2011年06月24日

戦火の勇気 (Courage Under Fire)

監督 エドワード・ズウィック 主演 デンゼル・ワシントン
1996年 アメリカ映画 117分 ドラマ 採点★★★

自分としては大分大人の対応をしているつもりなんですが、それでも言いたい事をハッキリと言い過ぎちゃう傾向にあるようで、好き嫌いが激しいのと同様に好かれ嫌われも激しい私。ここまでハッキリと分かれちゃうと、気に入ってくれている人間とそうじゃない人間が私について話し合っても、とても同じ人間について話してるとは思えぬほど違いが出ちゃうのかなぁと。まぁ、自分の事を一番分かってない私が言うことでもないんですが。

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【ストーリー】
湾岸戦争で仲間の戦車を誤射してしまい、部下を死なせてしまったサーリング。その罪悪感に苛まれ、家庭も上手くいかなくなり酒に溺れる彼に、作戦中に戦死した初の女性名誉勲章候補者であるウォーデン大尉についての調査命令が下る。関係者の証言を集めるサーリングであったが、彼らの証言が微妙に食い違っていることに気付き…。

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戦場という特殊な状況下で起きた出来事の真相を、それぞれに食い違う証言の中から暴いていく様を描いた、『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィックによる戦争ドラマ。
戦闘の混乱の中、生き残るために取った行動により仲間を死なせてしまった主人公が、その罪悪感に押し潰されそうになりながらも一つの事件の真相を追究することで、その罪と正面から向き合うようになる様を羅生門スタイルで描いた本作。見地の違いから生まれる食い違いではなく、大きな嘘を隠しているが為に生まれる証言のずれを暴いていくミステリーとしても面白い仕上がりとなっている。女性大尉が政治的な思惑から英雄に祭り上げられると言う構図も、裏と思惑があり過ぎた湾岸戦争を背景に描いているだけに興味深く、証言によって二転三転しながら真の姿が明らかになっていくと同時に、主人公が戦地で取った行動も浮き彫りになっていく構成が非常に上手い。大人の対応で終結する締めに感じるほろ苦さも、ほど良い余韻を残している。生き残るためのエゴが生み出した陰惨な事件を描いている割に、主人公のみが心の平穏を手にしちゃった感じもしなくもないが、構成の上手さがその辺をウヤムヤにしてくれている。

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主人公のサーリングに扮したのは、『アンストッパブル』『ザ・ウォーカー』のデンゼル・ワシントン。物語の展開に気を取られてしまう分、正直印象の薄い主人公ではあるのだが、その薄さを持ち前の上手さでカバーした感あり。
一方、証言によって二転三転する難しい役柄であったウォーデン大尉に扮したのは、『インナースペース』のメグ・ライアン。今では面影の無くなってしまった愛らしい口元にハネ気味の髪の毛と、いつものメグ・ライアンを残しつつも、田舎育ちの粗野さとタフさを併せ持った役柄を熱演。ラブコメの女王として君臨していた絶頂期である反面、そろそろその路線に飽きてき始めていた時期でもあったので、当時この役柄に大いに驚いたもので。
その他にも、痩せ過ぎちゃってヒラリー・スワンクと見分けがつかなくなっちゃってたグリーン・ゾーン』『インフォーマント!』のマット・デイモンや、『ボーン・アルティメイタム』のスコット・グレン、『もしも昨日が選べたら』のショーン・アスティンなどの良い顔ぶれが出揃った本作であるが、やはり最も目を引いたのは『ヤングガン』『ビッグ・ヒット』のルー・ダイアモンド・フィリップス。作品中最も戦地の似合うタフさを漂わせながらも、そのタフさが弱さと狡さを隠すためにより強調されているようでもある複雑な役柄を、見事なまでに熱演。これでまたメインストリームに戻って来るのかなぁと、当時大いに期待してたんですけどねぇ…

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目が泳いじゃった時点でもう負け

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posted by たお at 14:43 | Comment(0) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■さ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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