2010年 アメリカ映画 98分 アクション 採点★
仕事が出来ない人に限っていっぺんにアレコレ手を出して、収拾付かなくなってお手上げになるんですよねぇ。一個一個片づければいいのに。そのくせ、仕事が出来ないとは思われたくないから、やたらと話を盛ったりムダテクニックを披露したりと、形だけは仕事できるっぽいムードを出そうとする。素直に実力を認めて、助けを請えばいいのにねぇ。あ、この国のトップもそんな感じだ。
【ストーリー】
CIAの工作員として数々の闇仕事を請け負ってきたマーカスとそのチームは、武器密輸に関わる人物の暗殺指令を受ける。しかし、マーカスは大金に目がくらんだチームの裏切りに遭い…。
ウェズリーを筆頭に、ゲイリー・ダニエルズとゾーイ・ベルというかなり動ける役者を集めてるだけに、本気のアクションを見せるかと思いきや、作り手がその動かし方を全く分かってないという残念な一本。普通に撮ればいいだけのシーンにまでやたらとエフェクトをかけまくるという、ダメな作り手の典型的パターンを存分にお見舞いされる作品で。
普通なら物語の導入部として10分そこらで済みそうなシークエンスに延々1時間以上掛け、物語の中枢となる中盤をゴッソリと削って一気に終盤という、“起承転結”ならぬ“起起起結”な本作。主人公は概ね死なないとは言っても、さすがに主人公の回想ってパターンをとられると興醒めも甚だしい。悪役が人質にしている人物は、そもそも主人公も殺そうとしていた人物なのでそこにドラマが生まれるわけもなく、じゃぁ何か別な工夫が施されてるかっていうとされてない。主人公を殺せる絶好の機会だというのに何となく殺さなかったり、悪役が金庫に閉じ込められるという何かしらの展開が期待できるシーンも、普通に鍵を開けてもらって出て来ちゃうという無駄な珍シーンの連続に、ツッコミを入れる事すら飽きてくる。もう、回想録って構造自体無駄でしたし。もう、なんでこんな話書いたん?
主人公のマーカスに扮するのは、まさか自分が『デッドロック』になるとは思いもしなかったであろう『クロッシング』のウェズリー・スナイプス。心労か単なる加齢か定かではないが随分とやつれ切った様子で、そんな様でお得意の涙目演技をされてしまうと本当に病気なんじゃないかと心配になること多々。どうにも最近のウェズリーは“番長”っぽさに乏しくて寂しいんですが、出てきたらそれを箔に番長復活になればいいなぁ。
また、悪役には『エクスペンダブルズ』のゲイリー・ダニエルズと、『ローラーガールズ・ダイアリー』のゾーイ・ベルという、結構贅沢なキャスティング。ただまぁ、ウェズリーvsゲイリーという相当盛り上がれる素材を台無しにしたり、ゾーイ・ベルにセクシーなドレスを着せて女装したオカマのようにしちゃったりと、まるで分かってない作り手なんでこの贅沢すら無駄に使われてたんですけど。ウェズリーが出てきたら、普通の監督でもう一回この組合せの作品を作って欲しいなぁ。
キャラは良いけどシステムがてんでダメなクソゲー
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