2009年 フランス映画 97分 ホラー 採点★★★
「あんだけ動きがノロいんだから、自分でもなんとかなるんじゃないのか?」と甘い考えを呼び起こす余地を与えておきながらも、ちょっと油断すれば瞬く間に取り囲まれ、生きたままジワジワと貪り殺されるってのがゾンビの絶妙な恐怖バランスだと思うんですが、どうも最近のゾンビは生きてる頃より元気が良い。ハキハキしてる。ダメだ。あれじゃぁ、どうやっても生き残れない。

【ストーリー】
殺された同僚の仇を討つために、犯罪者グループの住む高層アパートに向かった刑事たち。しかし彼らは返り討ちにあい、絶体絶命の危機に陥る。そこへ突如ゾンビの群れが来襲。彼らは生存のために已む無く手を組むのだが…。

ベクトルの向きこそ違えど、一般人とはかけ離れた殺しの技を誇る警官と犯罪者が、襲い来る外敵に対し手を組む『要塞警察』的シチュエーションにゾンビを混ぜ込んで、あとは勢いに任せて撮り上げた感じのホラーアクション。“ザ・ホード”っていうと、誰が何と言おうと魔物から牛を守る牛ゲームを真っ先に思い浮かべてしまいますが、それとは全然違う一本。ちょっと失望。ちょっとだけ。
映画にゲームにと使い古された感もある状況と題材を、若手がどんな調理をしてくれるのか楽しみだったんですが、思いのほか真面目に仕上げられてた本作。悪く言えば“記憶に残ってるピースの寄せ集め”だが、まぁ真面目とも言える。ロメロ作品への目配せも十分で、黒人と女性(妊娠中なら尚更)が最強であるゾンビ映画の鉄板ルールに則った世界観の中、ゾンビを挟んで人間性を問うてみたり、移民問題やそれに所以する犯罪問題など人間ドラマを中心に据える王道演出を軸にしているのは好印象。ゾンビそのもののスピードもさることながら、ゾンビ化までの早さ、知らんうちに街が壊滅している状況変化の早さなどを、作品テンポに利用しているのも悪くない。ただ、限定空間とはいえ代わり映えのなさ過ぎる舞台と、優等生過ぎる展開が退屈を誘ってしまうのも確か。“自分の作りたいゾンビ映画”ではなく、“自分の知ってるゾンビ映画”になってしまった感が。
登場人物が素手ゴロでゾンビをぶちのめす剛の者ばかりだったり、不倫の揚句妊娠をし、その不倫相手の葬式で奥さんの前で平気で涙するその神経の図太さこそが劇中最強だったりと、面白い部分も少なくないだけに、もうちょっと羽目を外して欲しかったなぁという希望も。

結局我の強い人間が最強
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そちら大丈夫ですか?
どうかあなたも思いのほか図太くあれ!
なんとか無事に乗り越えられました!
どうやら私も相当図太い人間だったようで^^;
あれやこれや変わりはありましたが、なんとかやっております!
ご心配をお掛けしましたが、おかげさまで元気にやっております!