2009年 イギリス映画 101分 サスペンス 採点★★★
学生の頃の試験っていうと、往々にして無防備な状態で参戦しただただ翻弄されるのみの私。奇跡的に記憶の片隅に残ってる授業の内容が、たまたま問題に出る事を祈るのみでしたねぇ。もう、大嫌い。ただ、これまで何度か経験している就職試験や面接ってのは、結構好き。無防備に参戦するってのは同じですが。短時間の内に相手が聞きたい答えってのを判断して、その期待通りの答えをかすりながら自分の考えを捻じ込むって感覚が好き。まぁ、何度も受けるようなことではないんですけどね。
【ストーリー】
とある有力企業の採用試験最終選考に残った8人の男女は、ペーパー試験を受けるため武装した警備員が待つ密室に集められる。試験官からは、“試験監督および警備員に話しかけてはならない”“試験用紙を破損してはならない”“退室してはならない”という3つのルールが説明される。制限時間は80分。試験に挑もうと彼らが問題用紙を開くと、そこには何も書かれておらず…。
“ソリッド・シチューエーション・スリラー”っていうと、どうにもスリラーそっちのけで拷問ショーに徹してしまう作品ばかりになってきた今日この頃では、珍しくちょいと頭を捻らせるミステリーが魅力の一本。
新人らしい最低限の舞台と人物に絞ったワンアイディア頼りの作品ながらも、ちょっとした色調変化に“困惑→疑心暗鬼→いがみ合い→どんでん返し”とスムーズに変化していく物語で中だるみを解消し、下手に設定を膨らませず人間ドラマに集中した潔さが面白味を生み出した本作。捻りのあるオチも、屁理屈や小坊主のトンチ勝負に感じなくもないが「あぁ、そう言えばそうだよねぇ」と膝を打つ納得具合。キャラ設定を性別と人種の違いに頼り切ってしまった感もあるし、トリックを成立させるために“謎の疫病発生中”という大技を使わなければならない無理やり感もなきにしろあらずではあるが、その無茶さを含め上手く乗り切った作品である。
“言われてない事はやって良い事”ってのは、小学生の屁理屈
↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
と思っちゃいました。
でも、きっと誰かが思いついたら思いついたで、思いつかないようなトリックを考えて欲しかった。
と思うに決まってますが(苦笑)
>“言われてない事はやって良い事”
そう言えば小学生の時、「廊下は走らない」と書いてあったら、スキップならどんなに速くてもいいんだろうと言った同級生が。
「廊下は静かに歩きましょう」が正しい注意書きの書き方ですね。
屁理屈とトンチと無茶に頼っちゃった、あと一歩捻りと考察が足りなかった若々しい作品でしたねぇ。
小学生と言えば、「他人が嫌がる事を率先してやりましょう」と言われれば、率先して嫌がらせを始める生き物ですからねぇw