1978年 イギリス映画 132分 戦争 採点★★★★
「感動しました!!」「泣きました!!」と涙の大安売りが続く昨今の映画事情。まぁ色んな事情があって泣くんでしょうが、“泣ける”という事前情報や“泣くぞ”という事前準備もなく泣いてみたいものです。なんかこう、“誇り”とか“友情”とかにまみれた“男泣き映画”でも観ながら。
アフリカの某国で勃発したクーデターによって拉致された大統領を救い出す為、フォークナーを筆頭に“計画屋”“名パイロット”“ボウガンの名手”ら4人を中心とした50人の傭兵たちが集結。奪還は成功したかに思われたが、政府側の裏切りにより彼らは見捨てられてしまう。敵は一国。彼らは脱出できるのか?
人気に翳りは見えていたにしろ、まだまだ衰えてなかったリチャード・バートンにリチャード・ハリスを中心に据え、ジェームズ・ボンド以外の当り役を探していたロジャー・ムーアを加え作られた傭兵アクションの傑作。派手なアクションのみに偏るのではなく、“西欧諸国に蹂躙されるアフリカ”“黒いアフリカと白いアフリカの対立”などのテーマ性に富んでいるのも魅力。敵のアフリカ人がまるっきり土○に見えたりと、今となっては問題になりそうな描写も多いが、“西欧諸国に資源を提供しなければ敵国、提供すればどんな悪行を重ねていても友好国”という現在も続く問題をこの時点で提起しているのは興味深い。
“傭兵アクション”とはいえ、若い戦闘大好き集団が大暴れするわけではなく、平和だが退屈で、娑婆では自分の居場所を見出せなかった中高年が、家族を捨て唯一自分の居場所を見出せた戦場へ向かう姿は胸を打つ。そんな彼らの姿を、計画・人選・訓練と多くの時間を割いて描写しているため感情移入を容易にさせ、彼らが命を散らせる様子に涙を流さずにいられない。同じようなテーマを扱いながらも、人物の描き分けもなくキレイごとばかりだった『ティアーズ・オブ・ザ・サン』とは大違い。同じ無駄死にでも、誇りを賭けた無駄死になのだ。
未見の方には何のことだかさっぱりだろうが、主人公の長年の友人ながら戦場では頑なに敬称で呼んでいた曹長が主人公の名前を叫ぶシーンと、「さぁ、お父さんの話をしよう」のセリフは号泣ポイントなので要注意。
男の教科書なんだから、さっさとDVD化を
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『The Wild Geese (30th Anniversary Edition)』
っ〜のが出てましてリマスター&特典一杯ってな仕様になってるんで日本版が出るかなぁ… っと思って早半年以上経過。
特典の多さが元々の権利関係の複雑さに輪をかけた、のかなぁ… 私も好きな映画なんでリリースして欲しいんですがね…
どうでもいい『ワイルド・ギース2』はDVD出てるのにねぇ。
土壇場で発売中止となった『悪魔のいけにえ』と併せて、さっさと出して欲しいものです。
「ワイルドギース」
親父にせがんで父子2人で観に行きました!
当時はロジャー・ムーアのボンド作品が大好きだったのです。
バートン&ハリスのWディッキーの渋さにクラクラしました(笑)
ハーディ・クリューガーという俳優を知ったのもこの作品からです。
ラストの切なさは今も忘れられません・・。
エドワード・フォックス、バーバラ・カレラ。
玄人好みの(かな?)渋い配役なのに、2は未だ観ていません!
たおさんは面白くなかったようですネ(汗)
DVDが存在するとは初めて知りました(感謝します♪)
では、またお邪魔させて頂きます・・・〆
最近こういった大人らしい大人が活躍する活劇っていうのも少なくなりましたね。ジョニデにしろブラピにしろ、40代まではまだまだそこらのアンチャンみたいな役柄ばかりやって、それ以降はぱったりと見かけなくなるのも寂しい限りです。「大人のアクションが観たいなぁ」と思ってたので、久々に観てみたのがコレで。
2は、まぁ…お暇でしたら^^;
スコット・グレンも好きな俳優なんですが、ワイルド・ギースって感じの映画でもなかったですよ。
http://info.hmv.co.jp/p/t/1263/935.html
アメリカ版を持ってますけど、特典映像がTV放映のドキュメンタリーみたいなのでした。
日本では、権利処理が出来なかったのでしょう・・・
遂に出ますかーっ!!!
…っと、アメリカ版と比較してみると、音声が5.1chからステレオになってて、ロジャー・ムーアの副音声がなくて、メイキングもない。。。
で・出るだけマシなのかな?^^;
TBは何度かいただいたりこちらからもさせていただいたことがあるんですが、コメントは初めてです。
『ワイルド・ギース』、ほんとに男の教科書ですよね。
『セカチュー』でも『いま会い』でも(略すのは嫌いですがここではわざと)一粒の涙も流しませんでしたが、「さぁ、お父さんの話をしよう」には号泣です・・・。
「どんな恋愛映画でも泣けなかったボクが、コレでは泣けました!!」とかいうCMを作った人間の神経を疑うというか、それに釣られる人々との価値観の違いを痛感するというか…。
じゃぁ次は「『タイヨウの○』で泣けなかったボクでも泣けました!!」になるんでしょうか?
男子諸君!
『ワイルド・ギース』も『ワイルド・バンチ』も知らずに易々と泣くんじゃない!!
と年寄りの説教を^^;