、『ブラック・サンデー』のブルース・ダーン、そろそろ勢いにも陰りが見えてきた頃であった『ロストボーイ』のコリー・フェルドマンらも出演。
もちろん、ダンテ作品の常連であるディック・ミラーやヘンリー・ギブソンが顔を出しているのも嬉しい所で。

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posted by たお at 15:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 前にも観たアレ■ま行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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