2006年07月13日

ウェインズ・ワールド (Wayne's World)

監督 ペネロープ・スフィーリス 主演 マイク・マイヤーズ
1992年 アメリカ映画 95分 コメディ 採点★★★★

“ロック=バカ”
それでいいのである。不満や怒りや願望を声高らかに叫ぶには、最初に理性を捨てなきゃ。ウンチクや屁理屈をこねるロックマニアも多いが、無心に頭を振り回してたほうが圧倒的に楽しく、俄然ロックだ。いい曲を聴いた時は、「ふむふむ。コレはあーでこーで」と考えるくらいなら、「あー!!なんかわかねーけど、これいー!!」でよし。

自宅の地下室でケーブルTV番組を放映しているウェインとガース。若者に絶大な人気を誇る彼らの番組に目を付けた大手TVプロデューサーが彼らに近づき、メジャーでの放映を誘う。すっかり浮かれあがった彼らだが、プロデューサーには思惑があり…。

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wawo6.jpg1975年の放送以来、現在まで続く長寿バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』。ジョン・ベルーシ、エディ・マーフィ、アダム・サンドラー等多くのコメディアンを送り出したこの番組は、番組内で作り上げられたキャラクター達も多く映画化してきた。その代表が、『ブルース・ブラザース』『コーンヘッズ』そして『ウェインズ・ワールド』だ。
アメリカのコメディは当たらない”と言われて久しいが、確かに言い回しの妙、時事ネタを多く含むコメディを100%楽しむのは難しい。まして本作のように、TVからのお約束ネタを多く含む場合は尚更とも言える。しかし、それらの障害を差っ引いた残りの50%でもじゅうぶんに面白いのが、コレ。
“バカが背広組に歯向かう”というコメディの王道を突っ走り、数多くのロックネタと“メジャーに魂は売らん”というロック魂に満ち溢れたこの作品を楽しむには、色んな情報やウンチクを溜め込むよりは、ただバカになるのみ。一種のゲテロックとしてその地位を確固としたが、いつの間にやら普段ロックを聴かない人々からも「コレっていいよねぇ」と言われるようになってしまったクィーンの使い方も正しい。ロックスターが突如として知的な話を始めるお約束のネタを、今回はアリス・クーパーが披露。決して“ロックやってても頭はいいんだぞ”と擁護していない潔さが気持ちよい。「こんな話したらビックリでしょ?」と、バカに徹している。マリリン・マンソンが『ボーリング・フォー・コロンバイン』で小難しい話を始めた時は、「実はネタじゃないのか?」と思ったほど本作のインパクトは強い。

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wawo1.jpg特異なキャラクターになりきる事で存在感を発揮する、マイク・マイヤーズ。『オースティン・パワーズ』シリーズで数多くのキャラクターを兼任したのも、エディ・マーフィが多くのキャラクターを演じようとする自己顕示欲とは違い、キャラ芸人として作品の隅々までコントロールしたいという意地であろう。もちろんその“コントロールをしたい”という欲求は共演者との軋轢を生みかねないが、それは『ウェインズ・ワールド2』で現実のものと。
童貞性の象徴とも言えるガースを演じるダナ・カーヴィ。普段オドオドしている分だけ、キレたら何をしだすか分からない狂気もはらんでいるのだが、監督はそのウブさとフェミニンさに注目をしたよう。やたらと可愛く撮っている。
背広組の代表としてやたらと脂ぎったロブ・ロウや、クリス・ファーレイ、アリス・クーパーなどのゲスト陣も楽しい本作だが、全く何の意味もなく登場する『ターミネーター2』のアレが一番楽しい。

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実はロックな血筋の人

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posted by たお at 01:18 | Comment(2) | TrackBack(1) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは〜初めまして。TBありがとうです。

私はこの手のアメリカンコメディは苦手です・・・笑いってツボ外れると観るのも結構キツイですね(笑)

あ、でもT−1000だけは笑いました(笑)
Posted by baoh at 2006年08月03日 00:55
baoh様こんばんは♪
確かにツボがずれると苦痛以外の何物でもないですよね^^;
とても同じ映画のレビューとは思えない正反対の反応が面白く、ついついTBしてしまいましたw
Posted by たお at 2006年08月03日 01:45
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