1985年 イギリス映画 116分 SF 採点★★★
惑星や星雲の写真は何時間でもポヘーと見惚れれるほど宇宙が好きなはずなのに、なんとか流星群とか彗星とかの一大イベントはことごとく見逃している私。1986年に接近したハレー彗星も楽しみにしていたはずが、なんとなく見逃してしまい、気が付くと遥か彼方へ。次の接近は2061年。生きてるかなぁ…。
【ストーリー】
ハレー彗星の探索を行っていた英米合同の宇宙探査チームは、彗星付近で巨大な宇宙船を発見する。内部探査の末3体の人間に似た生命体を収納するが、彼らは人間の精力を吸い取る吸精鬼だった。やがてイギリスに降り立った吸精鬼は次々と犠牲者を増やし、ロンドンは地獄絵図と化してしまう。
殺人かオカルトの話ばかり書いている印象もあるコリン・ウィルソンの原作を、『ポルターガイスト』のトビー・フーパーが映像化したSFホラー。
古典的な吸血鬼伝承にエイリアンと接近中だったハレー彗星を絡め、最終的にドンチャン騒ぎで締め括る本作。中盤の吸精鬼探しが描かれるミステリー仕立ての流れを、クライマックスのドンチャン騒ぎでぶち壊したと見る向きもあるが、地味な展開で行き詰ったフラストレーションをレイヴパーティの如き大乱痴気騒ぎで発散した、非常にフーパーらしい作品なのではと。是非ともブルーレイで観てみたいフーパー独特のギラギラした色合いと、アドレナリンが噴出するヘンリー・マンシーニの音楽の相性は抜群で、その演出とロンドンの景観をバックに、ただのゾンビと化した犠牲者たちが右往左往するクライマックスのカオスぶりは、もう一緒に踊らなきゃ損だ。
主演は、本作以降『エド・ゲイン』に『デビルズ・リジェクト〜マーダー・ライド・ショー2〜』と、怪優の道を真っ逆さまというかまっしぐらというかまぁ爆進中のスティーヴ・レイルズバック。また、劇中常に全裸で行き来する非常に頼もしい吸精鬼に、マチルダ・メイがキャスティング。その肉感的にも程があるマチルダ・メイの身体つきに、いやらしい思いを通り越して「外人にはどうやっても敵わないなぁ」と敗北感すら感じてしまうほど。
ただ、本作で最もインパクトあるシーンを作り出していたのは、我らがジャン=リュックこと『スター・トレック/叛乱』のパトリック・スチュワート。人間が瞬く間にミイラになったり、そのミイラが動き出したり、全裸の美女が右往左往していたりと強烈な描写が多い本作だが、やはり最も強烈だったのは女声で迫った揚句にキスをするパトリック・スチュワートだったのではと。仕舞いには顔中から血を噴き出しちゃいますし。
そんなトラウマレベルのパトリック・スチュワートも観れた事ですし、チラリとボウイのポスターが出てるんで例のボウイ・アドバンテージの適用も含めて、★ひとつオマケで。
次にハレー彗星が来るころには、こんなんなっちゃてるのかなぁ、私
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