2011年04月15日

アルゴ探検隊の大冒険 (Jason and the Argonauts)

監督 ドン・チャフィ 主演 トッド・アームストロング
1963年 イギリス/アメリカ映画 109分 ファンタジー 採点★★★★

もう、そういう世代なんだからしょうがないんですが、現物のありなしを重要視してしまう私。同じ曲でも、手元にCDとジャケットがあるものと、ダウンロードをしただけの物じゃ、聴く心構えからして違っちゃう。ダウンロードしたものは、ただダラーっと聴くだけ。CGも映像表現に飛躍的な進歩を与えてるってのは認めてますが、やっぱりザックリとした造りのダミーヘッドが吹き飛んでた方が、とっても心が躍るんですよねぇ。

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【ストーリー】
ペライアスの侵略により殺されたギリシャ王アリストの子ジェイソンは、父の王国を取り戻すために故郷へと戻って来る。しかし、父の仇とは知らずに助けたペライアスの謀略で、富と繁栄をもたらすという黄金の羊の毛皮を求める困難な旅へと出る事になるが…。

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ギリシャ神話の題材を、見せ場の連続で綴った一大ファンタジーアドベンチャー。子供の頃は、本作がTV放映されるのを毎回楽しみにしていたもので。因みに監督は、『恐竜100万年』『原始人100万年』と、これまた子供の頃よくお世話になった作品を手掛けたドン・チャフィ。
ギリシャ神話の雰囲気を掴むにはうってつけと思われる本作。ヒドラやハーピーと言った伝説上の魔物や、青銅の大巨人タロスや骸骨剣士という普段動くわけがないものまでが跋扈する胸が躍りまくる世界の中、因縁話とちょっとした神さまの助けを分かり易く魅力たっぷりに描いている。まぁ、“神さまの助け”とは言っても、そもそもの原因が神さま同士の退屈しのぎだったり小競り合いだったりするんで助けて当然とも思うんですが、奴らは原因が自分たちにあるにもかかわらず、「助けてやっても良いぞ」と常に上から目線。さすが神さま。
お気に入りの人間に恋人が出来ると、その様を嫉妬と失望の眼差しで見つめたり、神の罰が単なるイジワルだったりと、オリンポスの神々の人間臭さも魅力の一つ。なんか、とっても身近。まぁ、自分らに似せて人間を作ったんだろうから、そのオリジナルである神さまに人間臭いっていうのも、「コロンボって古畑っぽいよね?」って言う並みに失礼か。人間が神さま臭いんだね。

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声は全て吹替えとはいえ、その凛々しい顔立ちが作品に映えるジェイソン役のトッド・アームストロングや、何故か印象が自分の中では浜美枝と一緒なメディア役のナンシー・コヴァック、筋肉男ならではの単純さと男っぷりの良さを見せるヘラクレスにオリンポスの神さま方などなど魅力的な人物も多いのだが、やはり本作で最も魅力を放っているのは、『シンバッド七回目の航海』『シンドバッド黄金の航海』のレイ・ハリーハウゼンによるクリーチャーの数々。
ヒドラや骸骨剣士など、常にどこかが動いている仕事の細やかさはもちろんのこと、表情なきモデルに感情を感じさせるハリーハウゼンの特撮は、もう芸術の域。中でもお気に入りは、ロードス島の巨像をイメージした青銅の巨人タロス。その音といい動きといい、魂が入っている様子も感情も全く伺えない真っ黒な瞳といい、まさに金物が動いているって感じが素晴らしい。シーンによって若干大きさが異なる気もしないでもないが、岸壁と同じくらいのほど良い大きさが恐ろしさを増している。そんなタロスの素晴らしさも含め、本作は間違いなくハリーハウゼン特撮の最高峰に位置するのではと。見事なモデルの中にひっそりと海から出てくる上半身裸のおっさんが紛れてはいますが、あれも生身のおっさんが海から出てくるインパクトと共にどこか神秘さすら感じさせるので、あのおっさんもハリーハウゼンの最高傑作の一つとして勘定。

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若い頃は赤いマントでイルカに乗ってたもんだよ

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posted by たお at 14:27 | Comment(2) | TrackBack(2) | 前にも観たアレ■あ行■ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>人間が神さま臭いんだね
あぁそうか・・ それなら仕方が無いな・・・(苦笑)

>もう芸術の域
ただの“特撮”の域を超えているけれど、“抜きん出てるんだぜ! どうだ凄いだろぉ〜!”と主張し過ぎず、鼻につかないところも素敵です。
TV放映で何度も気楽に楽しめます♪
Posted by at 2011年04月16日 20:12
哀生龍さま、こんにちは〜♪
良い所も悪い所も全部、神さまに似ちゃってるってことで。親と子の関係もそうですしw
Posted by たお at 2011年04月17日 17:18
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『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)
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