魔法使いの弟子 (The Sorcerer's Apprentice)

監督　ジョン・タートルトーブ　主演　ニコラス・ケイジ
2010年　アメリカ映画　109分　ファンタジー　採点★★★

タイトルに絡めて“弟子”の話でも書こうかと思いきや、弟子を取るようなスキルなんぞ持ち合わせていないのでネタもなし。取ったら取ったでこんな人見知りな私のこと、目を合わせる事もなく時間ばかりが過ぎ去ること請合い。もう、毎日「自習！」。



【ストーリー】
古より長きに渡って続けられていた、善と悪の魔法使い同士の壮絶な戦い。善なる魔法使いマーリンの弟子であるバルサザールは、邪悪な魔法使いモルガナを倒し戦いを終結させる力を持つマーリンの後継者を求め、1000年以上に渡る旅を続けていた。そして現代のニューヨーク。ついに見つけた後継者は、物理オタクで貧弱なデイヴで…。



『ファンタジア』の箒がヒョッコヒョッコ動き出す“魔法使いの弟子”のパートをモチーフにした、『ナショナル・トレジャー』のジョン・タートルトーブによるファンタジーアクション。
魔法使い同士の争いに巻き込まれた残念な感じの青年が、恋に魔法に大活躍するまで成長する様を描いた、あらゆる意味で“ディズニー＋ブラッカイマー＋タートルトーブ”らしい一本。ちょっとした青春コメディとファンタジーアクションを並列して描き、要所要所に派手なエフェクトを挟みこんで滞りのないスムーズな展開を見せる、そつなく手堅い本作。あまりにそつがなさ過ぎて、さっき観終わったのにもかかわらずまるで魔法に掛けられたかのように記憶から消え去って行ってるのだが、決してつまらないわけでもない、まさに“ディズニー＋ブラッカイマー＋タートルトーブ”ならではの味わい。モテない物理オタクの悲惨な学園生活なり、ワンパクな魔法使いの悪行三昧なりを多少全体バランスを崩してでも描いていれば印象にも残るのだが、全てに於いて及第点のバランスで描かれているので、観ている間は楽しいが「この映画を肴に語り明かそうぜ！」と言われると非常に困るタイプの作品。



やりたい役を選ぶのは役者として当然なんですが、その“やりたい役”と“着たいコスプレ”がほぼ同義語になっている感もある、『ＮＥＸＴ -ネクスト-』のニコラス・ケイジが主役の魔法使いに。ちょっとぷっくらとしたニコラスが、嬉々として手からプラズマを出したり火球を出したりする様を、「楽しそうで何よりで」と微笑ましく眺めるのが、本作の正しい観賞法の一つかと。また魔法使いの弟子役には、最近活躍の目覚ましい『ファンボーイズ』のジェイ・バルシェル。まぁ、役柄的にもいつもの感じ。
その他、作品の選び方に才能の無駄遣いの感じが漂ってきた『プリンス・オブ・ペルシャ／時間の砂』のアルフレッド・モリナや、ブルーレイでアップを見るのは正直辛くなってきた『ブラザーズ・グリム』のモニカ・ベルッチ、リース・ウィザースプーンとクリステン・スチュワートを足しっぱなしにした感じの『呪怨　パンデミック』のテリーサ・パーマー、デペッシュ・モード呼ばわりが一番のツボだった『処刑島』のトビー・ケベルらが出演する本作。でも、一番観れて嬉しかったのは『グレッグのダメ日記』のロバート・キャプロンだったかも。


ちょっとした魔法を施された御二方

↓↓お帰りの際にでもぽちりと↓↓
　　　

　　　　　　　　

　　　　　　　　

Comments

みんながちょっと残念な主人公と形容するジェイ・バルチェルと、
仕事選べよと言いたくなるニコラス・ケイジとアルフレッド・モリーナ。

ご大層でなかなか面白かったです。

一番感心したのは、映画はＣＧかどうかはわかりませんが、あのテスラコイル音楽が実在することでした。

Posted by KGR at 2011年02月25日 18:08

KGR様、こんばんは！
イケてない男子映画ブームに乗って大活躍のジェイ。ただ、似たジャンルの若手が多く出過ぎてる感じもあるんで、ここらが正念場なのかも＾＾；

Posted by たお at 2011年02月25日 18:48

>“やりたい役”と“着たいコスプレ”がほぼ同義語になっている
エージェントさんに、「次はこれね！」と、心底嬉しそうな少年の笑顔でアメコミ・ヒーローの切抜きを渡す様子が目に浮かんじゃいました(^^ゞ

ジェイと言えば“人の良い軟弱オタク青年”という感じですが、たまにはキリッとしたキャラも見てみたいと思う今日この頃・・・

Posted by 哀生龍 at 2011年02月26日 09:51

哀生龍さま、こんばんは〜♪
エージェントを通す以前に、自分で製作しちゃったりしますから楽しくてしょうがないんでしょうねぇｗ
＞たまにはキリッとしたキャラも
下からクリストファー・ミンツ＝プラッセなんかが追い上げてきてますから、踏ん張りどころですしねぇ＾＾；

Posted by たお at 2011年02月27日 01:51

ブルーレイでアップがきつくなってきた・・ということは、スクリーンではいかがなものかと。あははは。
やはり主人公の地味さが、この映画のすべてだったなあ〜と思われます。

Posted by sakurai at 2011年02月27日 20:43

sakurai様、こんにちは！
女優たるもの、その辺が悩みどころなんでしょうねぇ＾＾；
アップは欲しいが、あれやこれやが映るのは勘弁願いたいとｗ

Posted by たお at 2011年02月28日 17:41

毎日「自習」……弟子にしてみればそれはそれで嬉しいかも？（笑）

無難に楽しめましたね〜。
主人公の男の子よりも、おじさん二人の対決が楽しそう＆カッコよかったです。って、それぐらいしかもう印象に残ってないのも我ながらどうかと思ったりしますが（笑）

Posted by りら at 2011年02月28日 21:20

りら様、こんにちは〜♪
自習ばっかなんで、なーんにも習得できませんけどｗ
ほとんど作品の印象が残ってないのは、きっと忘却の魔法を掛けられたからに違いありません！

Posted by たお at 2011年03月01日 15:46