1978年 アメリカ映画 108分 ホラー 採点★★★
出だしから荒唐無稽な話でアレですが、人間の姿をした悪魔がいるとしますよね?で、ソイツには地位も名声も富もあるとする。そんでもって、ソイツが悪魔だってことを知ってる人間がソイツから見れば虫けらにしか過ぎない私一人だとする。あぁ…、想像してみるだけで勝てる気がしない&何もする気が起きないですねぇ。
【ストーリー】
大企業の会長である叔父夫妻に引き取られ、13歳の立派な少年へと成長したダミアン。何不自由なく育った彼は、陸軍学校へ進学。優秀な生徒となる。しかし、彼の周囲では奇怪な出来事が頻発し…。
山犬から生まれた悪魔の子がサム・ニールになっちゃうまでを描いた、“オーメン”三部作の第二弾。監督は、同じバーバラでもバックの方のフィッシュマンと記憶がゴッチャになってる、『ドクター・モローの島』のドン・テイラー。
セレブライフを堪能するダミアンが自分の運命を知り、悪魔の子として自立するまでを描く本作。とは言っても、そんなストーリーの軸はホンノリ微かに描かれているだけで、ダミアンにとって邪魔になる人間や秘密を知った人間がバッタバタと死んでいくだけの、非常に中身の薄い一本。その秘密を知ってしまった原因も、往々にしてダミアン及びその周辺がしでかしちゃった事に端を発しているので、なんかもうとってもマッチポンプな感じ。
しかしまぁ、そんな中身の薄さを作り手も自覚していたのか、死に様だけは異様に派手。“凍った湖には近づいちゃいけない”という教訓をトラウマのように植え付けられた溺死シーンや、みっちりと詰まったモツが開けっぴろげに披露されるエレベーターでの胴体切断シーンなど、視覚的にもシチュエーション的にも胸躍る強烈なショック描写が多く、悪魔云々そっちのけで「キャーキャー」騒いで観るには丁度良い作品に。そんなこんなで、シリーズ中一番好きな一本。
前作『オーメン』のグレゴリー・ペックに代わって作品に重厚感を与えるため駆り出されたのが、『ワイルドバンチ』『タワーリング・インフェルノ』のウィリアム・ホールデン。アクションも似合っていた役者だけあって、重々しさの中にもちょっとした軽快さを感じさせる好演を。また、ダミアン役にはイメージを確立した感も強いジョナサン・スコット・テイラー。独特の暗さと気立ての良さが混じった、デビュー直前の悪魔っ子らしさが非常に出ている好キャスティング。これ以降めっきり見なくなったなぁと思ってたんですが、今はイギリスで法律家をやっているとか。悪魔なのに。
で、本作の目玉はやっぱり守護悪魔の一人に扮した、『弾突 DANTOTSU』『ハード・ターゲット』のランス・ヘンリクセン。基本凄味を効かせるだけの役回りではあるものの、ダミアンを守りつつ教育もする重要なポストを演じるランスを観れたのは、あの重低音響き渡る声を取得前のランスではあっても嬉しい限りで。
こんな虫けらのような私ですが、是非お供をさせてください
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