トランスポーター２ (The Transporter 2)

監督　ルイ・レテリエ　主演　ジェイソン・ステイサム
2005年　フランス／アメリカ映画　88分　アクション　採点★★★

さすがのベッソン先輩も頭を悩ませていた。思わぬ大ヒットで続編製作が決まったのはいいが、これといったネタがない。「子供出すとこまでは決まったけど、あと一捻りがないなぁ…」と、お気に入りの自由帳に描かれたラクガキをパラパラと眺めながら悩むベッソン先輩。自分の観たいネタはもうほとんど『クリムゾン・リバー２』で使ってしまったし、大事なネタは久々の監督用に取っておきたいし。そんな時、中学の地理の時間に描いたラクガキに目が留まった。“マシンガンを持ったセクシー看護婦”。「コレだ」。



【ストーリー】
どんなヤバイものでも必ず目的地に届けるプロの運転手フランク。危険な仕事もこりごりと、今は大金持ちビリング一家の６歳になる息子ジャックの送り迎えをやっていた。しかし突如現れたセクシー看護婦にジャックは誘拐されてしまう。身代金目的かと思われた誘拐だが、そこには恐ろしい陰謀が隠されていた。



まずは“セクシー看護婦ありき”でスタートしたのではないかとすら思えるこの作品。
「とにかくセクシー看護婦！」
「で、看護婦がいて違和感のない設定といえば…病院だろー」
「病院…注射器…。…オチどうしようね？」
「…あっ!ウィルス!!」
てな感じ。きっと、そう。でもないと、24時間で死滅するとはいえ、空気感染するウィルスが感染先を狙い撃ちするかのごとく大活躍するという驚愕の設定に納得いきませんし。そんな後付けかのような陳腐なネタすら払拭するセクシー看護婦のビジュアルイメージは強烈。さすが、ベッソン。何を見せたいのかハッキリしている。
ベッソンほど自分の好みに忠実な映画人も珍しい。売れそうなネタよりも、まず自分が観たいネタを忠実に取り込んでいく。中学生時代から変わっていなさそうなネタの好みが、ベッソン映画を魅力的に輝かせている。知的かどうかは、とりあえず置いておいて。



“植木好きの殺し屋”“首輪付きの殺し屋”“犬嫌いの警視”など、余計なひと手間が魅力的なベッソンキャラクター。前作で形成した“元軍人でカンフーの達人の運転手”という設定だが、続編ということもあり設定もボリュームアップ。“なぞなぞ好き”が加味された。まぁ、子供も出てきますし…。
“元軍人の凄腕ドライバーが子供の世話”というと『マイ・ボディガード』を連想させるが、こちらはあまり子供が前に出たがらないし、ノートにびっしりと名前を書いたりもしないので安心。さすが、ベッソン。わかってる。
舞台をフランスのコート・ダ・ジュールからマイアミに移ってしまい、豪華なバケーション感に乏しくなってしまった本作は、前作で「作品のほとんどをコリー・ユンが監督し、ルイ・レテリエはスタッフ間の調整に回っていた」と囁かれたレテリエが単独で監督にクレジット。そのせいか、アクションシーンの間がなんとも悪い。格闘シーンもアップを多用してしまい、せっかく動けるジェイソン・ステイサムの魅力を削いでしまっているのは残念。その反面、クライマックスのガレージでの格闘シーンは迫力も充分。まるで違う人が演出しているかのようだ。一応レテリエ自身が演出したことにはなっているが、リンチェイばりのホースの使い方など、香港臭ぷんぷん。コリー・ユンが「黙っててやるから、ココは俺が」って、まさかねぇ。



“イケてるハゲ”ランキングの上位に食い込むジェイソン・ステイサム。動きのキレもよく、ちょっと悪い子の役柄も様になってて文句なし。『スナッチ』以来久々のジェイソン・フレミングとの顔合わせも、意識してか微妙な間を取っており観ていて楽しい。マシュー・モディーンの80年代からタイムスリップしたかのような変わらなぶりは恐ろしいし、キース・デヴィッドの老けっぷりも更に恐ろしかったが、本作の見所はなんといってもケイト・ノタ。いかにもベッソン好みの彼女は、やっぱりベッソンに見出されたモデル兼歌手で、本作でも何曲か披露。印象には残ってませんが。第二のジョヴォヴィッチとなるかどうかは別にしても、ゴスメイクの下着姿で両手にマシンガンを持つ姿は、それだけで入場料分の価値がある。というか、それを観に行きました。満足です。


一人で嬉しそうにこの設定書いてたんでしょうね、ベッソン

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Comments

こんばんは。
TBありがとうございます。
こんな娯楽映画最近はないので気に入ってます。
是非シリーズ化して欲しいものです。
こちらからもTBさせていただきますね。

Posted by dim at 2006年06月14日 00:15

こんにちは、panda206ccと申します。
TBありがとうございます。
１作目よりも今時のアクション映画っぽくなって、漫画ちっくな展開。でもカーアクションは面白いしテンポもよく２作目にしては楽しめたと思います。続編に期待したいです。
TBこちらからもさせていただきますね。

Posted by panda206cc at 2006年06月14日 00:59

dim様こんばんは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
“見せたい物・見たい物”がハッキリしている作品なので、ホント楽しかったです。
シリーズ化うんぬんは置いておいても、せっかく動けるジェイソン・ステイサムなので、これからの活躍に期待したいです♪

