1999年 ドイツ/カナダ/アメリカ映画 105分 サスペンス 採点★★★
美人とかハンサムっていいですよねぇ。絶対平々凡々な私なんかよりも、アレコレ得をしているはずですし。でも、「顔が良いだけじゃん!」ってやっかむのは違うんじゃないかなぁと。もう、美人とかハンサムってのは才能なんだし、その生まれ持った才能を努力で磨いてるんだからそこは素直に羨ましがろうと。
【ストーリー】
夫のニックとセイリングに出かけたリビーがヨットで目を覚ますと、周囲は血だらけで、夫の姿も消えていた。無実を主張するも夫殺しの罪で投獄されてしまったリビーだったか、ひょんなことから夫が生きている事を知ってしまう。6年後、仮釈放となったリビーは、人生を台無しにし最愛の息子を奪い取った夫に復讐するため、夫を探し始めるのだが…。
『ザ・スナイパー』のブルース・ベレスフォードによる、特殊な法のシステムを題材にした復讐劇。
“同じ人間を同じ罪で2度裁くことは出来ない”という、考えてみれば「そうだよね」ってなる法律ネタを前面に押し出してるかと思いきや、ミステリータッチの序盤から監獄物へと一転し、追跡劇から復讐劇へと変貌する結構ワンパクに盛り沢山な本作。展開に伴い舞台もころころと変わるので飽きる事はないのだが、その反面一本の作品としてはとってもまとまりのない印象も。自分が殺したことになっている夫を殺しに行こうとしている事を知っているにもかかわらず、主人公の保護観察官がその標的となっている夫の顔も知らないまま会いに行ってたり、復讐の最終ゴール地点がさっぱり定まらないバタバタとした締め括りなど、サスペンス映画としては随分と細部が雑なのだが、ワイド劇場的な勢いとノリで結構上手く誤魔化してるし、ピンチの数々を美人を盾に切り抜ける“美人映画”として楽しめる作品には仕上がっている。
主人公のリビーに扮するのは、美人絶頂期にいた『妖精ファイター』のアシュレイ・ジャッド。もう、ホント惚れ惚れするほど美人。決して上品なセレブ臭漂うタイプではなく、囚人姿にも違和感のない仄かにガラの悪さを感じさせるあたりが、やる時はやる美人として本作の主役にマッチ。当初はジョディ・フォスターがキャスティングされていた役柄であるが、ピンチを美人で切り抜ける美人映画である本作には、やっぱりアシュレイ・ジャッドの方がハマる。えぇ、個人的に好みなだけですけど、それがなにか?
一方、彼女を追う保護観察官に扮しているのは、『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』のトミー・リー・ジョーンズ。追っかけてる内に相手が無実であることを知るという、『逃亡者』の時とほとんど変わらない役柄ではあるが、ワイド劇場な感じの本作に大作感を漂わせる重量感と、もみあげを付けるだけで一気に猿っぽくなってしまうその風貌が、アシュレイ・ジャッドとのコントラストを際立たせているので、好キャスティングなのではと。
その他、劇中ずーっと「ニック!ニック!」と連呼されているので、この後どの映画で見ても「あ!ニックだ!」と思ってしまうようになった『デジャヴ』のブルース・グリーンウッドや、この後数年引っ張りだこになる『アンブレイカブル』のスペンサー・トリート・クラークなんかも出演。まぁ、最終的に記憶に残るのはアシュレイ・ジャッドのみなんですが。
怒られてる最中もデレデレしてしまいそう
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