2006年07月19日

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング (My Big Fat Greek Wedding)

監督 ジョエル・ズウィック 主演 ニア・ヴァルダロス
2002年 アメリカ映画 96分 コメディ 採点★★★

アメリカのTV番組『サタデー・ナイト・ライブ』の中に、“ギリシャ料理店のギリシャ人兄弟”というスケッチがある。ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが兄弟に扮し、へらへらと薄ら笑いばかり浮かべている頭の足りない甥をビル・マーレイが扮していた。ウェイトレスもギリシャ人の親戚であろう一族だけで運営されている店の、客にチーズバーガーとペプシのみのオーダーを強要する厚かましくも騒々しい日々を描いたスケッチには大笑いをさせてもらうのだが、一つ疑問が残る。本当にギリシャ人って、あぁなのか?

【ストーリー】
ギリシャからの移民である両親が経営するレストランで働くトゥーラ。“ギリシャ人としての生き様”を強要する家族に疑問を感じながらも、気が付けば恋愛に縁もないまま30歳。一念発揮して大学へ行き、化粧もし、職場も変えた彼女は、ある日ハンサムな非ギリシャ人男性と出会い一目惚れ。結婚を決意するが、“ギリシャ人と結婚してギリシャ人の子供を生む”ことがギリシャ人女性の鑑であると固く信じる両親は猛反対することに…。

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主演であるニア・ヴァルダロス自身の経験を基にした独り芝居を気に入ったトム・ハンクス夫妻によって映画化されたラブコメディ。祖国の文化や風習と共に移民してきた人々が暮らす多民族国家アメリカらしい一本。イタリア系やユダヤ系の生活圏を描いた作品には馴染み深く面白い作品が多いが、このギリシャ人一家を描いた作品もなかなか興味深い。
全ての単語はギリシャ語に由来すると主張する父親を筆頭に、事ある毎に何十人もの親戚縁者が集まってくるこの一家の日常は厚かましくて騒々しく、あまりのアグレッシヴさに笑いを通り越して恐怖を感じる一瞬すらあるほど。そんな恐ろしい一家を背中に背負った主人公と、一般的なアメリカ白人である婚約者一家とのカルチャーギャップを描いているのだが、ほとんどの時間は主人公一家の騒々しさを描くのに費やされている。その結果、婚約者一家は物静かで小難しい顔をしているだけの存在になってしまい、肝心の婚約者もただニコニコしながら全ての状況に流されるカラッポで何を考えているのか分からないキャラクターとなっている。全てを受け入れる優しい男性というには葛藤を乗り越える描写もないので、ただ都合のいい絵空事のような存在に。ギリシャ人一家が古い価値観に囚われながらも深い愛情を持った人々と描かれているだけに、対照となる婚約者一家の扱いが浅くギャップによる笑いも愛情もあまり浮き彫りにならないのが残念。映画というよりは非常にTV的な躍動感のなさも気になる。

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相変らず脳細胞を駆使した痕跡の見当たらない邦題には呆れてしまうばかり。“ギリシャ人”というのが最大のキーワードであるのにもかかわらず原題からそこを削除し、“Big Fat”で「厚かましい」を意味するあまり馴染みのない俗語である割に単語自体はどちらもよく知られているため“えらく太った人の結婚式”と誤解されかねない最悪のタイトル。“ギリシャ式”“結婚”“幸せ”などいくらでもキーワードを抜き出すことが出来、組み合わせ次第で容易にアピールできるタイトルが浮かびそうなものだが。
決して美人とはいえないニア・ヴァルダロスだが、笑顔は非常にキュート。本作ではまだまだ彼女の持つ魅力を発揮しきれているとは言い難いが、劇中同様自らの力で道を切り拓きこの作品を手にし、その成功で私の大好きな『コニー&カーラ』を世に送り出したことも加味し、★ひとつオマケ。

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「チーズブルギ!チーズブルギ!チーズブルギ!!」

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posted by たお at 06:21 | Comment(8) | TrackBack(4) | 前にも観たアレ■ま行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
no coke, pepsi! っと参上ぅ!(笑) ってのは兎も角として、
 
本作、アメリカらしくサクサクっと無しにした分、ワリに気楽に楽しみましたがその分、確かに物足りなかったですよな… って事で『BEND IT LIKE, BECKHAM』(『ベッカムに恋して』って酷い題名ですよな…)をオススメ〜 お話としては共通項も多いんですがイギリスの階級社会とインド人というマイノリティ故の閉塞性との齟齬、ってお話もさる事ながらよりカラフルで楽しい作品でしたよ〜 あと結婚式繋がりで『ウェヂング・クラッシャーズ』もどぞ〜
Posted by USA-P at 2006年07月19日 22:40
ほんとにねー!なんで”グリーク”を抜かしちゃうんでしょう。
この映画は大好きで、何度も観ました。
ジョン・コーベットがすんごくよくできた彼で惚れ惚れ。

なんでもガラスクリーナーをシュッシュ!のお父ちゃんもいい味ですね。
Posted by kino at 2006年07月20日 00:31
トラコメありがとうございました^^

>“えらく太った人の結婚式”と誤解されかねない最悪のタイトル

そうそう!わたしもタイトルは気になってました
どうして邦題に「ギリシャ」を抜いたんだろう?
また、万人にわかりやすく「厚かましい、ギリシャ人の結婚式」(←ベタな)タイトルにしなかったのか??

でもって
>ニコニコしながら全ての状況に流されるカラッポで何を考えているのか分からないキャラクター

こんな人いませんよね^^;
こんなに心が広すぎる人という意味で
Posted by じゅりあん&まのん at 2006年07月20日 12:08
USA-P様ようこそー♪
やっぱり、そうきたwww
『ベッカムにどうたら』は、確かにタイトルに萎えて観てなかったですねぇ。今度観てみますねー♪
Posted by たお at 2006年07月20日 20:23
kino様こんばんはー♪
ギリシャ抜きでは成立しない話なのにねぇ。。。
男の私は見習おうにもとっても見習えそうにない男性像でした^^;
『マイ・ビッグ・ファット・ライフ』はまだ観ていないのですが、どうでした?
Posted by たお at 2006年07月20日 20:26
じゅりあん&まのん様ようこそ♪
>万人にわかりやすく「厚かましい、ギリシャ人の結婚式」
この方が全然いいと思うのに^^
原題原理主義者はこれだからヤダ。
んー
心が広いというよりは。。。^^;
Posted by たお at 2006年07月20日 20:29
作品は嫌いじゃないんですけどね、、
親戚が集まったり大家族ってのが苦手なので恐怖の連続でした。
なんでギリシャに誇りを持つあの家族は移住したんでしょうか?w
Posted by PINOKIO at 2006年07月22日 00:46
PINOKIO様こんばんはー♪
うちも比較的大家族なので、この騒々しさは割と身近で^^;
まぁ、遠くに住んでいるからこそ、より故郷が良く見えるってこともありますよね。
Posted by たお at 2006年07月23日 01:52
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