ニュースの天才 (Shattered Glass)

監督　ビリー・レイ　主演　ヘイデン・クリステンセン
2003年　アメリカ映画　94分　ドラマ　採点★★★★

“天才”と聞くとマット・デイモンを思い浮かべるのだが、ハリウッド一の頭脳を持つと言われているのはジェームズ・ウッズだとか。小学校時代の知能テストの結果は全米一で、高校時代に受けた全米統一学力テストでは満点を獲得。秀才の行く学校の代名詞でもあるマサチューセッツ工科大学の特待生となり、エリートとしてどんな道も目の前に開いていたのに、俳優となる。なぜ？モテたかったんでしょうねぇ、きっと。このように、些細な願望が人生を大きく変えてしまう事もある。

【ストーリー】
数ある雑誌の中でも唯一大統領専用機に常備される権威ある雑誌“ニュー・リパブリック”。そこに勤める気配りもよく社内で人気者の最年少記者スティーブン・グラスは、政財界のゴシップを次々とスクープし、一躍スター記者となる。しかし、他の雑誌社からある記事の捏造疑惑が指摘され、それを機に彼の驚くべく真実が明らかになっていく。



トム・クルーズ製作によるこの映画の基となった事件は、ＴＶでも紹介された事があるのでご存知の方も多いのでは。この権威ある雑誌の捏造事件という題材は、さもすれば“倫理観”や“正義感”といった大袈裟なテーマで描かれがちだが、人間関係を中心に描かれるこの作品で語られるテーマは“信頼”だ。“信頼を得た人間”“信頼を必死に得ようとする人間”“信頼を得られない人間”。主要人物の差は“信頼度”で測られ、“信頼を得た/失った”の対比で映画を締めくくる。
編集部内をほとんどの舞台とした本作は、淡々とした描写も相まって派手さはないものの、雑誌発行の経緯を興味深く映し出し、『ザ・ペーパー』をも髣髴する興奮を感じる瞬間すらある。
病的に嘘を付き続ける主人公だが、その嘘には悪意も罪悪感も感じられない。その嘘は、自己顕示欲によるものでも富と名声への渇望からでもない。ただ「嫌われたくない」「見損なわれたくない」「一人になりたくない」といった恐怖感からだ。同僚への異常なまでの気配りや、僅かに語られる家庭環境のプレッシャー、また嘘が露呈した際の逆ギレ振りからもうかがえる。惜しむべくは、ヘイデン・クリステンセンの表現力不足なのだが。



『スケルトン・キー』や『フライトプラン』のようなろくでもない映画でしか観ていなかったせいか、「眠たいキーファー」程度の印象しかなかったピーター・サースガードだが、本作での存在感は見事。『ミステリー・メン』のハンク・アザリア演ずる人格者編集長の跡を継ぐプレッシャーに程よく挫け、主人公の根回しもあって誰も付いてきてくれない現状に程よくヘコみ、最悪の事態に正面から立ち向かう新任編集長を程よく好演。パチーノ級の熱演では、この程よい映画のバランスを崩しかねないので、これくらいが丁度いい。眠たそうではありましたが。『サハラ　死の砂漠を脱出せよ』のスティーヴ・ザーンも、いつも通り見ているだけで楽しいので満足。若きパダワンはもう少し修行を。


マメな嘘つきはモテるんだよなぁ

↓↓ぽちりとお願いします↓↓
人気blogランキングへ

　　　　　　

Comments

こんにちは〜
TVでみたときの印象が強かったので、イマイチ印象に残りませんでした^^;
若きパダワンはもう少し修行を！はその通り(笑)

Posted by ゆかりん at 2006年05月26日 14:17

ゆかりん様こんにちは♪
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
スキャンダルを中心に描いていないので非常にあっさりとした印象でしたが、バランスよくて好きでしたよ＾＾
パダワンは、相変らずダークサイド面してるか駄々こねてるかだけでしたがｗ

Posted by たお at 2006年05月26日 14:49

はじめまして！
ＴＢありがとうございます！！

「眠たいキーファー」とは全くもってその通り！
笑わせてもらいました(^^)

本作のピーター・サースガードはホントいい味出してたので、頑張って欲しいです。

Posted by Ｙｕｈｉ at 2006年05月26日 21:40

こんにちは♪
TBありがとうございました。
やっぱりヘイデン君にはこの役は重かったかもしれませんね〜。
ピーター・サースガードは昨年来たくさんの作品で見かけるようになりました。
なんせ印象的なお顔ですものね〜。

Posted by ミチ at 2006年05月26日 23:35

Ｙｕｈｉ様こんばんは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
そうとしか見えなかったんで。。。＾＾；
でもこの映画では、ほんとーにいい仕事してました!!!

