1987年 アメリカ映画 103分 ホラー 採点★★★
“信じた/信じなかった”は別にしても、私らの世代ってなんだかんだ言ってノストラダムスの影響下にあった時代を過ごしてきましたよねぇ。もしくは、五島勉の影響下というか。1999年に自分が何歳なのか、なんとなく皆さん計算してたんじゃないのかと。ただまぁ、アンゴルモアの大王が壮絶なまでの肩透かしをやらかしちゃったんで、「2012年にマヤ暦がぁ!」とか「いやいや2013年にぃ!」と言われた所で、全くワクワクしなくなっちゃったんですが。

【ストーリー】
廃教会で見つかった謎の物体の調査を依頼されたハワード教授ら科学者チーム。しかし、その物体には“闇の王子”ことサタンが封じ込められており、様々な怪異が彼らを襲うこととなり…。

『遊星からの物体X』『マウス・オブ・マッドネス』など、度々人類の終末を描いてきたジョン・カーペンターによる人類終末ホラー。ジョン・カーペンターは脚本も担当。もちろん音楽も。ベンベンと。
“闇の王子”サタンの復活に伴う人類滅亡の危機を防ごうと奮闘する科学者らの姿を描く本作。人類滅亡の危機と言っても、メディアが大々的に報じて人々が大パニックに陥るわけでも、国家レベルで動き出すわけでもなく、街の片隅で浮浪者相手に粛々と行われるこの路地裏感覚が好き。なんかこう、とっても発端ぽくて。主人公が学者チームだけに、サタンや怪現象の数々に科学的アプローチを試みてるのもちょっと新鮮。まぁ、“科学的アプローチ”って言っても、「光より早い物質タキオンを使って過去の地球に信号を!」とか「キリストは宇宙人だったぁ!」など、トンデモないネタが数々放り込まれているんですけど。
科学的アプローチとは裏腹に、描かれる怪異に対する合理的な説明を拒むいつものカーペンター演出により、目の前で起きている出来事そのものの不気味さを味わう事が出来るのだが、その反面、若干筆が走り過ぎたのか、カーペンターの脳内のみで完結してしまってるかのような荒々しいまでの行き当たりばったり感も。まぁ、そこも魅力っちゃぁ魅力なんですけど。

『ハロウィン』『ニューヨーク1997』のドナルド・プレザンスを筆頭に、『ゴースト・ハンターズ』のヴィクター・ウォンにデニス・ダン、『ゼイリブ』のピーター・ジェイソンなど、カーペンター作品でお馴染の顔ぶれが揃った本作。『ゾンゲリア』で注射針を目にぶっ差すセクシー看護婦役だったリサ・ブロントなんかも出ておりますし。ただ、怪現象自体が主役みたいな作品なので、その現象を前に右往左往している印象しかない感じも。まぁ、得体の知れない出来事が目の前で起きれば、右往左往するくらいしか出来ませんけど。
役者の顔触れよりも緑色の水がグルグル回ってる謎の物体や、片手しか登場しないサタンのパパの方が印象に残る本作ではありますが、浮浪者の一人として顔を白く塗って突っ立ってるだけのアリス・クーパーはなかなか強烈。「なんでコレに出たんだろ?」という疑問はさて置いて、その存在感は結構圧巻。確かにアリス・クーパーに通せんぼされたら、全く動けませんよねぇ。

宇宙の命運を握る浮浪者
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