1982年 アメリカ映画 120分 ホラー 採点★★★
暴力そのものは決して称賛出来る代物じゃないですが、そういう欲求や衝動を誰しも抱えてるのは事実だと思うんですよねぇ。それと向き合い消化するのも成長にとって大切。ただ、暴力事件に直結するからと、残酷描写や暴力描写といった表現を規制しまくるのは如何なものかと。欲求のはけ口を塞ぐのは、逆効果では。なんと言うか、ウ○コは臭くて汚いから肛門に蓋をするみたいな。
【ストーリー】
ホラーコミックばかり読み耽ってることを父親に咎められたビリー少年の前に、コミックの中から“案内人”が現れ、“父の日に現れたゾンビ”“隕石に触れ草人間になる農夫”“海中から復讐に現れるゾンビ”“怪物が入った箱”“大量のゴキブリ”といった物語を見せつける。
ホラーとSFをメインに扱い、有害図書として槍玉に挙がった50年代の人気コミック“ECコミック”にインスパイアされた、ホラーオムニバス。監督に『サバイバル・オブ・ザ・デッド』のジョージ・A・ロメロ、脚本にスティーヴン・キング、特殊メイクがトム・サヴィーニと、黄金トリオの揃い踏みが嬉しい一本。
赤と青を強調した色彩のもと、ゾンビが出てきて「ギョギョッ!」となると人物の背後にババーンとビックリ模様が現れる、直球のコミック表現が楽しい本作。メッセージやテーマが重過ぎず、せいぜい“ケーキを過度に欲しがらない”“隕石に触らない”“人の嫁さんに手を出してる最中は、その旦那について行かない”“鳴き声のする箱に無暗に手を入れない”“ゴキブリが多けりゃ引っ越す”といった、サックリとした具合がコミックをパラパラと読み楽しんでいる感覚に繋がって具合が良い。作り手が楽しんでいるのも伝わってくるし、エピソード数も丁度良いとは思うのだが、トータルで120分というランニングタイムは、正直ちょっと長いって印象が。もうちょいコンパクトだったらなぁと。
それにしても、随分と前にこれといった特典もないDVDが出たっきりのような気がする本作。このドギツイ色彩は、是非ともブルーレイで楽しみたいと思うんですけどねぇ。昔ファンゴリア・ビデオマガジンにも収録されてた、ゴキブリが噴き出すシーンにスタッフ皆「ウワァー!」ってなってるメイキング映像とか特典も入れて。『XYZマーダーズ』とカップリングだと、なお嬉し。
オムニバスということもあり、各話なかなかの顔ぶれを押さえた本作。イケてるハゲになる前だった『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のエド・ハリスや、昨年惜しくも亡くなられてしまった『最終絶叫計画4』のレスリー・ニールセン、『プライベート・ライアン』のテッド・ダンソンに、『ダーティハリー2』のハル・ホルブルック、アバズレの鑑である『ニューヨーク1997』のエイドリアン・バーボーと、『目撃』のE・G・マーシャルなど、「エェ!?こんな人まで!?」となる顔ぶれが集合。
しかしながら、そんなプロ中のプロばかり集まった中で一番印象を残したのは、やっぱりスティーヴン・キングの妙演。ド田舎の農夫を、コミックキャラクターらしいオーバーさで一人芝居を打つキングだが、とても素人とは思えぬ好演。と言うか、そういう素人をどっかの農場から連れて来たかのような感じ。キング本人にしろ、嬉々として呪いのヴードゥー人形に針を刺すキングのせがれにしろ、ホント作り手の楽しんでる様子が伝わる作品ですねぇ。
甘党
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
アメリカでは09年にBlu-ray版が出てはいますが画質が1080pHD以外は音声は2.0、特典は予告編くらいってので… 権利関係とか面倒なんですかね… まぁ『XYZマーダーズ』のようにBlu-ray化すらされてない作品の事を思えばあるだけマシなのかもしれませんが、LD時代なら特典等に拘った日本独自版みたいなのが出てたのを思うと日本のメーカーには頑張ってもらいたいですよね…
四の五の言わずにババーンと見せるべきものを見せ、ケバケバしい色使いで彩られた、ホント下品で素敵な作品ですよねぇ。ただ、サクっと楽しむにはちょい^^;
海外版のブルーレイの仕様は確認してみたんですけど、ちょっと寂しいですよねぇ。権利っつってもって気がしないでもないですが、色々と面倒なんでしょうねぇ。日本メーカーには独自で頑張ってもらいたいんですが、マーケットが縮小の一途をたどっていては。。。