Posted by たお at 2006年06月14日 02:59

panda206cc様こんばんは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
カーアクションという面では前作の方が圧倒的に好きだったので今回はまったく触れませんでしたが、前作に足りなかった“ふっとんだキャラ”の魅力に溢れていたので満足です＾＾

Posted by たお at 2006年06月14日 03:02

TBありがとうございます。
フランクの超人的アクションに笑いましたが、これはこれでなかなか良かったです。ヒットすれば３も・・・という話しがあるようなので、続編も期待できそうです。
プロフィール欄を拝見しましたが、
デヴィッド・ボウイは私も大好きですよ（レッツ・ダンス以前の）。では！

Posted by Ｊ美 at 2006年06月14日 17:21

Ｊ美様こんばんは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
「おぉぉ!?」と驚くアクションはちと減っていましたが、それでもここまで楽しめるのも最近は珍しいですね。
ボウイは、レッツダンス以前も以降もレッツダンス自体も大好きな“ボウイ甘やかし”な私ですが、今後ともよろしくお願いいたします♪

Posted by たお at 2006年06月14日 21:39

はじめまして、wataruと申します。
TBありがとうございました。
ケイト・ノタ！凄い凄い。その割に弱い（笑）。
ヒドゥンは、80年代を代表する映画だったし今も色褪せてないのが凄いですよね。
ワイルドギース、DVDで観たいデス。

Posted by wataru at 2006年06月14日 22:29

wataru様、初めまして！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
ケイト・ノタだけで満足ですｗ
ヒドゥンは名作なのでＤＶＤ出てるのは当然として、早くワイルド・ギースを何とかして欲しい次第で。

Posted by たお at 2006年06月15日 01:44

こんにちわ！
CMで「速い！速い！速すぎて飛びます！」
といってた通り、最後は飛行機が飛んじゃうとはｗｗ
“イケてるハゲ”ランキング、ジェイソン・ステイサム以外には誰がランキングしてるのか気になりますｗ

Posted by PINOKIO at 2006年06月15日 13:47

PINOKIO様こんにちはー♪
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
もー、何でも飛んでましたねｗｗ
“イケてる・イケてないハゲランキング”は、皆さんの意見を取り入れつつ近日記事にでもｗ

Posted by たお at 2006年06月15日 15:37

こんにちは、ＴＢありがとうございます。

この映画は素直に楽しめますよね。
前作よりパワーアップしたフランクのカッコよさに見とれました（笑）

Posted by りら at 2006年06月16日 08:18

りら様こんにちは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
時折気取った映画を作っちゃいますが、やっぱりこういうベッソンが大好きです＾＾

Posted by たお at 2006年06月18日 09:48

ジェイソン・ステイサム、カッコイイですね！
思うに、彼のかっこよさの8割は、あの後頭部の形の良さからくるものだと勝手に納得してます。
TBさせていただきました。
また、寄らせてください。

Posted by berabo at 2006年07月05日 22:49

berabo様ようこそ♪
ジェイソン・ステイサムが結構いいのは前作で確認済みでしたので、今回は「んー、やっぱりいいなー」って程度でした＾＾；
やっぱり今回の見所は、ケイト・ノタに尽きるのでは？ｗ

Posted by たお at 2006年07月06日 02:09

ジェイソン・ステイサム、アクションかっこええですが、今回も確かに面白かった、ですけど、にしても、3も、作ってしまうんでしょうか〜…？

Posted by sheknows at 2006年11月27日 19:33

sheknows様こんにちは〜♪
『３』はどうでしょーねぇ？
ベッソン自身移り気が激しいですし、他にやりたいこともいっぱいありそうですからねぇ。
ベッソンがやりたいのは、大ヒットシリーズを作るのではなく、自分が観たい中学生映画を量産することだと思うので、『３』はないと個人的に読んでおります。大金が絡めば、別なんでしょうが。

Posted by たお at 2006年11月28日 14:07

下着姿・・・やっぱ、素敵でしたよね。
黒ブラが一度も出て来ないんですよね。
ガーターやなんかは黒でも、ブラは黒じゃなかったんですよ。
黒じゃ、つまんないんでしょうねえ。
たおさんは、下着は何色が好きなんでしょーかぁ。

Posted by とらねこ at 2007年01月28日 17:06

とらねこ様こんばんは〜♪
基本的に下着は脱がせなきゃならない面倒な存在としか認識してないので、あんまり興味ないんですけどねぇ・・・。
まぁ、素敵にこした事はないんですがね。

Posted by たお at 2007年01月28日 20:47

たお様TBありがとうございました．
リュック・ベッソンものは突っ込むところがいっぱいありますが，たお様のblogほど抱腹絶倒なものも少ないですね．
僕も「クリムゾン・リバ−」は「大金かけた火曜サスペンス劇場」などと悪口を言った覚えがあります．
またおもしろい記事を期待しております．

Posted by ほんやら堂 at 2007年03月31日 14:46

ほんやら堂さまこんばんは！
まぁ、基本的にベッソン物が大好きなので＾＾；
中学生が書いたような物語に、どうしても愛着がわいちゃうんですよねぇｗ

Posted by たお at 2007年04月02日 01:05