1988年 香港映画 121分 アクション 採点★★★
一家揃って映画好きだったこともあって、子供の頃から映画浸りだった私。ただ、親が香港映画を「下劣でくだらない」と言って嫌ってたせいもあって、TVかなんかの同時上映でもない限り香港映画に触れる機会がほとんどなかったんですよねぇ。夢中になって香港映画を漁るようになったのも、いい加減大きくなってからですし。もったいないことをしたなぁ。なもんで、現在ウチの息子の映画道導入口を、ジャッキー映画に出来ないかと画策中の私だとさ。

【ストーリー】
前回の一件で交通課へと回されてしまったチェン刑事は、耐え忍びながらも日々の職務に就いていたが、釈放された麻薬組織のボスらの度重なる嫌がらせに激高し乱闘を繰り広げ、責任を取り辞職を選ぶ。だが、大企業を狙った爆弾事件が発生し現場復帰。犯人グループを追いつめるも、恋人を誘拐されてしまい…。

壮絶なアクションシーンの連続だった前作『ポリス・ストーリー/香港国際警察』の大ヒットを受けシリーズ化された、“ポリス・ストーリー”シリーズ第2弾。
単なるアクションのボリュームアップではなく、ストーリー面の強化が図られた本作。走行中のトラックの荷台からバスの屋根に飛び移り、そこから沿道のガラスに頭から突入する「なぜ、そんなことをする?」と驚かざるを得ないスタントや、猛スピードで走行中の車の間を何気にスイスイ横断し、最後にさり気なく車に撥ねられる、さらっと強烈な事をしているシーンなどアクションのクォリティは相変わらず高いが、要所要所に控えているだけで全体的にはアクションは控えめ。
そのせいもあってか、全体的なトーンダウンは否めないし、先に挙げたアクションが上手くストーリーに絡んでいないのも気になる所でもある。しかしながら、見せ場のみを強化し単なる“スタント博覧会”になってしまうことを避け、チームでの捜査の様子や、主人公周辺の人間模様、「貧乏でも犯罪には手を染めるな!」と真っ直ぐ過ぎるメッセージなど、真っ当な刑事ドラマを作ろうとした意欲が見える野心作として評価したい。

彼女に別れ話を切り出され、終始悲しい顔をしていた今回のジャッキー。「アパアパ」爆竹を投げつけたりと、主人公の感情の爆発がアクションに繋がってる事からも、今回は俳優ジャッキー・チェンとしてのレベルアップに挑戦したのかも。ただまぁ、アワワアワワと困惑顔のジャッキーは好きだけど、悲しげな顔したジャッキーを観てると、こっちも悲しくなるのでヤダ。
その他に、人気女優ながらも一歩間違えれば怪我をすると言うか、一歩間違って怪我をしちゃってるシーンにも果敢に挑戦しているマギー・チャンなど、引き続いて出演するレギュラー陣がキャラの膨らみを見せてくれてるが、やはり一番強烈だったのは、セリフが全て「アパアパ」の組合せである耳の不自由な爆弾魔に扮した、ジャッキーチームの重鎮ベニー・ライ。アパアパ繰り出すテコンドーベースの蹴り技は圧巻。アパアパも圧巻でしたが。
今回もブルーレイでの観賞だったんですが、画質はリマスター版のDVDよりはもちろん向上されてましたが、なぜか特典は減るという謎仕様。「アパアパ」しか言わないんじゃないかと不安を募らせた、ざっくりまとめれば「スタントも良いけど、ホントは俳優の仕事をしたいんだよね」って言ってるベニー・ライのインタビューは残ってましたが、新素材はなかったんですかねぇ?

アパアパ、アパアパアパアパ
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調べてみましたが元の香港版の特典が「Benny Lai interview」のみ、って事なので日本版もそのまんま、ってなったんでしょうかね… 権利関係とか面倒なのは解りますし、本編ディスクは同じでも変なオマケとかを付けた特別限定版ってのの乱発も困るんですけどね…
でもオリジナル香港版が2009年12月12日発売、って事ですから暫くすると特典満載の新盤が出たりして(苦笑)
○周年記念版とかを5年おきに買う羽目になるんですよねぇw
それにしても、このシリーズのブルーレイは特典が寂し過ぎますよねぇ。素材は山ほどありそうな気がするのに。NG中心に。