1985年 アメリカ映画 96分 アクション 採点★★★
映画ってのは大衆娯楽なんだから、その当時の世相や政治思想なんかがダイレクトに反映されてしまうのは当たり前のことだと思うんですよねぇ。それを、何十年も経った今になって「これって、タリバンを支援してるんだよねぇ」とシタリ顔で非難するのは、なんか違うような気が。そもそも、そのシタリ顔が嫌。非難するなら、当時から非難しておけよと。

【ストーリー】
恩赦と引き換えに、いまだ行方不明となっている兵士の調査の為、美人の現地ガイドと共にベトナムのジャングル奥地へと潜入したランボー。そこで捕虜を発見し救出するが、捕虜の存在が明らかになる事を望まない軍上層部によって、ランボーは敵地のど真ん中に置き去りとされてしまい…。

『ランボー』のその後から物語が始まるシリーズ第2弾。『カサンドラ・クロス』のジョルジ・パン・コスマトスがメガホンを握り、同時進行だったせいかネタが丸被りした『エイリアン2』のジェームズ・キャメロンの脚本をベースに、スタローンがちょこちょこと加筆。
元々ランボーが持っていたテーマや味わいと大きくかけ離れてしまっているにも関わらず、一般的に“ランボー”というとコッチのイメージが浮かんでしまう本作。母国に対し戦いを挑んだ孤独の戦士の物語だったはずが、いつの間にやらベトナムに借りを返す話にすり替わり、ついでに当時の敵国ソ連もやっつけちゃおうって展開には、前作が大好きだっただけに当時から「あれぇ?」と。そもそも、本作は別にランボーじゃなくても良い。ジョン・ランボーというキャラクターが見えない。そこに居るのは、他人の土地に勝手に上がり込み上半身裸で暴れまわる暴れん坊の姿のみ。まぁ、ソ連に強硬姿勢を示していたレーガン政権下の世相を良く現した“鬱憤晴らし映画”としては良く出来てるし、その流れを読むスタローンらしいアンテナの冴えっぷりも見受けられるので、採点はやや甘めで。この辺から筋肉映画が繁栄し始めたことですし。

この作品の前後辺りから、役柄や作品そのものよりも盛った筋肉量が話題の中心になり始めていたスタローン。それはそれで仕事の姿勢としてはアッパレなものだし、好きな作品も少なくない時期なので良いんですけど、筋肉量ばかりに目が行っちゃうのはどうもちょっと。なんと言うか、好きな巨乳タレントの写真集を買ったら、胸のアップしか写ってないみたいな。まぁそれはさて置き、殺戮マシーンとして圧巻の筋肉美で説得力を持たせたスタローン。スタローンのイメージを決定づけた作品として、評価していいのかなと。
また、リチャード・クレンナは前作以上に父親っぽい雰囲気を醸し出すトラウトマンに引き続き扮し、『羊たちの沈黙』でレクターにギッタンギッタンにされていたチャールズ・ネイピアが、いかにも官僚的な憎々しさ溢れる上層部役に。『ビバリーヒルズ・コップ』のスティーヴン・バーコフの、ロシア人っぽい冷たく鋭い眼光も印象的。
ただ、本作で最も印象的だったのは、やはりランボー唯一のロマンス相手として登場するコー・バオ役のジュリア・ニクソン。女性慣れしてるとは到底思えないランボーを上手く手玉に取ったなぁって感じも否めなくもないが、和洋折衷な美しい顔立ちももちろんのこと、その細い首にもランボーの首にもフィットする不思議ネックレスもとっても印象的。

苦しくても我慢
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殺し合いのシーンは、ほどよく抑えたが、4になって、急にレベルアップし、戦争の残酷さみせてくれた、ホントーに乱暴です。
2以降はランボーであってランボーじゃないって作品ばかりの気も^^;