1985年 香港映画 100分 アクション 採点★★★★
子供の頃仮面ライダーに触発され、土手から飛び降り散々身体をあちこちに打ちつけながら転がり落ちた上に、蜂の巣に突入してしまい至る所を蜂に刺さる、まさに“泣きっ面に蜂”な体験ばかりしてきたたおです。今も昔も後先の事は考えてません。最近は、過激なアクションとか暴力描写は「子供が真似したらどうすんの!」とソフトになる傾向ですけど、ソフトになればなるほど真似し易くなるだけなんじゃないのかなぁと思ったりも。
【ストーリー】
麻薬組織のボスを逮捕するも、逆に罠にはめられ同僚殺しの濡れ衣を着せられてしまった香港警察のチェン刑事。自身の濡れ衣を晴らすため、チェン刑事はひとり大奮闘する。
ジャッキー・チェンを、若手カンフースターから唯一無二のアクションスターへと昇華させた、“警察故事”シリーズ第一弾。ジャッキー自身が監督も務める。
“明るく楽しく激しいジャッキー映画”の見本のような本作。バラック小屋と人が密集する丘を車で駆け下りるオープニングから、迫力はあるが容赦のないアクションの連続で、本作で描かれているアクションと丸っきり同じものを今作るとすれば、CG使用率はどんだけのものになるんだろうと考えてしまうほど。それぞれのスタントも、アクションのピーク時を映すのみではなく、その落下点とその後まで映し出し、やってる事の凄まじさと痛みをとことん感じさせるジャッキー映画でしか味わえない驚きを与えている。こりゃぁ、良い子は真似したくても真似できないや。ものによっては、ただの事故ですし。
笑いもふんだん盛り込まれ、展開の緩急やアクションの引き立てとしての効果を。場面によっては凄まじく高度なアクション自体が笑いを生み出し、その動きだけで全てが分かる言語と文化を超越したエンタメに。笑いのベタさ加減も、アクションが限度を超えてるだけに具合が良い。“現場は大変なんだよ”とシンプルにまとめられた物語もストレートに伝わり易く、建前を守り続ける署長に、おべっか使いだが人情派の上司、全てに於いて勘違いする彼女など、この後お馴染となるキャラクターも魅力的。
前年の『プロジェクトA』と本作で、絶頂期の幕開けを迎えるジャッキー・チェン。ハリウッドに挑戦した『キャノンボール』や『バトルクリーク・ブロー』という、野心が空回りした作品であっても、手ぶらですごすご帰ってきたわけじゃない事を立証。高い所が大の苦手なくせに飛び降り続けるその根性も、スラップスティックの基本動作を極限まで高め誰も真似できないジャッキーアクションを完成させるストイックさも、全てのシーンを楽しませようとする旺盛なサービス精神も、もうとにかく感服。“見栄っ張りでおっちょこちょい”というキャラクターを活かしたワタワタアクションも、一歩間違えば大事故に繋がる中での計算され尽くしたもので、ジャッキー本人の技能もさることながら、チーム成龍のレベルの高さにも驚かされる。普段蹴り飛ばされても、そうそうエスカレーターとエスカレーターの狭い隙間にキレイに収まるなんて出来るもんじゃないですし。まぁ、普段からそうそう蹴り飛ばされる事もありませんが。
今回はブルーレイでの観賞だったんですが、画質も特典も正直ちょっと残念な感じで。時間を見れば分かるように、今回も残念ながら日本公開バージョンではない、「ウワーッ!」と騒いでる最中にブツッと終わるオリジナルのもの。吹替えに至っては、もうなんともかんとも…。そんなパッケージには不満だらけなものではありますが、作品自体の面白さには変わりなく。こんないまひとつ元気の出ない時こそ、ジャッキー映画だなぁと再確認。テーマ曲が流れてくるだけで、どんな困難でも乗り越えられそうな気にもなってきますし。
でも、こんな困難はヤダ
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漫画家のみずしな孝之曰く「ジャッキー風邪」(笑)にかからなかった小学生男子ってそんなにはいなっかたですよね… 私も劇場やTVで楽しんでましたがシンプルでいい作品ですよねコレも…
マスター自体をなくしちゃってるんじゃないのかって話すら出てますからねぇ、本作の日本版。エンディング曲を無理やり差し替えた昨今のあれこれの作品は別にしても、思い出をベースに選択できる仕様にしてくれてもなぁと。
にしても、ジャッキー作品ってホント元気が戻りますよ!