1988年 アメリカ/香港映画 100分 アクション 採点★★★
何か突出したものを持ってたとしても、それを必要以上にアピールしまくる図々しさがないと、なかなか成功しないもんなんでしょうねぇ。きっと、成功に最も必要な要素が“図々しさ”。私も結構ずうずうしいと言われますが、それは行動が図々しいだけで、そこに至るまでかなりウジウジ考え倒してしまう潰瘍性大腸炎持ちらしい性格なので、成功とは縁遠い生活を送ってるんでしょうねぇ。いいなぁ、図々しい人。
【ストーリー】
かつてはCIAの工作員としてベトナム戦争で活躍し合気道の達人でもある刑事ニコは、あれやこれやしている内に議員暗殺計画にぶち当たる。なんだかんだで悪党を倒したニコは、最後に説教をする。
何本かのアクション映画に関わった事があるとは言えほとんど無名のセガールが、いきなり製作・原案・主演という華々しいデビューを飾ったアクション映画。監督は、どうも最近大人しい『沈黙の戦艦』のアンドリュー・デイヴィス。
妙に日本語が達者で、映画の中ではあまり見かける事のなかった合気道を“魅せるアクション”として大々的に取り入れたセガールのインパクトが、当時非常に強烈だった本作。作品自体は、同じアンドリュー・デイヴィスによる『野獣捜査線』のチャック・ノリスをセガールに変えただけって感じもなきにしろあらずではあるが、警官と牧師とマフィアが同じ空間に同席するイタリア系独特の生活感や、この監督らしいシカゴへのこだわり、それにセガールと、他の映画じゃなかなか味わえない風味が満載。中南米の問題や世界情勢の背後で暗躍するCIA、司法やメディアに対する警鐘に、シャロン・ストーンとパム・グリアをはべらかすと、セガールがやりたい事を一気に詰め込んだ欲張りな作りが気にはなったが、なにせデビュー戦。往々にして意気込みが空回りするもので。遠慮して変に小さくなるよりは全然マシ。
ハンサムじゃなければ、筋肉全盛期だった当時にしては貧弱な体型で、しかも髪の毛が非常に残念な感じという、スターの要素が何一つ見当たらないセガールが主役ってのに当時大いに驚いた本作。ある意味、中年の星。そんな見た目の残念さが、近所のイタリア系のおっさんが大暴れしているかのような臨場感を与えたのも事実で、腕をグニャグニャさせながら走る姿同様の“怖さ”を作品に漂わせている。今ではセリフすら他人に任せてしまうセガールだが、本作では走る・暴れる・車にしがみ付くと、八面六臂の大活躍。仕舞いには、妻役に『ボビー』のシャロン・ストーン、相棒役に『ゴースト・オブ・マーズ』のパム・グリアを配してしまう、男の中の男。そんな最強ぶりに、まことしやかに囁かれていた“元CIA”とか“元FBI”って肩書を、なんとなく信じてしまう結果に。
セガールのインパクトが強烈過ぎる本作ではあるが、『アリゲーター』のヘンリー・シルヴァや、『ラスト・ボーイスカウト』のチェルシー・ロスらの“いかにもな顔ぶれ”が“らしい役柄”を演じ、安心して観れるアクション映画に仕上げているのも印象的。その他に、一瞬だけ『スリザー』のマイケル・ルーカーの姿も。スタローンやシュワルツェネッガー、果てやヴァンダムやウェズリーと言った筋肉役者の相手役で大活躍の彼ですが、セガールとも絡んでたんですねぇ。すげぇなぁ。
追い付かれれば確実に殺される恐怖
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「実録!スティーヴン・セガール警察24時!」なんてリアリティ番組のDVDも出ますが… ここいらでそろそろあの頃のガチさ加減を出してもらいたいなぁ…
なまじ見慣れないおっさんだっただけに、ホントそこらの危ない人が暴れているような怖さを感じましたよねぇ。
セガールに年貢を納め続けて随分となりますが、傍若無人ぶりが増すだけで。。。^^;