Posted by たお at 2006年05月27日 02:12

ミチ様こんばんは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
修行が足りなかったですねぇ＾＾；
確かに最近やたらと見かけるサースガード。注目株ですね♪

Posted by たお at 2006年05月27日 02:14

ジェームスウッズって
どうも、ちょっといじくった西村雅彦に見えて仕方のないじゅりあんまのんです（笑）

ウソがばれたあと？小細工を暴かれようとしていたとき、なんかオドオドした感じがどうも＾＾；

最初から記者にならず小説家にでもなればよかったのに（笑）

Posted by じゅりあん＆まのん at 2006年05月27日 12:35

こんばんわ〜！
どうもこの男、みているだけでイライラさせられてダメでしたわ(；´∀｀)
ダークサイドは奥が深いわ〜・・・。

Posted by ＰＩＮＯＫＩＯ at 2006年05月27日 21:19

じゅりあん＆まのん様、こちらにまでありがとうございます!!!
西村雅彦プラス爬虫類って感じですか？ｗ
あーゆー人って悪意がないから、問い詰められると「やばい」ってじゃなくて、「なんで疑るの？」ってキレ気味にオドオドするんですよねぇ。
何人か知ってるだけ、非常にリアルでした＾＾；

Posted by たお at 2006年05月28日 02:46

ＰＩＮＯＫＩＯ様、こちらにもありがとうございます!!
ダークサイドってより、ただの駄々っ子ですからｗ
でも、見事に騙される人も多いんですよねぇ。。。
なんででしょ？

Posted by たお at 2006年05月28日 02:48

ＴＢありがとうございます。
「マメな嘘つきはもてる」
うんうん、もの凄く納得して思わず笑ってしまいました。
この主人公、まさにそんな感じですよね（＾＾；

Posted by ベル at 2006年05月29日 09:32

ＴＢありがとうございました。
これ、ピーター・サースガードがよかった。
レンタルもう始まったかな？「フライト・プラン」にも出てるんですよね？楽しみ。
あと「ボーイズ・ドント・クライ」でもいい演技してましたよ。かなり演技派！なのに「眠たいキーファー」ってっっっっ（爆）
ヘイデン君よりも本物のスティーブン・グラスにムカつきました。（特典のインタビューで）
すごいＴＢの数！
けっこう隠れた名作？

Posted by しゅぺる＆こぼる at 2006年05月29日 19:02

ベル様、いつもお世話になってます!!
「なんであんな嘘つき野郎が」って腹が立つんですがね＾＾；私も少しはマメにならないと。。。

Posted by たお at 2006年05月29日 20:06

しゅぺる＆こぼる様こんばんは！
コメント＆ＴＢありがとうございます!!
すごく良かったですよね、サースガード。眠たそうなのは相変らずでしたがｗ
アナキンにムカついてる人って、結構多いんですねぇ。

Posted by たお at 2006年05月29日 20:08

こちらにもTBありがとうございます！
新サイトからお返しさせて頂きますね
今後ともよろしくお願い致します

Posted by さわっこ at 2006年06月22日 21:15

さわっこ様、こちらにもありがとうございます!!
こちらこそ、よろしくお願いします!!

Posted by たお at 2006年06月23日 20:01

嘘が発覚した後の幼稚な感じに、違和感よりも既視感を覚えて、一気に「やたら身近な」世界突入ですだ。
マメな嘘つきって、確かにモテますねぃ…。

Posted by sheknows at 2006年09月16日 11:07

sheknows様こんばんはー♪
結局は幼児的な自己防衛に起因する嘘なんですよねぇ。だからばれると「なんで助けてくれないの？」とキレる。ここまで大事にはならないけれど、どこにでもこういう輩はいますねぇ。でもって、「なんでこんな奴がモテるんだ？」と腹立たしくも。。。

Posted by たお at 2006年09月16日 20:34

こちらにもお邪魔しまっす
さてはて、この作品なんと言ったらよいのやら（汗
旧編集チョも新編集チョも良かったっす。もちろんスティーヴ・ザーンもgood♪
で、ヤツですが・・・
思わず「甘えてんじゃねー！このクソ野郎！！」と、後ろから回し蹴り入れたくなっちゃいましたワ。オホホホホホ←今更取り繕っても無駄っすね（笑）

Posted by chibisaru at 2007年03月07日 07:52

chibisaru様、こちらでもこーんばーんはー♪
まぁ今更取り繕っても、chibisaru様に下手に甘えると「このクソ野郎！！」と回し蹴りを食らうんだなぁと、しかと胸に刻み付けましたので、ご安心をｗ

Posted by たお at 2007年03月10日 01:43