2011年06月30日

フラッシュ・ゴードン (Flash Gordon)

監督 マイク・ホッジス 主演 サム・J・ジョーンズ
1980年 アメリカ/イギリス映画 111分 SF 採点★★★★

どうも最近“30代未満お断り”みたいな作品レビューばかり続いているサブタレでございますが、別にそんな気は全くないんで、10代・20代の方々も、観た事も聞いた事もないかもしれない作品の、読んでみてもどんな映画なのかさっぱり分からないレビューを楽しんで頂けたらなぁと。面白い映画は何年経とうが面白いですし、そうでない映画も考えようでは面白くもなりますし。

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【ストーリー】
宇宙征服を企てるミン皇帝の攻撃により、破壊の危機に晒された地球。誰も信じない地球攻撃の危機を声高々に主張した為NASAを追放されたザーコフ博士は、たまたまそこに居合わせたフットボールの花形選手フラッシュとツアーコンダクターのデイルを無理やり引き連れ、宇宙船でミン皇帝のいる惑星モンゴへと飛び立つのだが…。

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1930年代から続く同名人気コミックを、『キングコング』『狼よさらば』などの豪腕プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス製作のもと、『死にゆく者への祈り』のマイク・ホッジスがメガホンを握ったスペースオペラ。ジョージ・ルーカスも映画化を熱望してたって話も有名。
『スター・ウォーズ』『エイリアン』が立て続けに公開され一大SFブームに沸いていた当時、次なる超大作として公開された本作。クイーンが音楽を担当した事も話題となり、「きっと観た事もないスゲェ映像世界が繰り広げられるに違いない!」と期待に胸をパンパンに膨らませて劇場に向かうが、『バーバレラ』の頃となんら変わらないチープな特撮と、設定のスケールはデカイが印象は手のひらサイズのモシャクシャしたストーリー展開に、当時大いにずっこけたものです。まぁ、目指しているのが最新映像体験ではなく、レトロを大金投じて再現するという金持ちの道楽みたいな地点なので、あながち間違ってもないんですが。ただ、年月も随分と経ち、「なんか昔の映画」としてひとまとめに出来る今観直してみると、絵具をひっくり返したかのような毒々しい色合いの空に、赤と金をベースにしたギラギラした衣装とセットが生み出すゲイ風味溢れるハリボテ感がとっても快感。自分たちの事しか考えていないエゴ丸出しの惑星の住人と、ボールを持ってれば幸せって以外何も考えている様子のない主人公が生み出すチグハグさも独特で、そこに「フラッシュは全宇宙の救世主ぅ〜♪」と歌う仰々しいクイーンの音楽が被さるもんだから、もう本作でしか味わえない悶絶ものの空っぽ感が堪らない。けばけばしく仰々しいが空っぽの本作の味わいは、まるでエロの抜けた秘宝館に迷い込んだかのような感じ。期待に胸を膨らませて入場するが、出る時は真顔ってのも一緒。肝心のエロがないんじゃしょうがないって気もしないでもないですが、それは『フレッシュ・ゴードン』で補えばいいのかなと。
そう言えば私が中学の頃これがTVで放映されると、翌日決まって教室の机の上に載せた椅子をロケットサイクルに見立てた“フラッシュごっこ”ってのがクラスで大流行しておりましたねぇ。映画の出来云々はさて置き、中坊をここまで熱狂させたんだから合格

