1987年 アメリカ映画 100分 SF 採点★★★★
缶コーヒーのCMの顔といえば今ではトミー・リー・ジョーンズだが、『ツイン・ピークス』ブームに日本中が沸いていたその昔は、カイル・マクラクランがそれだった。「ジョージアにまかせろ!!」を合言葉に、街中にカイルが溢れまくっていたものです。いい時代でした。ダン○ンドーナッツでは、同じく『ツイン・ピークス』からアンディ保安官補が使われていたような…。「アンディはいい人だ」とかなんとか。本当に、いい時代でしたねぇ。
善良な市民が突如として凶悪犯罪を犯すという事件が続発。犯人を追ってきたというFBI捜査官と地元警察の刑事が捜査に乗り出すが、FBI捜査官の口から信じられない事実が告げられる。
「面白かったB級映画は?」と訊ねれば、かなりの確立でこのタイトルが挙げられるであろうSFアクションの傑作。金と女とフェラーリとヘヴィメタルが大好きで、カントリーミュージックが大嫌いという、とても他人事とは思えない寄生虫型エイリアンを、生真面目・子供好き・ポルシェ好き・酒ダメのエイリアンが追っかけるという、一見ムチャな物語をハイスピードのテンポで一気に見せ切る。SF・ホラー・アクションの要素に笑いも盛り込み、それらをバランス良く配合できた奇跡的一本ではないだろうか。
「山火事で亡くなった人物の姿を借りている」としか劇中では語られない主人公の秘密だが、それがもし悪玉エイリアンを追跡中に起きた火事だとすれば、まんまウルトラマンの第一話。「あー、やっちゃったー。じゃー、命あげるー」という感じ?そう考えれば、あのやや強引なオチも納得がいくような気も。
荒削りだし、良く考えればハッピーエンドではない終わり方だが、一発ネタとテンポだけに頼らずキャラクターの魅力を存分に活かすことにも注力した監督の手腕により、この作品が20年近く経った今でも面白い作品として観ることのできる要因だ。最近ジャック・ショルダーの名前は聞きませんが…。
この映画の魅力は、なんといってもカイル・マクラクランに尽きる。『スクリーン』などで“〜の貴公子”とか“王子さま”とかいう形容詞がつけられていたカイルは、物憂げでふわふわと地に足が着いてなく、端正なマスクをしつつも生真面目すぎてどこかアホっぽく見える主人公を好演。“中に宇宙人が入ってます”という感じを見事に表現。これほど直立したままただボーっと立っている姿が様になる俳優も少ない。口半開きってとこが重要。
カイル・マクラクランを含め、出演陣のほとんどは最近とんと見かけなくなってしまい時代の流れを痛感。一番の出世頭がダニー・トレホってとこに、さらに痛感。
この頃まだ生まれてないってのも多いんだよねぇ…
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娯楽としての映画の楽しみに満ちていて、しかも
途中でエロとかグロとか社会問題とか変にズレずに最後まで一本の映画としてのトーンの統一されて、テンポやエフェクトで誤魔化さない感じとか大好きです。
「エイリアン・ネイション」も好きだったなぁ…(遠い目)
面白い要素を取りこぼさないで、バランスよく作り上げる事の出来た奇跡的な一本ですよね。
>「エイリアン・ネイション」も好きだったなぁ…
リクエストですか?w
近々^^
私の場合は、ウイスキーのCMにミッキー・ロークが出ていた時代に、近所の酒屋から立て看板貰ってきましたwまだ実家にあるはず。
始めてお邪魔させていただきましたが、
文章がとっても面白くて・・・
この映画大好きです。いま見るとSFXもちゃちいですが、ストーリーが良くできていてムダが無いのです。
それでは、またお邪魔いたします。
>一言:「デヴィッド」といえば「ボウイ」
「カジャ」といえば「グーグー」です。
私「デヴィッド」といえば「カヴァデール」です・・・
ありゃりゃ。カヴァーデールでしたか・・・。
まぁ、伊東じゃないだけよいですがw
で、この作品ですが、ここまで年月が経過しても変わらぬ面白さを持っているのも珍しいですよね。全く持って無駄のない映画です。