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汗をかこうが沼地に落ちようが、そのブロンドヘアーはさらさらし続けるフラッシュに扮したのは、当時新鋭のサム・J・ジョーンズ。勉強は割り算で挫折したから残りの時間を全てボール遊びに費やしたかのようなピュアな風貌が、自分の名前がプリントされたTシャツを何の抵抗もなく着れるフラッシュ役にピッタリ。長嶋が“茂雄”と書かれたTシャツを着ているような感じ。また、ヒロインには『ゾンゲリア』のメロディ・アンダーソンが扮し、他人の都合を一切考えない科学者役に『007/ユア・アイズ・オンリー』のトポルが。
ただ、舞台のけばけばしさと比べ善玉の薄口具合が気になるところだが、それを補うかのように『007/リビング・デイライツ』のティモシー・ダルトンや、髭を生やした森公美子にしか見えなかったホークマン役のブライアン・ブレッスドなど、見た目も芸風も濃い顔ぶれが脇を固めているのも注目。
しかしながら、そんな顔ぶれが束になっても敵わないほどの強烈な存在感と印象を残しているのが、ミン皇帝に扮した『ロビン・フッド』『勝利への脱出』のマックス・フォン・シドー。フー・マンチューとも若干被る中国系の名前に強烈な顔立ちと、悪事しか考えていないその行動は、まさに絵に描いたような悪役。まぁ、実際絵に描かれた悪役なんで当然なんですが。そんなミン皇帝に全部かっさらわれている印象もなきにしろあらずだが、彼の娘であるオーラ姫に扮したオルネラ・ムーティの、子供心にモヤモヤさせられた妖しさも忘れ難し。

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30年経った今も、充分モヤモヤする

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posted by たお at 14:51 | Comment(4) | TrackBack(3) | 前にも観たアレ■は行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当時劇場でズッコケたオジサン参上!(笑) でも『バーバレラ』と比べるとシンプルな俺Sugeeee!なストーリーは楽しかったですよね… アメコミの実写化が無闇にリアリティ重視っか偏重されている現在、こういうアプローチも復活して欲しいものですが…
 
それにしても、本作に限らず日本版Blu-ray、出ないですよね… アメリカでは公開30周年記念って事でBlu-ray化されているというのに…
Posted by USA-P at 2011年06月30日 23:35
USA-P様、こんにちは〜♪
哲学的に悩んでみたり、妙にリアリズムと向き合ってみたりと、“コミック映画=すっきりしない”って形になっちゃってますからねぇ^^;
ホント、ブルーレイユーザーになってことさら思うんですが、日本でブルーレイのソフトって出ないですよねぇ。。。“DVDが売れないんだからブルーレイも売れない”って考えなんでしょうかねぇ。売れないんじゃなくて売り方も下手なんだってことなのに。
Posted by たお at 2011年07月01日 14:12
とってもとってもチープで、それでいてなんだか分からないけど“すっげぇ・・・”と呟いてしまうような作品でした。
何だよこの作品。と大きな声で言っておいて、後ろを向いて小さな声で、でも好きだな。と。
フレッシュのDVDは持ってるのに、なぜか本家フラッシュのほうは持ってないんですよ(● ̄▽ ̄●;)ゞぽりぽり
Posted by 哀生龍 at 2011年07月09日 23:52
哀生龍さま、こんにちは〜♪
リアルタイムで観た時から、その空っぽ具合が嫌いになれない作品なんですよねぇ。豪華絢爛なハリボテっていうか。
>フレッシュのDVDは持ってるのに、なぜか本家フラッシュのほうは持ってないんですよ
大声で「好きだー!」と言われないは、DVDは持たれないはで、なんとも不憫な扱いを受けてますねぇw
Posted by たお at 2011年07月10日 11:26
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フラッシュ・ゴードン
Excerpt: モンゴのミン皇帝(マックス・フォン・シドー)が目を付けたのは地球。 異常気象・天災を起こして人間の反応を楽しんでいた。 いち早く地球の危機に気付いたザーコフ博士(ハイアム・トポル)は、人気フットボール..
Weblog: I am invincible !
Tracked: 2011-07-09 23:47

『フラッシュ・ゴードン』(1980)
Excerpt: これは大作プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスが巨費を投じた作品だが、せこいセットとチャチな特撮はなんなんのだろう。やたら悪趣味でキンキラキン、軽薄なのはオリジナルを尊重(?)しているからなんだ..
Weblog: 【徒然なるままに・・・】
Tracked: 2014-01-10 22:33

「フラッシュ・ゴードン」 テッドとジョンが言うからさ〜
Excerpt: テッドとジョンが言うからさ〜、観ちゃったよ。 昨日観た映画「テッド」。 その中で
Weblog: はらやんの映画徒然草
Tracked: 2015-02-17 23:09
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